悪名高き名四国道
悪名高き名四国道
めいし国道、名古屋と四日市を結んでいる。港区に所在する私の会社は、関西地方に荷を運ぶ時は必ず利用する国道だ。何故悪名が高いかと言うと、国道だから当然交差点には信号が設置されている、が、夜間から深夜、明け方にかけて誰も信号を守るドライバーがいない。
つまり完全な信号無視、しかも平均時速80キロ、これより遅い速度で走っていると追突される、まるで高速道路。
しかし、この国道で同僚が事故を起こした。青木さんと云って、運転歴10年、歳は32,3歳、皆から青ちゃんと呼ばれ慕われていた。兄貴分肌で気風も男ぶりも良く、劣等感の塊の私はいつもその人気ぶりに嫉妬していた。
社長からの信任も厚く、着実に仕事をこなし、若いドライバーが大半を占める中で模範的な運転手だった。その彼が事故を起こした、
それは追突。ノンストップ街道の名四国道ではあるが、時間帯によっては信号で停まることもある。事故が発生した時間は深夜ではなかった、夜10時頃出発していたが、いつもの国道に入り走行中、脇見運転をしてしまった、はっと気付いた時は前のトラックが赤信号で停まっていた、急ブレーキを踏んだが間に合わず突っ込んだ。
当然運転席は大破、今ならシートベルトで身を守ることが出来るが、昭和40年代そんな規制もベルトも何もない、上半身ハンドルにぶつけ両手首骨折という重傷だった。
見舞いに行ったが、両手首の包帯が痛痛しかった。内臓への影響は分からなかったが、長く入院したあと会社は辞めてしまった。恐らく相当なダメージを負ったので、運送業の激務に耐える身体は残されてなかっただろう。




