Love letter of the right handー右手のラブレター ー
掲載日:2012/09/16
「好き」と伝えたら、僕は死んでしまう。
だから、言いたくない。
ゴメンね、僕――
「はぁ……」
ペンを走らせていた指が止まる。
好きなあのコへの思い。
僕は臆病だから、直接なんて伝えられない。
だから手紙を書こうと決めた。
彼女への思いは溢れ出てるハズなのに、何かが邪魔をするんだ……
ほら、指がガタガタと震えてる。
まるで、生きているかのように――
彼女への思いが強くなればなる程、魂を感じる。
ガタガタ……
ガタガタ…………
やがて、それはシャシャに変わる。
「え……?……死にたくない?」
何の事なのか、最初は分からなかった。
でも、初めて会った気がしないのは何でだろう?
「君は誰?」
時間をかけてコミュニケーションをとる。
彼は、僕の気持ちだった。
「違うよ、死なない!死なせない!」
彼女への気持ちは、ぬるま湯じゃないから。
僕が彼女を思う限り、君は離れていても生きているんだ。
「簡単に言ったらいけない言葉だから、形にして届けたい」
手は震えなくなった。
けど、彼はちゃんといる。
僕の思い、想いを託して封をする。
END.




