本当の親子じゃ・・・
宜しくお願いします。
少し更新が遅れます。
湯船に浸かり両腕を上げながら体を伸ばす。
「うーん。はぁ。」
ぽちゃんと音を立てながら、伸ばした腕を湯船に沈める。
「月菜・・・・入るわよ。」
「うん、お祖母ちゃん。」
バスルームのドアが開き、前をタオルで隠しながら美佐子が入って来た。
美佐子は湯舟に浸かる月菜を見て笑顔を浮かべた。
「二人入れるかしら・・」
「大丈夫だよ。」
月菜は湯船の淵に両手を乗せる。
美佐子は洗い場の椅子に腰を落とすと、持ってきたタオルを濡らしボディソープを手に取った。
足、体、腕・・・丁寧に洗いながら鼻歌を歌う。
月菜は祖母のその姿を見ながら、最後にお祖母ちゃんとお風呂に入ったのはいつだったかしら、と考える。
「ねぇ、お祖母ちゃん。」
「なんだい、月菜。」
美佐子はシャワーを使い体に付いている泡を流している。
「お祖母ちゃんの肌、キレイ・・・何でそんなに白いの。」
「やだよ、月菜・・・そんな見ないでおくれ。」
美佐子はシャワーを月菜に向けた。
「キャ!やー!お祖母ちゃん。」
2日程前に祖母から「月菜、ちょっと大切な話があるから、女子会しましょ。」と言われ、今に至っている。
今日は忍の見舞いには行かずに真っ直ぐに帰宅した、帰宅した月菜を迎えたのは、祖母の作った月菜の大好物。
「お祖母ちゃん、何この料理!」
喜びの余り声を上げてしまった。
「月菜の好きな物を作ったつもりよ。」
「お祖母ちゃん、ありがとう。」
月菜は思わず美佐子に抱きついた。
「月菜、早く着替えちゃいなさい、食事にしましょう。」
二人は楽しく食事をした、月菜の高校の話、月菜の友達の話、剣道部での話、月菜の話が終わると、月菜からの質問が飛ぶ、お祖母ちゃんとお祖父ちゃんの出会いの話、お祖母ちゃんの学生時代の話、そして父忍の話。
二人は良く食べ、良く話した、食器を片付ける祖母を手伝いながらも話は続いていた。
「月菜、お風呂沸かしてもらえる。」
祖母からの言われて良い事を思いついた。
「お祖母ちゃん、一緒にお風呂に入ろうよ。」
月菜は自分より背の高い祖母を下から懇願するような目で見る。
祖母は、食器を洗っていた手を止め、隣に居る孫を見つめた。
「そうね・・・お風呂でお話しようか。」
祖母は月菜の頭をポンポンと撫でた。
髪の毛を洗い終えた祖母が湯船の前に立つ。
祖母は最初と違い、タオルで前を隠すことは無かった。
月菜はお祖母ちゃんの体をマジマジと見る。
「お祖母ちゃん・・・・スタイル良い。色も白いし・・・その白さ羨ましいかも。」
「何言ってんだい、この子は。」
祖母は湯船に足を入れた。
どう二人で入るか思案して、祖母が月菜を抱きかかえるようにして長方形の湯船に足を延ばす。
ザパーとお湯が流れ出す。
美佐子が月菜の乳房を触る。
「きゃ!やだ!お祖母ちゃん、くすぐったい!」
「けっこう、大きくなったわね。」
「お祖母ちゃん。」
月菜は自分の後ろに居る祖母に、半分顔を向けながら抗議する。
そんな時間が流れ、祖母が優しく月菜を抱きしめた。
背中にお祖母ちゃんの柔らかい体を感じながら、くすぐったそうにする月菜。
「月菜・・・月菜はもう大人だと思うから、話すことがあるの。」
月菜の後ろから祖母の頬が、月菜の頬に重ねられる。
「お祖母ちゃん・・・」
祖母の腕に力が入る。
「今まで月菜に嘘を付いていてごめんね、でも貴方を育てる為には仕方がなかったの。」
「お祖母ちゃん・・・何の話。」
祖母の表情は分からない、ただ抱きしめられている手の強さが、月菜を絶対に離さないと意思表示しているようだった。
「貴方が・・・貴方が忍に魅かれてしまったには、本当の親子じゃないからなの・・私はそう思っている。」
「え?・・・・・」