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06. 新学期_1

悲鳴が口から漏れた。何なら魂も出ていたかもしれない。


新学期、学年が上がり、新しい生活が始まる。ヒロインも転入してくる。


わたくしは皆と離れ、新たなクラスで今度こそのんびりと学校生活を送るのだ、そう思った矢先のことだった。


なぜか、わたくしの在籍が上位クラスに変更されていた。


学期末のテストでは狙った通りギリギリの点数をはじき出し、中間クラスに落ちたのをこの目で確認した。


ヒロインが、ゲームの通り入学試験で全教科満点をとり、デッドリー様を抜いてトップに立ったのも確認した。


なのに、春休みがあけていそいそと登校したら、わたくしは上位クラスに案内された。


学校に問い合わせたところ、どうやら辺境伯家からわたくしの成績について物言いが入ったらしい。


辺境伯領の重要な問題を解決する手伝いをしてもらっていたため、勉強にまで手が回らなかったのだろう。正しいことをやっていたのだから、クラス編成については考え直してもらいたい、と。


課外活動による活動実績は、証明書さえあれば成績に加味されるシステムになっている。


かなり下回っていたら無理であったのだと思う。


しかし、わたくしが狙いすぎて、本当にギリギリの点数、1点だけ足りないというのをやってしまったために、功績が認められ1点が加算されたというのだ。


見事わたくしは、上位クラスに返り咲いた。


ヒロインがいて、デッドリー様とオーストラ様がいて、しかもそれだけではない。ミラー様も上がってきたクラスに。


教室に入ってきた彼は「オレ、頑張ったよ!」と満面の笑みだった。


辺境伯のご子息こそ問題解決のために奔走しており、彼が成績を下げるどころか上げたのだから、わたくしの1点は言い訳にならない。ノーカンにしていただきたい。


そう言って、泣いて縋りついたけれどダメだった。


立派なことをしたのですね。わが校の生徒として大変誇らしいです。


そう校長先生にも笑顔で諭されてしまい、結局、わたくしは勢ぞろいのクラスで学校生活を送ることになってしまった。

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