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栗林家の戦略

栗林家の戦略


 親父が百姓を嫌ったように栗林家は貧乏百姓だった。お袋から聞いたが、寺の過去帳には親父のお祖父さんから名前(彦六)が残っているが、ただそれだけの事。


 戦時中名古屋から夫婦で一時疎開して大町に住んだが、本当に昔からの百姓家、こんな田舎ではとても暮らせないわ、と、名古屋暮らしを味わっている遊び好きのお袋には、この田舎暮らしは性に合わなかった。だから疎開が家に戻る最後の機会だったが、夫婦してその性格では。


 しかし、親父の父親(勝森)、私にとってお祖父さんは強かものだった。根っからの百姓だったが、このお祖父さん、若い頃馬車曳きをしていた(だから親父も)、そこである娘と知り合った。


 これが、地元ではちょっとした家の娘(次女)だった、嘘か誠か、真偽の程は分からないが、海野一族(真田家発祥の家)に繋がる家柄だった。下世話に云えばお祖父さんはお祖母さんを引っかけた訳だ、当時としては大恋愛。だからと言って、直ぐ家が繁盛した訳ではないが、足掛かりは出来た。


 次男の勝叔父さんは終戦後戦地から帰って結婚したが、お祖母さんの家柄の縁もあり、地元の材木店の娘と結婚した、あの木造2階建の家はその賜物だ。後、もっと凄い家を建てるが、それはまたの稿で。次に三男の八坂村の国雄叔父さんは養子となった。


 八坂村のおじさんと呼んでいるが、養子先が八坂村で、何とそれは勝叔父さんの嫁さん(私にとって叔母さんになるが)の実家だった、つまり二重の縁を結んでいた。そして、正一叔父さんも養子に、最初同じ栗林姓だったので、養子と分からなかったが、同姓の家付き娘、栗林家の養子となった。


 出来の悪い長男、つまり私の親父はあきらめ、次男に裕福な娘を貰い、三男、四男は豊かな家に養子に出す、それはお祖母さんの家柄を巧みに利用しながらのお祖父さんの戦略だった。


 正一叔父さんもその流れを受け継ぎ、何と次男にはこれまた地元で手広く商売している上條家の長女と結婚させた。正一おじさんには4人子供がいる、長女、次女、長男、次男、皆成人しているが上3人は未婚、二十歳になったばかりの末っ子の次男が正一おじさんにとって初めての子供の結婚式だった。


 これは、栗林一族にとっても男で初めての結婚式だった。しかも、裕福な家の養子となった。招待された結婚式で、従兄弟達を紹介されたがとても覚えきれない。


 また従兄弟達にとっても、私の存在そのものが驚きだった。それに、あまり顔が似ていない、それはそう、私と貴方達とは血が繋がっていないから。あるとき、国雄おじさん(八坂村議員、後議長)から、森さ(親父の名は森重)とちっとも顔が似てないな、と言われたことがあった。


 何しろ、親父の子供は重彦といって昭和19年に生まれたが半年で亡くなっている(勝森、森重、重彦、この彦はあの彦六か)終戦後親父は一度も大町に帰っていない、私を養子にしたことは勿論知らないことだ。


 それが、親父の突然の死で私の存在を知った訳で、初めて会ったとき叔父さん達は驚いていた。勿論お袋が、私を養子だとおじさん達に漏らすことはない、だから叔父さん達は兄貴の息子だと信じていたが、それにしては顔が似ていないな、と何となく納得しないものがあったかも知れない。



大手綜合警備アルソックから、アマゾン及び小説家になろう、で掲載した、警備人生とその事件事案集を削除したことは前回に書きました。


 私の何処が綜合警備及びその警備先に不利益を与えたか、むしろ高圧的な態度で脅して来た綜合警備こそ大人げないではないでしょうか。


 私は末端の警備員です。綜合警備の中枢にいた訳ではありません。日夜、身体を張って、業務に邁進し、愛社精神の発露として書いた文章が批判されました。


 大企業が、一庶民に法的手段を取ると。


 悲しいかな、悲しいかな、賊と取り組み命さへ落としそうになったのに。


 



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