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第93話 やっぱりか

 先に動いたのは俺だった。

 いつもなら逆なんだけどな。

 相手がフツーの格闘士グラップラーや武芸者相手なら。


 守主攻従って言葉が少林寺拳法にあって。

 守備を確実にこなすのが一番大事で、攻撃は単純な一撃で良い。

 守備……つまり防御さえ高度にこなせれば敗北は無いのだ。

 護身を重視した少林寺拳法を代表する、そういう思想なんだけど。


 現代社会に適応した阿比須龍拳は、実はこの思想をパクっていた。


 ……ようは、鉄壁の鉄身五身で相手に攻撃をさせ、受け止めて。

 その隙を突いて阿比須龍拳の奥義を叩き込む。

 この方式で、阿比須龍拳の弱点「攻撃系奥義使用時の鉄身五身の無力化」をカバーするんだな。


 だからまあ、堅実に戦うときはそうする。

 ……相手が阿比須で無いことが前提だけどね。


 俺は疑っていた。


 この怪人兵器、阿比須の技を習得しているんじゃ無いのかと。

 阿比須龍拳の基本の構えは脇腹ががら空きになる。

 普通の格闘技は守るのに。


 理由は何度も言うけど、鉄身五身があるから。

 何をされてもダメージを受けないことが前提なので、防御が要らない。


 むしろノーガードをアピールして、敵の攻撃を誘う。

 相手が攻撃を加えるとき、絶対に防御に隙が出来るので好都合。

 攻撃に相手の意識が向くし、防御の構えがどうしても崩れるからな。


 こいつの構えは、阿比須龍拳のそんな基本を思い起こすくらいそっくり。

 どうにも臭い。


 それに……


 タクマは言っていた。

 技道場というものがあると。


 ヤツはそこで阿比須族滅流の奥義を購入していた。


 ……だったら。


 こいつもそういう強化処置をされてる可能性は大いにあるよな。

 何せ最強の怪人兵器なんだから。


 相手の死角に回り込むようにして接近し、間合いを詰める。


 すると怪人兵器がシャッと右脇腹の触手を伸ばしてきた。

 俺は踏み込んで、左手で受けを行い触手をなし、流す。


 そのとき


(痛ッ!)


 まるでムカデのような触手。

 ムカデなら脚がある場所に、無数のトゲが生えているんだけど。


 それに触れたとき、痛みを感じたんだ。


 ……ということは


「阿比須……」


 俺はそう呟く。


「ディッドユーノウティス? ザッツコレクト」


 怪人兵器の返答。

 ゆっくり目の発音だったんで一応聞き取れた。


 でも……


 ノウティス……?


 えっと


「ノウティス?」


 パッと意味が出てこない。

 余計なことを考えるのはご法度なので俺はそう訊くと


「気ヅク」


 相手が教えてくれた。


 ……ああ、そうだっけ。

 じゃあ「気づいたのか? 正解だ」ってとこかね。

 今のこいつの発言の意味合いは。


 じゃあやっぱりこいつは……

 阿比須族滅流の使い手なのか……


 俺の心に緊張が走った。

 この戦い、本当に油断ならないものになってしまったな、と……!

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