最終章
クレーマー
私は働いているので給料から保険料は引かれている、実はこの該当者は次男の彼女だった。この請求については次男の時も経験した、それは岡山から帰ってから暫く職に就いていないとき、突然私宛に国民健康保険料の請求書が届いた。
直ぐに郡山市役所に尋ねたところ、次男の方だが貴方が所帯主だからと、法律ではそうなっている。しかし、私は突っぱねた、私だって少ない給料の中からちゃんと税金等は払っている、息子は立派な成人だ、請求するなら息子にして呉れ。また、せめて宛先は何何様方息子の名前を書いてくれと。そう言ったが、法律での一点張り。
こうなったらひとつ窓口にと郡山市役所に乗り込んで、直接担当者に話をした。しかし、回答は同じ、でも私に支払う意思もなく、支払う余裕もなかった。だが、郡山市役所では私はクレーマーだとレッテルを貼った。
彼女は郡山市に転入した時、私に断りなく勝手に私を所帯主にした、だから市役所は私に支払いを求めた。私は、彼女に此処に住むのは構わないが、世帯主は自分にと言った、それは当然なこと。だからこそ私は郡山市役所に、宛先を鮮明にしてくれ、と。それの何処がクレーマーなのか。
最終章
妻が家を出てから5年の歳月が流れた。年金手続きで、思いがけず住まいが分かったが一緒に暮らす気持ちは毛頭なかった。次男達と住むようになったので少し窮屈に感じたが、互いに干渉することも余り無く、近くのスナックに通って独身生活を楽しんでいた。次男の彼女の歓迎会からは妻と連絡を取り合うようになり、徐々に関係も修復してきた。
そうした時、平成23年3月11日午後2時46分、東北大地震が発生した。築30年の家屋は幸いに倒壊を免れたが、屋根瓦が吹っ飛んだ。
揺れが幾分治まったかと思われた時、台所の勝手口から妻、長男、三男、四男が飛び込んで来た。心配して駆け付けて来て呉れたのだ。
こうして、今は長男の家で暮らしている。平成16年5月警備会社を退職して以来、妻との仲も深刻なものとなり離婚も考えた。しかし、あの地震が再び家族を結びつけた。
多くの方の犠牲の上に成り立っていることを何時も心に言い聞かせている、だから大切にしていきたい。
“ちょっと笑える悲しい話”もこれを以て最終章と致します。拙い文章を読んで頂き有難う御座いました。
今後も、福間優、のペンネームで書き続けて参ります。引き続き宜しくお願い申し上げます。
次は、思い残すことなく書き綴る、で掲載して参ります。




