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第65話 阿比須龍拳究極奥義

「さすが国生竜馬殿の息子だな。私が先読みで鉄身五身の闘気の濃度を意識的に操作していることに気づくとは」


 俺の膝蹴りから間合いを離し。


 苦しそうに笑いつつ、回復の間を稼ぐようにタクマ。

 俺は


「……ガキの時分、試験でズルした記憶が蘇ってな。所謂走馬灯だ。……偶然だよ」


 期待される方が迷惑だ。

 なので俺はそう返した。


 しかし困った……


 今のは向こうも攻撃はこないと踏んでいたから、俺の膝を叩き込むチャンスはあったけど。

 俺がタクマの秘密に気づいていることが前提になってくると話が変わってくる。


 もう、油断した攻撃は来ないだろう。

 タクマはここまでは、自分には俺の攻撃が一切通じないかもしれないという認識があることを前提に攻めていたからな。

 迎え撃たれることをあまり想定していなかったんだ。


 だから……


 具体的に言うと……ここからは待ち中心になるはず。

 向こうは刀を持っている。


 そのリーチを生かすには、一番良いのは待つことのはず。


 しかし……



 俺だって、待ちが中心だ。

 何故って不利だから。


 素手と刀だぞ?

 こっちが不利に決まってる。


 だから待つのが良いという結論になるはず。

 積極的に前に出るのはありえない。


 膠着状態だ。


 でも


「ナァ、国生君」


 やけに優しい声でタクマは言う。


 こんなことを


「やる気がないならやる気にさせてあげようか?」


 そう言ったタクマの視線は、俺の背後の相棒に向いていた。


 ……そう来るよな。


 つまり……

 積極的に攻めてこないなら、茉莉を殺す。

 これだろ


 俺には非戦闘員という弱点がある。

 そこを攻めないはずがない。


 ……分かった。


 俺も覚悟を決めてやる。


 俺は半身の構えを解き


 ゆるく仁王立ちし、両腕を高く上げた。

 まるで強襲する羆のように。


「……何をする気だい?」


 タクマの言葉。

 どうやら知らないらしい。


 この技、親父は仕合では使わなかったんだな。


 ……この、阿比須龍拳の究極奥義を……


 まあ、当然か。


 あまりにも残酷過ぎる技だもの。

 使えないだろ。


 俺は言った。


「……俺はこれから、お前の心臓を攻める。自慢の闘気操作で、全力で防御しろ」


 そう言いつつ、身を捻る。

 ゆっくりと、捩じるように。


 そんな俺の言葉に


「良いのかいそんなことをホイホイ言って。私は非武芸者ノンケだって構わないで喰っちまう人間なんだよ?」


「……好きにしたらいいさ」


 ちなみに俺の言ったことは本当だ。

 俺にはこの究極奥義なら、タクマを倒せる確信があった。


 だから口にした。

 こういうことを言えば、こいつは受けて立つ。

 こいつは全てを捨てた全力の防御なら、俺の攻撃を確実に受け止められると思ってる。


 ……俺の危惧していることは、避けられること。


 それさえクリアできるなら何も問題ない。


 俺は身体を大きく捩じる。

 飛び出す前の弾丸のように、力を溜める。


 そして


「阿比須龍拳究極奥義……!」


 俺は、俺自身の声を他人の声のように聞いていた。

 闘気を練り上げることに集中する。


 そして決断の瞬間を感じ取ったとき。


 俺は飛び出した。

 全身の力を乗せた右腕での殴打を繰り出しながら


 こう……意志を込めた声を発しつつ


「心臓爆裂!」


 そして俺は……


 タクマと激突した。

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