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19/22

19,ギフトの検証

 翌日の早朝。


 まだ眠い目を擦りながら二人に挨拶し、食卓に座った。


 この国の朝は早い。


 蝋燭の灯りしか無かった昔の日本のように日の出と共に人々は起きるのだ。

 

 ハルラさんが朝食を食卓に並べ、三人で食事を摂る。


 食事といってもパンに保存の効く芋が入った塩のスープ、飲み物は水だけ。


 この街では千年前に使用された禁術の影響で農作物や家畜が育たない。


 その為、野菜や肉、卵や牛乳といった生鮮食品は貴重で手に入らない。


 これだけでも十分贅沢なのだ。


 それでも、食べたければ発掘場のモンスターを倒して食料のドロップを狙うしか無い。


 ただ、今の俺は発掘場に行くにも立ち入りが禁止されている。


 理由はアルサートとレイヤが別の仕事で居ない今、一人で発掘場に行って何かあれば護衛役であるアルサートとレイヤの責任問題になるからだ。


 今日も含めて後五日、街の門が閉まるまでの辛抱だ。



 

☆☆☆☆☆☆




 シュタイン夫妻が仕事に向かった後、俺は昨日に続きギフトの能力検証を行う。


 俺は早速、《HES》を呼び出し、リクライニングチェアに座りながらメニューを開く。


 先ずは《ショップ》から確認だ。


 《ショップ》で使える貨幣は銀貨、金貨、宝貸の三種類。


 銀貨より価値が低い貨幣は使えなかった。


 《ショップ》には武器、防具、矢やボルト、各種ポーション、食材、その他のアイテム類が売られている。


 武器、防具は鉄や皮製の物で俺が今持っている大剣や作って貰っているミスリル製の防具には劣りそうなので


「おや?」


 その中で”メイカーシリーズ”というものが目についた。


 内容を確認してみる。








 《アイテム加工メイカー》


  素材アイテムを加工するのに必要な機械


  アイテ加工スキルが無ければ《アイテム加工メイカー》は使用できない


  この機械でなければアイテム加工スキルは使用できない







 《アイテムメイカー》


  アイテム製作に必要な機械。


  アイテ製作スキルが無ければ《アイテムメイカー》は使用できない


  この機械でなければアイテ製作スキルは使用できない







 げっ! これが無いとクリエイター系のスキルが使えないのか!


 素材や作りたい物も無かったのでクリエイターのスキルはまだ試してなかったけど。


 そうか、クリエイター系のスキルにはこれが無いと駄目なんだな。 覚えとこう。


 他には目ぼしいものは――おっ! 下着が売ってる! 服は……これとこれで良いか。


 後は……おお! 簡易風呂も売ってんだ! よし、これもだ!


 風呂に入るにはタオル二枚と入浴セットも必要だから購入して、と。


 支払いは合計金貨3枚か。


 昨日手に入れた《圧縮収納バック》から金貨三枚を取り出し横にある料金箱に入れる。


 《圧縮収納バック》はガチャガチャのカプセルみたいな形と大きさだ。


 《圧縮収納バック》の青い釦を押しながらアイテムを頭の中で思い浮かべればアイテムの出し入れが出来る。


 中に入っている物を確認する場合は赤い釦を押せば3Dフォログラフィで表示される仕組みだ。


 早速部屋の中で簡易風呂を展開。 浴槽に水を張って湯を沸かす。


 湯船に入る前に身体と頭を入浴剤で洗ってから湯船に浸かる。


「ふう~、気持ちいい。 まさか、此処で風呂に入れるとは思わなかったぜ」


 約一ヶ月ぶりの風呂を堪能し、再び《HES》の機能の検証を再開する。


 次は《ダンジョンメイカー》のメニューを開く。


 ダンジョンクリアの項目には昨日、頭の中でアナウンスがあった《王家の隠し財宝》の名前が確かに登録されていた。


 パネルに表示されたその名前をタッチすると出現するモンスター、ドロップアイテム、入手アイテムが表示された。


「うわぁ~……」


 出現モンスター――POPするモンスターはイービルリトラーとナイトリトラー。


 ドロップアイテムはナイフや短剣等ありきたりな武器とパンやチーズ、オリーブオイルといった食材だ。


 が、入手アイテムがトンでもない事になっている。


 表示されているアイテムが膨大な数になのだ。


 正直、確認するのもめんどい。


 なので、そっと画面を閉じた。


「考えても仕方ない。 試しにダンジョン作るか」


 俺は金貨500枚を料金箱に投入して《王家の隠し財宝》ダンジョンを製作。


 そして部屋の空いた空間を指定してダンジョンゲートを呼び出す。


 指定した部屋の空間が歪んでダンジョンゲートが出現した。


 出現したダンジョンゲートは高さ2mの機械で作られれたアーチで、アーチの右横には小さな料金箱が付いていた。


 そうだ、ダンジョンにはイービルリトラーが居るから念の為に壁に立てかけてあった大剣を持ってくか。


 アーチの横に設置してある料金箱に金貨一枚投入するとアーチの下、木製だった部屋の床が歪んだと思ったら今度は石で出来た階段が姿を現した。


 空間に作用する技術なんだろうけど、理論なんて思いつかない。


「考えても仕方ない。 階段を降りるか」


 階段を降りると小部屋に出る。


 思った通りその部屋の中央にはイービルリトラーが一匹いた。

 

 たが、ダンジョンに居た奴とちがって装備が充実している。


 全身フルプレートを着込んで右手に剣、左手に盾を持っている。


「コイツがナイトリトラーとかいう奴か」


 恐らくイービルリトラーの上位モンスターなんだろ。


 俺は背負っていた大剣の柄を掴み構える。


 ナイトリトラーは警戒しながらジリジリ此方に近づいてくる。


 俺も徐々にナイトリトラーに近づく。


 ナイトリトラーが俺の間合いに入った瞬間、俺はナイトリトラーの胴体目掛け大剣を真横に一閃。


 ナイトリトラーの攻撃が此方に当たる前に上半身と下半身を両断。


 ナイトリトラーを倒した。


「イービルリトラーと比べて少し強いという感じかな?」


 イービルリトラー自体弱いから大したことないけど。


 チャリ~ン!


 コンッ! コロコロ……


 直ぐにナイトリトラーの死骸は消え、入れ替わりで金貨5枚と液体が入った瓶がドロップした。


 液体の色は薄っすらと黄色みを帯びている。 恐らくオリーブオイルだろう。


 それらを拾って部屋の奥にある階段を下りた。


「はぁ~、やっぱりこうなってるか……」


 階段を下りた先で待っていたのは城壁の中にもあった広大な空間とその空間を埋め尽くす財宝の山だ。


 一応、《HES》で使えるか試す為、金貨を10枚拾って戻る。


 後、残っているのは《端末》と《転送》だ。


 先に端末を購入してから最後に《転送》を試すか。


 《アイテム倉庫》から取り出して部屋に置いたままの《圧縮収納バック》から金貨985枚を取り出す。


 この金貨に先程手に入れた金貨15枚を混ぜて料金箱に投入する。


 ああ、ちなみにお金の投入口はコインを大量に投入出来るよう大口になっている。


 しかも《圧縮収納バック》対応型で更に万や億といった大容量にも対応できる。


 ギフト開封前の様な一枚ずつ投入するタイプではない。


 流石にアレは利便性が悪すぎる。


 さて、ダンジョンメイカーで手に入れた金貨を使ってみたが、結果は何の問題もない。


 これでお金の心配が全く無くなった。


 さて、《端末》を使ってみよう。


 使う時は《端末》を頭の中で呼び出せばいいだけだ。


 《端末》を呼び出すとA4サイズの3Dパネルディスプレイと小型の料金箱が出現。


 表示内容は《HES》本体とほぼ一緒だ。


 俺が移動すると《端末》も一緒に付いてくる。 手で触れるが、試しに剣で切っても通り抜ける。


 これなら戦闘中でも使えるな。


 最後は《転送》だ。


 早速、《端末》を使って試してみる。


 先ずは《マップ》を表示する。 表示場所は俺の居るこの部屋。


 転送場所は部屋の隅っこ。


 金貨10枚支払って転送!


「よしッ! 上手くいった! 今度は町の外だ!」


 《マップ》で街の外を表示して転送場所は門の近くにアンカーを打ち込む。


 金貨10枚支払って転送!


 ……今度は何も起きなかった。


「あれ、何で……ん? エラー?」


 《端末》の画面に『エラー:結界で遮られている為、転送出来ません!』と表示されていた。


「結界……街の城壁かな? 結界があると転送できない、と」


 ゲームと同じ様な仕様だな。 まあ、これは仕方ない。


 さて、と。 これで一応《HES》の機能は一通り試した訳だけど、やること無いんだよな。


 どうすっべ?


 やっと全部の説明が終わったー! と、言うわけで次回から話しが進みます。 多分……。

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