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第82話 腕力家をもう一度

「ビスケット・ニクダルマの時代がニクダルマ一族の全盛期でしたわ」


 そう、羨望の籠った声で。


「……復活させてどうするわけ?」


 リンフィルトが何をしたいのかが分からない。

 彼女は言ったよ


「ビスケット・ニクダルマが活躍した時代、2024年ぐらいの頃、世界には腕力家という存在がいたですよ」


 ジャパンに5人、合衆国ステイツ……つまりアメリカに1人。

 彼女はそんなことを。


 腕力家?

 ……聞いたこと無い言葉だな。


 2024年って、ちょうど令和の時代だから、阿比須龍拳が誕生した時代の話じゃないか。

 だからまあ、結構興味があって


「腕力家?」


 そのため訊いてしまった。

 リンフィルトは


「あまりにも強すぎて、国でも拘束出来ず、殺害もできない人間のことでございますね」


 そんなことを。


 ……マジか。

 そんなもん、当時いたんかよ。


 しかも日本だけ5人も。

 多過ぎじゃね?


「俺、そんなもん知らんのだが」


「当然でございます。ディープな武芸者で無いと腕力家の存在は知らぬでございますからな」


 ふふん、と言った感じ。

 もの知らずに教えてやったぞオーラが出まくりだ。


 ……で。


 ここで思い出した。


 ああ、この人。


 このグリーンアイ、首のあたりで切り揃えた髪型。

 エントリーのときに一瞬見たわ。


 だから見覚えあったんだ。


 ……まあ、綺麗だしな。

 印象には残るよね。


 彼女は続けた。


「でも、今はジャパンに1人しかおらんですわ」


 え~?

 まだ日本にそんな訳の分からない存在が居るのか。


 知らんかった。

 何か嫌だな。


「阿比須族滅流継承者の、アシュラでございますね。名をケンガン」


 あしゅらけんがん?

 ……それはどっかで聞いたことがあった気が。


 親父が昔口にしていた気がするわ。


 いつかは阿修羅家現当主の、阿修羅賢巌(けんがん)と戦ってみたいって。

 本格的に武芸者の世界に入るとどこからか耳にする名前なのか。


 そしてここでリンフィルトの顔が曇った。

 こんなことを言いながら


合衆国ステイツでは2029年にビスケット・ニクダルマが110才でゴネた後、そこから1人も出てないでございまして」


「ゴネた?」


 知らない日本語だった。


 すると


『死んだってことのものごっつい下品な言い方』


 茉莉からの解説。

 そうなんだ。


 ……この人どこで日本語を学んだんだ?

 頭の片隅で考えるけど、指摘するのは失礼だしな。


「そう。ゴネたんでございますよ。今も生きていれば良かったでございますがね、いくらAbyss Zokumetsu Styleの達人でも、時間には勝てぬですわ」


 そりゃ当たり前だ。

 2029年って今から600年以上前じゃんか。


 闘気を操るレベルが高いと、老化が遅れるという話は親父に聞いた覚えがあるけど、限度がある。

 リンフィルトは口調早めでさらに捲し立てる。


「なのでこの世界にもう1回、ワタクシの一族の女傑・ビスケットを再度降臨していただくですわ」


 素晴らしいでございますね。

 今でもニクダルマ家は大統領プレジデント周囲の護衛要員の職を伝統的に貰ってるですが、当時は影の大統領のような存在だったと聞き及ぶです。


 ……語るリンフィルトは手を合わせてうっとりしている。

 そこまで暴力で好き勝手出来る存在。


 まぁ、ロマンではあるかもしれんけどさ……


「それ、迷惑だとは思わんの?」


「何が迷惑でございますか? かっこ良すぎるでございますぞ?」


 俺の指摘に、リンフィルトがキョトンとした顔でそう返してきた。


 ……あのねぇ。

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