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第86話 彼と私の関係

「I am just going to say you the same thing! I just wanted to marry him! What's wrong with telling him that!?」


「I am his life partner! You are homewrecker!」


 茉莉とリンフィルト。


 ……何か英語で言い合いしてにらみ合いをしている。

 例によって何を言ってるのか分からない。


 で、俺はどう動けばいいのか分からないので、動けずに見守っていると。


 ふいにリンフィルトが茉莉を指差しつつ


「リューイチ、このスベタ、お前のパートナーですか?」


 ……どういう日本語だ。

 そう思ったけど。


 まあ、意味は伝わるので


「うん。そうだけど?」


 正直に答える。


 するとリンフィルトは少々ショックを受けたようで


 大仰な身振りを交えながら


「リューイチ! ジャパンのスベタが世界で何て言われているか知らんですか!?」


 ……俺に「考え直せ!」と言いたげな様子で


「ジャパンのスベタ! イコール! パラサイト! デビル! ビースト! Hoodoo!」


 ……ヒデエ言いようだな。

 フードゥーって何だよ?

 知らん単語だけど、きっとろくでもない意味なんだろうな。


 彼女は続ける。


「騙されてマリッジしようものなら、奴らは勝手に仕事を辞めるでございますよ!? そしてリューイチに働かせて、自分は家でMoneyを使い込むですぞ!」


 茉莉を指差して、俺に必死で


「そしてAdulteryし、Divorceです! その際にConsolation moneyを要求し、キッズもいないのにChild supportまで請求してくるです!」


「Shut up you bitch! Stop treating Japanese women like legendary 92, you cracker!」


 そこに茉莉が激おこの顔で英語で捲し立てる。

 それに反応し、リンフィルトは振り返り、にらみ合いが再開される。


 ええと……


 リンフィルトがスベタを女性の意味合いで使ってるなら。

 ちょっと聞き流せないわな。


 俺は、出来るだけ冷静な口調で


「リンフィルト。俺は妹が居るんだよな」


 そう言ったら。

 こちらを振り向いて来た彼女は


「もちろんリューイチのファミリーは別ですぞ」


 ……慌ててて


 ああ、そういう感覚はあるのか。

 俺はちょっとだけ安心した。

 相手の家族をちゃんと取り込む気持ちはあるんだな。


 で、そこに


「I have a family-like relationship with his sister. Go away bitch」


 茉莉がとても爽やかな笑みでなんか言った。

 リンフィルトはそれを聞き、弾かれたように振り返り。


 そのまま無言で睨み合って


 去って行った……

 その後ろ姿はとても悔しそうだった……

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