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勝叔父さんの次男の結婚式

勝叔父さんの次男の結婚式


 勝おじさんの次男が結婚することとなり、私は新築したばかりの家に泊ることとなった。次男は奇しくも日本碍子に就職していた、そこは雁道のおじさんが勤めていた会社で、私が高校3年の時、そのおじさんから成績表を見せて呉れと言うので見せた所、成績も芳しくないが欠席日数が多いことに驚き、就職のチャンスを失ってしまった会社だった。


 日本碍子は大きな会社だ、次男はそこで指導員として働いていた、指導員だけあって優秀な人材だったところから、上司の世話で結婚することとなったが、何とこれまた養子となり山田姓となった。云わずと知れた金持ちの娘、もうこうなると栗林家は養子一族だ。

 

 上司二人も式前日宿泊となり、広間で前祝となったが、飲みなれぬ酒をしこたま飲んだので、翌朝は二日酔いになった。お嫁さんは人力車に乗って入場して来る派手な結婚式だが、これまたあまり器量が良くない、でも金持ちのお嬢さんだから俊春君(新郎)は嬉しそうだ。




正一叔父さんの奥さんの葬式


 訃報が届いた、正一叔父さんの奥さん(勿論私にとって叔母さんだが)が亡くなった。末っ子が結婚した時あんなに嬉しそうにしていたが、控えめな性格でとても家付き娘とは思えなかった。


 正一おじさんは、地元で皆が憧れる昭和電工に勤め、課長職までなった。なれそめは聞かなかったが、叔父さんは男前、だから末っ子の将憲さんもハンサムで、次女の方は小柄ながらなかなかの美人、恐らく叔母さんの方が夢中になったかもしれない、あくまで想像だが。


 祝い事の連続だったが、叔母さんの死は一族に悲しみを齎した。叔父さんが勿論喪主だが、その式を実質取り仕切っていたのは養子に行った将憲さんだった。


 もう堂々としていた、養子とは言わせない風格が滲み出ていた、これが栗林一族の特長と云わんばかりに。しかし、傍目に見て夫婦仲はしっくり行ってないように感じた、奥さんの顔には憂いが漂い、あまり幸福そうに思えなかった。これまた推測の域で、夫婦仲は誰にも分からない。


 しかし大勢集まっていた、田舎の葬式の様子は分かる筈もないが、叔父さんはもう現役ではない、それなのにと驚くばかりだった。幾分憔悴気味の叔父さんに慰める言葉も見つからず、目で挨拶を交わしたが、駆けつけて来た私に丁寧に挨拶をして呉れた。


 こうして、叔父さんは一人となったが、その世話は長女の方がした。長女の敬子さんは独身だった、次女の厚子さんは結婚したが離婚していた、これは叔父さんにとってあまり嬉しいことではなかったが、どうしようも無い事、静かに見守っていた。


 東京の従姉妹にも初めてあった、男の方は中学生の男の子を連れてきていた。おじさん達が若くして未亡人となった藤江さんを気の毒に思い、その暮らし向きを支えていた。


 男は大学に行き結婚式も叔父さん達の援助で父親が居ない肩身の狭い思いをしないで済んでいた。しかし、この男(ま、従兄弟だが)左程、叔母さんの死を悲しんでおらず、あろうことか葬儀を終えたばかりで何処か遊びに連れて行けと叔父さんに交渉していた。これには流石の叔父さんも苦笑するだけ、こんな奴(言葉が汚くて済みません)に長年叔父さん達は仕送りしていたのか、と私も些か呆れた


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