怖い顔
海
海水浴は何時もお袋と二人。溺れそうになったときも親父は居なかった。そういえば、親父の故郷は信州長野、海がない。しかも長男では、満足に川遊びもしたことがないのかも知れない、弟や妹達の世話と家の手伝いで。
親父と一緒に海を見たのは、自衛隊時代、3人で九州旅行した時、フェリーで天草から熊本に渡った時だ。海を見ていた親父の表情、もっと覚えておけば良かった。
挫折感
夏で何が楽しみと云えば、学校のプール。しかし、水泳の授業では満足に泳げない、何しろ団塊世代、ライバルが多い。4年生になると水泳部に入れる、早速水泳部員に。雨が降る日は泳ぎに来ない、だから思う存分泳げる。
小学校6年、地区の水泳大会に50メートル自由形で出場した。25メートルまでは良かったが、後半失速、最下位、挫折感を味わった。
買い食い
半数以上が通う算盤塾、私も。途中、駄菓子屋さんがある、店先には鍋が、鍋の中は赤味噌で染まった蒟蒻おでん、3本10円。毎日の小遣いがそれで消える。ある日5円で籤を引いた、何と50円当った。何時ものおでんと氷砂糖を買った。
しかし虫歯でその代償を支払った。
饅頭
親父が甘いものを食べているのを見た事がない。だから貰った饅頭を全部食べたら、幾ら食べないと分かっていても残して置くものだ、と怒られた。
怖い顔
火事と喧嘩が江戸の華なら、当時の男の子の遊びとして、ビー玉とメンコはそれに匹敵する。勝つには知恵と工夫が要求される、何時ものように大勝ちして浮かれていたら、お袋が怖い顔で睨み、私から大事な宝を取り上げて泥の中に放り捨てた。
叱ることはあるが、怒ることはなかったお袋。ギャンブルに浮かれる私に不安を感じていたのかな。




