表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遺跡の目  作者: 朝倉新五郎
9/31

妄想

 簡単に考えてもやはりあの棺の装飾はおかしい。男はアパートに戻った後も考え続けた、明日も早いのだが一向に眠気が来ない。

 昔の研究からすると「遺産」と近いものがあるのだが、規模が小さい上に時代が新しすぎる。ギリシャ以前の暗黒時代やインダス文明、アメリカ大陸等歴史が詳細にわかっていない時期や場所のものならわかる。しかし文明や文化がかなりはっきりと研究されている部分での出土なら新たな謎になってしまう。

 あの文様はやはり文字か、そしてこの石。他の遺跡でもそうだったが副葬品ではない確率が非常に高いのだ。宝物と呼べるようなものとは違う。

 人類の歴史は破壊の歴史と言って良い。しかも秩序正しい破壊によって新しい時代が紡がれていく・・・一見無意味な破壊ですら俯瞰して考えると新旧の交代劇のように思われて仕方がない。

 「この世界はこのようにあるべき姿として誰かが設計したのだ」と科学者にはありえない考え方をしてしまうのも、全てがひとつに向かって進んでいる、進まされているという妄想にも自分なりの根拠があるのだから。

 疲れが出たのか男は考えながらも眠りに落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ