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第74話 変な番組

 茉莉に財布を預かってもらって、俺はサッとシャワーを使った。

 女と違って入浴にそんなに時間掛からんしな。

 20分くらいでシャワーを終えて、寝巻のTシャツとジャージに着替えて部屋に戻る。


 いつもなら寝るときはパンイチで寝てるんだが、自宅じゃ無いし。

 パンイチは不味かろうと思ったから、持って来てて。

 まぁ良かったわ。


「お帰り~。早かったね」


 芋ジャージ姿の茉莉が、テレビを見ながらアタリメを食べていた。


 ……ホテル内の自動販売機で買った呑みセット。

 ウイスキーとピーナッツ、アタリメにチップス。

 それだけ入って1ゴルド。


 つまり1000円。

 驚くほど安い。


「明日の仕合の受付は朝10時からだから、今日はそんなに早く寝なくても大丈夫でしょ?」


 ウイスキーの瓶を持ち。

 飲む? と聞きながら茉莉。


 俺は


「まぁ、ちょっとくらいなら」


 グラスも受け取り、1杯だけ。




 そして1杯で終わらず、それなりに飲んだ。

 まぁ、いいや。


 明日はエントリーだけで、本番は明後日だしな。



『A bear appeared! Pretend to be dead!』


 つけっ放しのテレビは英語で放送している。

 この国、公用語が英語だし。


 当然だけど俺には分からない。

 多分お笑い番組みたいなんだけどさ。


 茉莉はそれを見て、楽しそうに笑う。


「……英語だとギャグが分かんないな」


 俺がそうボソリというと


「熊だ! 死んだふりしろ! だって」


 熊みたいなずんぐりした男性が出て来たとき、主役がそんなことを言ったんだよ。

 仮にホントに熊だったら、そんな対処法無理じゃんね。


 茉莉が笑顔でそんなことを言ってきた。


 ……えっと。


「それ、本当の対処法だよ?」


 俺が真顔でそう言うと

 茉莉は


「……え?」


 ……えらく驚いていた。


 格闘士グラップラーじゃない人間にはあまり知られて無いのか……


 熊は、特にひぐまは自分で仕留めた獲物以外の死体の、存在を認識することができない生き物だってことを。

 だから死んだふりは有効な対処法なんだ。


 そういう生き物だから、昔の日本では狩る楽しみのためだけに、山に勝手に羆を放すマナーの悪い格闘士グラップラーがいたらしい。

 今はそんなことをしたら処罰されるけどな。


 それをいうと


「え……マジだったの? てっきり迷信だと思ってた……」


「迷信じゃ無いんだよ実は。その証拠に、日本で羆に殺された人ってほとんどいないだろ」


 この辺の誤解は解いていかないとなぁ。

 熊に遭遇したとき危険すぎるし。


 そんな会話をしていたら、その英語のお笑い番組が終わったらしい。

 次の番組が始まったんだ。


『Everyone, let's enjoy watching a fool die tonight!』


 画面の中で、赤いスーツで身を包んだ痩せた丸刈り男性がにこやかな顔で何か言っていた。

 何かの会場の前で。


 会場は円形闘技場コロシアムみたいなつくりで。

 白い砂が敷き詰められた、円形のフィールド。


 そこに鶏の絵が描かれた白い服を着た7人の男女がいて。

 女は1人だけ。ほとんど男だった。


 全員、怯えた顔をしている。


 そこに、番組タイトルなのか


 CHICKEN COOP GAME


 そんな文字が表示された。

 チキンコープゲーム……?


 鶏小屋ゲーム?


 俺はなんとかその英語の意味を理解した。

 知ってる単語ばかりで良かったよ。


 何なの?

 この番組……?


 茉莉の顔を盗み見ると、彼女も困惑してるみたいだった。


「これ、どういう番組?」


「分かんない。どういう番組なんだろう?」


 そう彼女は頭を左右に振って、番組名で携帯端末を使って検索を開始した。


 そのとき俺は時計を見た。

 時間はそろそろ深夜のようで。

 茉莉と話していたら、いつの間にかだいぶ時間が経っていたようだ。


 そうこうしている中で番組は進行し


 そして俺たちは

 すぐに

 あまりのことに、絶句する羽目になった。


 その、画面内で行われていることに。

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