表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢の中で愛した君へ

作者: 塚本薫

夢の中で出会った人には夢から覚めてしまえば二度と合うことは出来ない。

悲しくなりますね

 稲妻が落ちたかのような衝撃が僕の背中に走った。

 気づけば私は見覚えのない大きな赤いベットでうつ伏せで寝ていた。石のように硬く寝心地は悪かった

 背中が痛いしなんだか寒い、何も覚えていない、というより記憶に靄がかかったような、何か大切なことを思い出せずにいた。とりあえず家の中を探索してみることにした。

 とても広く家というより洋館というべきであろうか。所々崩れていたり、進めない場所もいくつかあった。時代に置いていかれた過去の遺産のような、どこか懐かしい雰囲気を感じた。

 ある程度探索したあと私は庭に出てみることにした。庭は自然豊かであったが、誰も手入れをしていないようで木々が生い茂っていた。庭から広い川が見えた、そこには朽ちた舟もあった。

 川の向こうには人影が。一人の女性が誰かを待っているかのように佇んでいた。黒く長い髪、星空のような瞳、赤と白の斑な服を着たどこか懐かしさを感じる美しい女性であった。

 私が彼女に声をかけてみると振り返ってこちらを嬉しそうな悲しそうな不思議な表情で見ていた。私は朽ちた舟で川を越え彼女に聞いた。

 「昔何処かで会いましたか?」

彼女は何か思うことがあるのか悲しそうな顔を浮かべたが答えてくれなかった。

 私は彼女と少しお話をすることにした。ここに来るまでのことを話すと彼女は微笑んでくれた。一緒に見に行こうかと提案すると彼女は首を横に振った。その後も話は続き、日も沈む時間になった。その日は一人洋館に戻りベッドで横になった。ベッドは何故か白くふかふかななものに変わっていた。

 その日から毎日私は川の向こうの彼女に会いに行った。いつしか私は彼女に好意を持つようになっていた。初めて彼女にあった日から一週間程たった頃、私は彼女に好意を伝えた。彼女は嬉しそうにしていた。私も嬉しかった。幸せな時間はすぐ過ぎるというのは本当なのだと実感した。

 それから数日後、いつものように彼女と川の畔で話していると得体の知れない"何か"が私に近づいてきた。私は少し戸惑ったが、彼女は迷わずに私を川に落とした。

 「長生きしてね」

 彼女は悲しそうに微笑んでいた。

 私はそのまま川の底へと沈んでいった。

 気づけば僕は白いベッドの上で眠っていた。僕は彼女のことを思い出したと同時に彼女とは二度と会えないと悟った。僕は涙を流すことしか出来なかった。

血だらけで倒れたことを石のように硬い赤いベッド

生死を彷徨うことを川を行ったり来たりすること

病院のベッドを白いベッド

色々と表現してみました

じゃあ彼女は一体誰なんでしょうか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ