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立ちはだかる人

トラック交差点内反転


 法定速度内の時速50キロで走行中、交差点は赤信号。急ブレーキ程でもないがブレーキを踏んだら、トラックはあろうことか滑って交差点中心部迄進み、そこで半回転した。所謂、前後ろ逆となった。幸い、その交差点に進行して来る車両がなかった。


 トラックの向きを変え、無事帰社したが何故そうなったか分からない。道路も濡れていない、何故滑ったのか。しかし、荷物を積んでいないトラックには落とし穴があることを理解した。




右手小指変形


 トラックの荷台から右手をついて跳び降りた時、小指に異常を感じた。何と

小指が変形している、所謂脱臼。そのまま放置したら、小指は外側に20度程曲がったまま、元に戻らなくなってしまった。


 だから挙手の敬礼をする時は注意している。




立ちはだかる人


 職場の小牧ターミナルまでは20分程、国道19号線を横切ると、道はS字となって幾分狭くなる。しかし慣れた道、スピードは少し落とすもののブレーキを踏んで止まるほどでもない。いつものようにそこを抜けたら後は一本道。 


 と、そこに一人の女が道路の真ん中で両手を広げている。止む無く停車させ、この不可思議な女の顔を見た、見た事がない顔だ。訝しげに見る私に中年女性が、貴方昨日私の車に傷を付けたでしょう、と捲し立てた。


 そして道路の傍らに停めてある乗用車に指を差す。見ると、横に30センチ程うっすらと黄色のペンキが付いている、それは私のトラックの色だ。そうか、さては昨日S字カーブですれ違った乗用車か、でも接触した感じはなかったが、現実トラックのボディのペンキが付着しているのであれば、擦ってしまったのかもしれない。


 昨日、何時ものようにS字カーブに入ったところ、幾分大回りをして来る乗用車がいる、私は右カーブ、乗用車は左カーブ、一番狭い箇所だ。咄嗟にスピードを落とし慎重にハンドルを回す、乗用車も私のトラックに気付きながらすれ違う。と、そんな按配だった、互いに運転しながら。


 そして女は教師だと身分を明かし、弁償して呉れと云う。しかし少し弁明した、互いに動いているのであれば五分五分だ、また私は毎日通っている、珠にはダンプとすれ違うこともあるが接触したことは一度もない。


 であれば、貴方が弁償して呉れというのは話の筋が通らない、それでも納得がいかないというのであれば、逃げ隠れもしないのでどうか電話を掛けて来て下さい、と啖呵を切った。


 それから電話を待ちうけたが、女から連絡はなかった。また、その後二度とその女性の車と会う事はなかった。摩訶不思議な出来事だが、ほっとした。だが、運転で飯を食っている、このようなことは二度とあってはならない、そう心に強く言い聞かせた。


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