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影響を受けやすい幼馴染があの手この手で俺を落としにくる  作者: シゲ ノゴローZZ


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19/22

第19話 詮索中止

 長期入院は初めてだが、思ったよりも快適だ。まあ、それもひとえに心という特殊な幼馴染がいるおかげなんだけど。


「病室なのに大画面で映画鑑賞なんて、俺ぐらいじゃないか?」

「んー、探せばいると思うけどねー」


 いるかなぁ……めっちゃ高画質なんだけど、これだけの設備を整えるのにいくらかかるんだろう。


「病室でプラネタリウムはさすがにいないだろ」

「んー、いると思うけどなぁ」

「マジシャンやらアイドルやら芸人やらをポンポン招くのは……」

「いるいる、珍しくもないよ」


 そうなのかなぁ。金持ちって意外と、そういう無駄金使うイメージないんだけど。


「でもお前、芸人はともかくアイドルなんてよく呼んだな」

「え? 小さい事務所のアイドルだし、あれぐらい余裕だよ? 国民的アイドルを呼ぶとなったら、お金だけじゃ難しいけど」


 いや、そういう意味じゃなくて……。


「ほら、その……嫉妬しそうだし」

「嫉妬? あはは、しないしない」


 意外だな、俺が女性と関わるのを許してくれなさそうなもんだけど。


「慎一にとって犬とか猫感覚でしょ? 私が呼んだアイドルって」

「犬……? ああ、まあ、下心は特にわかなかったけど……」

「ふふっ、だったら無害だよ。これからもそういう子だけ呼んであげるよ」


 …………………………?


「姫ちゃんって呼ばれてるアイドルがいるんだけど、その子……」

「ダメっ! 絶対ダメ! 慎一、その子の曲とかは聞いてないけど、SNSで写真だけ追いかけてるでしょ? めったに露出しない子だから、水着の写真を上げたら速攻で保存してるでしょ? で、飽きるまで使った後は画像消して証拠隠滅してるよね?」


 ……………………こわっ。なんでそこまで知ってるんだよ、マジで怖いんだが。


「お前、まさか監視カメラ……」

「仕掛けるわけないでしょ! 怒るよ!」

「そ、そうだよな……お前って意外と、そういうことはしないもんな……」

「当たり前でしょ? スマホとかPCは勿論、日記帳さえ読まないよ。好きな人の情報は、本人から聞くのが私のポリシーだから」


 うん、知ってるよ、そういうところだけ何故かしっかりしてるもんな。基本的に倫理観が狂ってるけど、盗撮とかハッキングの類は昔からしてこないんだよ。うん、だからこそ怖いんだよ! 盗撮とかハッキングなしでその情報知ってるのヤバすぎるだろ! まるで本人から聞いたかのような言い草だけど、俺は一言もそんなこと……。


「まさか俺が知らない間に自白剤を……?」

「あんなもの創作の世界だけだよ。実在はするけどね」

「使ってないのか? 俺に」

「使うわけないでしょ、ポリシー以前に危険だし」


 へぇ、自白剤って危険なんだ。っていうかどういう原理なんだろうね? 聞けば詳しく教えてくれるだろうけどリハビリで疲れてるから、心教授の講義はまたの機会にしよう。今重要なのは、俺に服用したかどうかだし。


「でも前からちょくちょく、俺しか知り得ないことを言い当ててくるし……。っていうか、俺本人でさえ知らないことも……」

「ふふっ、凄いでしょー」


 いや、凄いけども!

 ……どうする? 追求してみるか? まさか急に『お前は知りすぎた』とか言って始末してきたりはしないだろ。


「なあ、本当に何をしたんだ? 催眠術か?」

「あはは、たしかに催眠術をかけたことがあったね。全然上手くいかなかったけど」

「え? ああ、あの時か」


 五円玉を物凄い勢いで揺らしながら『告白しろー! 私に愛の言葉を囁やけー!』みたいな感じで叫んだやつね。あった、あった。


「まさかアレはフェイクで、別の日に本物の催眠術を……」

「ないない、そんな技術ないって」


 俺の質問がよほどおかしかったのか、ケラケラと笑う。

 ……演技ではなさそうだな。ってこたぁ、俺の考えすぎ? いや、でも気のせいで済ませちゃいけないよな。


「ああ、そうそう。慎一をひいたクソカップルだけど、留置所から拘置所に移るタイミングで自決したらしいよ」

「えっ……?」


 じ、自決……? 死んだってことか? なんで……。


「遺書がないから理由まではわからないけど、二人揃って死ぬなんて不思議だね。これも愛なのかな? まあ、絶対許さないけどね」

「……そっか」


 よし、深入りはやめておこう。色々疑問が思い浮かんできたけど、聞いちゃいけない気がするし。

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