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11年間働いて何が分かったの 1

 施設警備は一見簡単そうに見える、傍目から見れば正しくその通りだ。しかし、一点他業種と根本的に異なるのは人の配置だ。例えばスーパーのレジ係が一人休んでも、忙しいかもしれないが出勤している人でカバーすれば何とかなるだろう。しかし警備はそれが出来ない、配置人員が3名であれば3名が必ずいなければならない、私優秀ですから一人で大丈夫ですとは言えない。警備契約上、警備先にはこのポストには必ず警備員がいて監視業務に就いているので安心して下さい、そう安全を維持、確保することが絶対的に求められる。

 しかし病欠、退職で人の配置が困難になる時がある。警備会社はそこが一番の悩みの種となる。

 2024年9月30日をもって、11年間働いたS警備会社を退職した。思えば、ホテル駐車場で一緒に働いた同僚からの一本の電話が始まりだった。

 その駐車場係員の仕事から離れて2年が過ぎ、年金を貰いながらの生活で既に65歳になっていた。どうしている、と聞くから、何もしていないよ、と言うと、働かないか、と。賀田ちゃんこそどうしている、と逆に尋ねると、俺は今ここで働いている、と。

 場所はAビール工場の隣、家から近い、いいけど俺もう65歳だよ、雇ってくれないよ、と、柔らかく断りを入れたが、いや、もう課長に話を通してあるから、面接に行ってくれ。

 駐車場で約3年一緒に働いた、マイペースな性格で周囲とそりが合わなかったが、私はそんな彼の、ものに頓着しない性格がなんとなく面白くて、何度も一緒に酒を飲んだ。

 辞めるときも一緒に辞めた、彼をいきなり首にすると言ったので。私はそのとき一応駐車場の責任者で、その私に相談もなく、また新人の指導で少し苛立っていたこともあった。

 それから2年後のいきなりの電話だった。分かった、折角だから行くよ、と言いながら、もし採用となれば色々な書類が必要となるが、それはもと警備課長で警備員指導責任者でもあった私、事前に準備しての面接だった。

 結果は後で連絡する、との事で妻が働くスーパーの駐車場に着いたら、電話があった、採用だと。妻にOKの〇を送ったら、嬉しそうな顔を返した。

 こうして、前の警備会社を辞めてから9年ぶりに制服を着ることになった。辞めるときは、もう二度と警備会社で働かないと決めていたから、折角の警備員指導教育責任者の資格も失効してしまった。全くの一からの警備員人生が始まった。


 マイナーな業種程人の確保に苦慮しているが警備業はその典型だ。私が、32歳で警備員になった時は大手の警備会社だったが、人手不足で残業は一人平均で150時間、それも週48時間の時代に。もうこうなると、会社の粗末なベッドで寝泊まり。週最高で、3日当務(当務とは24時間勤務)、明けで家に帰り少し仮眠しまたその日に夜勤、そして引き続き当務、明け、そしてやっとまるっと休み。そのような過酷な勤務だが、私などまだましな方。月の内1日しか休まない豪傑もいた。

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