姉妹相談。
宜しくお願いします。
※「楓、お姉ちゃんは応援してるよ!」
コンコン、妹の部屋のドアをノックする。
下田陽詩が帰宅したときには、既に妹楓は食事とお風呂を終えて自室に籠っていた。
陽詩も子供とお風呂を済ませ、娘が寝息を立ててから妹の部屋に向かった。
その手にはビールが2本。
「誰?」
「私・・・ちょっと良い?楓。」
暫くの沈黙。
「あ・・ッ・・ちょっとアレだけど、お姉ちゃんなら・・・まぁいいか・・そうぞ。」
ドアの向こうから、躊躇しながらの返事が返ってきた。
陽詩は久しぶりに妹の部屋へと入る。
全体的に明るい色を使用した家具が供えられ,女性然とした柔らかな印象を残す部屋。
陽詩は後ろ手にドアを閉めて、部屋へと視線を向けた。
そして部屋の中で大きめの姿見の前に立つ、妹に釘付けになった。
妹は鏡の前で黒いランジェリーを着け、動きながら右側・左側と鏡に映る自分を見ていた。
黒のランジェリーに目を奪われた陽詩、そのランジェリーをマジマジと観察する。
シルクを使ったレースのブラとショーツ、ブラからは楓の形の良い乳房と乳首がレース地越しに薄っすらと見えており、デザインも、より乳房を強調するような二本ラインが入っている。
ショーツは、ヒップの部分がシルクで光沢があり柔らかそうだ、そしてフロント部分はブラと一緒のレース地になっており、同じ黒で刺繡がされている。
そしてこちらも隠す部分がレース越しに薄く透けて見えている。
薄く見えるはずのアンダーヘアーが見えないのは、手入れをしている証拠、妹の女子力は高いと見える。
「どうかな?これ。」
妹は鏡から後ろに立つ姉に向かって全身を晒す。
妹は控えめに見て可愛いと思う。クリッとした黒目勝ちの目、少し上を向いた鼻、そしてちょっと厚めのピンク色の唇、身長は多分160~165センチ位か、バストは多分Dカップかそれ以上かも知れない。
そしてバランスの良いヒップとスラっとした足。
それが黒いランジェリーと相まって凄く煽情的だ。
「凄くいいと思う。」
思わず口に出た・・・正直な感想だ。
「じゃあ、これはどう思う。」
妹はそう言うと、傍らにあるベッドの上にある物に手を伸ばした。
それは薄緑色の同じようにレース地を多用したセクシーなランジェリーだった。
ハンガーにブラとショーツがぶら下った状態を体に当てて姉を見た。
「どう思う・・・お姉ちゃん。」
正直楓の白い肌にはどの色も合うと思う。
「それもまた雰囲気が違っていいじゃない、楓に似合うと思う。」
楓が嬉しそうに微笑む。
「ありがと、お姉ちゃん。ちょっと他の人の意見を聞きたかったのよね。」
楓はマジマジと薄緑のランジェリーを見た。
「はい、これ。」
陽詩は持ってきたビール楓に差し出した。
「ちょっと相談に乗って欲しいことがあるの、貴方が適任かなと思って。」
「そうだん?その前にもう一つだけ意見頂戴。」
楓は肯定しながらも少し迷った顔をして、手に持った薄緑色の下着を見た。
「お姉ちゃん・・・この黒の下着と、この、薄緑色の下着なんだけど、・・・その・・彼氏に喜んでもらえたらなぁ、なんて考えて買ったんだけどさ・・」
何かモジモジしながら話す楓を訝しむ。
「どうしたの、いつのも貴方らしくない。いいんじゃない彼氏の為なんて、彼氏もきっと喜ぶわよ。」
「そうなんだけどさぁ・・・お姉ちゃん、これ引かれないかな。」
そう言って、陽詩の前に薄緑色の下着を突き出した。
楓は真っ赤になる。
「このショーツ、オープンクロッチショーツなの、ちょっと勢いで買っちゃたんだけど。」
「え?」
陽詩が目を見開いて妹と下着を見比べた。
少しの沈黙の後。
「楓、お姉ちゃんは応援してるよ!」
そう答えるとビールのプルトップを開け、楓に向けて乾杯した。