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小指

中統テスト


 中部9県の中学生が一斉にテストするので、中部統一テスト。1年生の時30万人中1600番台だった。東大コースと先生に激励されたが、その時がピーク、次第に成績も下がり、最後は学年600人で、30番前後で卒業した。




矢野先生


 小中学校の時は良い先生に巡り合えた。尾崎先生、寺下先生そして矢野先生。最終学年の3年の時、矢野先生が担任になった。先生は体育祭にフォークダンスを取り上げるユニークな方で、歳も、私より一回り上の27歳。


 先生というより兄貴のような存在だった。顔は映画俳優の南原伸二に似ている。細身で背が高い、三重大学出だから、俺は校長にはなれないが口癖だったが、無事校長で定年を迎えた。


 何故か、何時も私を指名する。コーラス大会では、指揮者に、フォークダンスでは入場行進で先頭に、と、時には授業中、坊主頭の私を見て結構禿があるなとからかう。


 自衛隊入隊後も、しばしば先生宅に訪問した。運送屋になってからも、瀬戸市の自宅の庭先にトラックを停めた。私が警備員時代、先生の退職祝の連絡があったが、生憎仕事でお会いする機会を逸した。

 先生にもう一度お会いしたいと思う。





大人の事情


 ある日、お袋は私を連れてとあるアパートに入った。2階のその部屋には、布団が敷いてあって、若くて綺麗な女性が寝ていた、傍らには赤子が。産後の養生をしていたのだ。


 少しやつれた顔が返って美しさを引き立て、子供心にも何て綺麗な人だと思った。幸せの絶頂にも拘わらず、淋しげだった。それは、彼女の夫が、碌に見舞いにも来ないからだ。


 高校生になったとき、お袋にその事情を聞いたところ、大人の事情よ、と軽くかわされた。




小指


 中学3年の時、お袋と名古屋市中村区の豊国神社の辺りを歩いていたら、見知らぬ男とすれ違った、とその時、男がお袋に声を掛けた。そして、右手の小指を立てて、これかい、と言った。お袋が、息子よ、と言ったら大笑いして立ち去った。


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