恋人にしかできないから・・
今回もアダルトな内容を含んでおります。
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※ワンピースの裾が太もも辺りにあり、揃えた足の奥に下着が見えている。
「あの、お父様のお見舞いにお伺いしたのですが。」
神居月菜のお祖母さんから、学校にお父さんの容態について報告の電話があった。
月菜さんの担任ということもあり、今は高橋楓先生が窓口となっていた。
美佐子は学校での月菜の変貌ぶりについて思い出していた。
もし病院で月菜と高橋先生が鉢合わせしたらどうなるのだろ。少し考えても想像が出来るような気がした、そこでふと疑問が湧き上がる。
「そう言えば、なんで担任の先生をあんなに毛嫌いするのだろ。」
異常とも思える月菜の態度、校長室で高橋先生が「神居さん、今度私もお見舞いに行かせて頂きますね。」この言葉を発した後からおかしくなった。
月菜と高橋先生との間に何かあったのではないかと考える・・接点は生徒と教師、でも忍の事で月菜の態度は変わった・・・・
「病院内は携帯電話での通話は避けて下さい。」そんな規則に従って、病院の外にある白いベンチに腰掛けながら電話をしている美佐子。
目を細めながら日差しを見つめて何かに気が付いたように目を見開いた。
「まさか、忍と高橋先生が・・・・」
美佐子は電話口の高橋先生に見舞いの件について、お願いを申し出た。
「忍が事故に遭ってからちょっと不安定な部分がありましてね、自宅でも感情の起伏が激しくて泣いたり、怒ったり・・それで、面会について・・少しお願いしてもよろしいですか。」
半分本当で半分は作り話を交えた。
「今の月菜の精神状態は、この間の学校での態度でも分かっていらっしゃるとは思うのですが・・・先生と鉢合わせはまずいと思うんです。それでお願いなんですが、面会日をこちらで指定させて頂いても構いませんか、丁度私が家に戻る用事がありまして、後から月菜も家に来る予定なんです。その時、その日にして頂きたいのです。・・・1泊しますし、そうすれば鉢合わせもしませんし・・・」
病院の受付で見舞いに来た旨を話し、渡された書類に必要事項を記入する。すると番号と病院名が入ったネームプレートを渡された。
受付に頭を下げ、ネームプレートを首から下げる。お見舞いにと買った花をみて蕾や花が落ちていないか確認する。
エレベーターホールには、自分と同じ見舞い客や入院患者があふれていた。
数機あるエレベーターが往復する中の、一つに乗り込み3Fのボタンを押す。
階が上がるたびに楓の心臓が高鳴る。
3Fである事を、エレベーターが音声で知らせてくれた、楓はフロアーの案内板の前に立ち忍の病室の番号を探す。
見つけた楓は迷うことなく部屋に向かってあるく、夏物の素足が見えるベージュのサンダルが足早に動く、途中看護師さんとすれ違い軽く頭を下げた。
ここだ、忍の病室の前に立ち大きく深呼吸をする、左手に花束を持ち手首に日傘を掛けた。右手を胸の前で祈るようにして軽く握る、そしてノック・・・一度目、答えが返らない。そしてノック、「どうぞ。」聞きたかった声が返って来た。
ゆっくりとドアを開く、病室の衝立が目に入りドアが大きく開かれる度に室内の状態が明らかになる、そして、病室の奥・・・窓の近くにベット、楓は目を見張った。
頭の中の整理がつかなかった、ベットに横になり驚いた顔をした忍が自分を見ている。
その顔の半分は包帯で見えない、そしてけん引されている足、忍の痛々しい姿。
両手で口を塞いだ、花束と日傘が病室内に落ちる。
こうでもしなければ、楓は大声で泣き叫びそうになる自分が居た。
涙が瞳に溢れ零れそうになる、楓は大きく深呼吸をすると後ろ手で病室のドアを閉めた。
もう、我慢できなかった・・・・「しのぶ!」悲鳴に近い声を上げ、忍のベットに駆け寄る。
忍の全身に目が走る、足、腰、お腹、胸、腕、頭、そして瞳。
忍の瞳が笑っている・・・「よかった・・」ほっとした瞬間膝から崩れ落ちた。
楓はハンカチで目頭を押さえながら忍を睨みつけた。
「・・・もう、こんなに心配してるのに、忍から連絡の一つもくれないなんて。」ぶつぶつと文句を言う、いや言いながら泣いている。
「そんな事言ってもなぁ・・・携帯はあるけど、手と体がこれじゃ・・・まぁでもごめん。」
「いいわよ、わかってるわよ・・・でも悔しいじゃない・・・その恋人?の私に連絡が来たのが一番最後だなんて。」
唇を尖らせながら泣いている。
「仕方がないだろ、まだ皆に言う前に事故に遭ってしまったんだから。」
「・・・・私は、きちんと親に話しをしたし、両親も交際には賛成してくれたわ。」
「そっ・・・早いな・・・」
「それは、そうでしょ・・・だって何もないんだもの。」
キッ!と忍を睨みつける・・・まだ泣いている。
忍は申し訳なさそうに謝罪した。
「楓、ごめん・・・・こんな事になって。」
「私は皆に交際を知って欲しいだけ、そうじゃなきゃ、何も始まらないんだから・・・私達の関係は。」
寂しそうに楓が俯く。
二人の関係、それは世間的には娘の学校の担任と、父兄というありふれた関係だが、付き合うとなると色眼鏡で見てくるのが少なからず居る。
変な噂を立てられたとしても良いように、ちゃんと報告すべき人には二人の交際を話し、理解してもらうつもりだった。
「体が少し動くようになったら、母にも月菜にもちゃんと話すつもりだよ。」
楓がジッと忍を見つめている。
「今話しても、この体じゃ聞いてもらえないだろうからね・・・」
花瓶に花を生けた楓が、病室に戻って来た。
ふわふわとしたワンピースの裾が揺れている、花瓶をベットの横に起きながら花の香を嗅いでいる姿を追う。
楓が忍の方を向くと、忍を覗き込むようにして枕の位置を直してくれた。
忍の左目に、楓のワンピースの胸元から下着と一緒に白くて柔らかそうな双丘が目に入る、忍は慌てて見ないように顔を窓に向けた。
急に窓の方に首を向けた忍を見て楓は小首を傾げる、暫くして楓は何かに気が付いたように胸元を押さえた。
「忍。」
楓が窓に顔を向けている忍に声を掛けた。
忍は何も気が付かない振りをしながら楓に視線を向ける。
丸椅子に座り足を揃えて座る楓、しかしその座っている位置が忍には最悪だった。
丁度ひざ丈のワンピースの裾が太もも辺りにあり、揃えた足の奥に下着が見えている。
楓に話し掛けられているが、全く内容が頭に入らない。
忍はまたしても窓の方に慌てて顔を向けた、胸に少し痛みが走る。
「いたったた・・・」
楓が立ち上がり忍に触れる「大丈夫、しのぶ!」心配そうにのぞき込む。
忍は楓に揶揄われているのかと思ったが、本気で心配そうにしている姿を見てその考えを打ち消した。
忍は大きくため息を付くと、覗き込む楓を見て思った事を口した。
「楓、今日の君のファッションは素敵だと思うが・・・・気を悪くしないでくれ・・・今の僕には少し刺激が強すぎる・・・入院してるし・・その、次からは自重してくれると助かる・・」
すると、キョトンとした顔をしていた楓の顔が真っ赤になり、そのまま忍を覗き込んだまま固まっている。
ゴクリと楓が唾を飲み込む・・・そして。
「うれしい・・・・私を見て、そんな事・・・・思ってくれたんだ・・・」
忍の頬を愛おしそうに両手で触れ、唇を重ねる「しのぶ・・・」ひと月以上、求めても手に入らなかった温もりがそこにあった。
「・・・はぁ・・しのぶさん・・・・」
「かえで・・・・」
ゆっくりと顔を上げた楓が、うるんだ瞳で忍を見つめる・・・そして。
「恋人・・・だから・・・して・・あげる。」
「え?」
唇を塞がれ舌が絡みつく。忍の動く左手を楓がそっと握り自分の太ももの奥に導く。
「しのぶ・・・ほんとに・・恋人になろ。」
「楓・・・・」
楓がなにを求めているのか分かった、自分も楓を求めている、忍はそっと・・・楓に導かれた先に指を這わせた。
そして、またキス・・・
楓は唇と舌を絡ませながら、左手を忍の下半身に伸ばす。
そして、ゆっくりとそれに指を這わす。
「はぁ・・・・しのぶぅ・・あっ・・」
「か・・えで。」
「しのぶ・・・わたし・・にまかせて・・恋人にしか・・で・はあっ・・う・・できないから・・。」
病室に夕日が差し込む、静かに時間は流れていった。