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第39話 バルーンビートル

 相棒が発見してくれたので、俺はバギーを走らせて現場に駆け付けた。

 そこには丸い生き物が5頭いる。


 ……見た目は緑色のダンゴムシが丸まった感じだ。


 で、見たところ丸まりっ放しで、普通のダンゴムシなら標準装備の「展開して移動モード」が無い感じだ。


 そんな生き物。

 これが生き物と分かるのは、転がって移動するからだと思う。


 コロコロ転がってるんだわ。

 大気が無いから風も無いのにな。


 ……こいつら外界はどうやって観測してるんだろうか?

 見たところ、目も無いふうに見えるんだけど。


 そんなことを思いつつ、しゃがんでじっくり観察していたら


 相棒が宇宙空間仕様のカメラをバギーの道具入れから取り出して、パシャパシャその辺を撮影しはじめた。


 この5頭を攫って行く前に、周囲の様子は撮影しておいた方が良いわな。

 絶対、学者が欲しがるんだよな? そういうの。


 ……しっかしなぁ。


 ボールビートルに改名した方が良くないか?

 バルーンビートルって……。


 まあ、捕まえるか。


 コロコロ転がってて、危険性も感じられないし。

 それに俺には鉄身五身がある。


 やったれ。


 俺が手を伸ばすと


「ここ、重力が地球の半分だから、ここの生き物である以上、身体が脆いかもしれないから、気を付けて」


 写真撮影に精を出している相棒が、ギリギリで俺にそう助言をしてきた。

 おっと。


 分かりました。


 ……そういや前に聞いたっけ。


 重力が低くなると、身体の強度がそれだけ問われなくなるから、そこで育った生物は脆くなるって。

 ここは地球の半分の重力。


 それだけ脆い身体をしていると考えて、それ前提で動いた方が良さそうだ。


 なので、そっと優しく捕獲しようと手を広げ、接近する。


 すると


 いきなりだ。


 ポーン、と跳んだんだ。

 球体なのに。


 で


 重力が半分しか無いので若干ゆっくりに見えるんだよね。

 その、放物線が。


 ……ああ、なるほど。


 ここだけ見たら、地球感覚では風船みたいに見えなくもない。


 この辺が命名由来か……


 すると


「……オモシロ。この生き物、今どうやってジャンプしたの?」


 ボソっとした相棒の言葉が、ヘルメットのスピーカー越しに。


 ……この言葉に関しては俺も同感。

 今だけは研究者マインドが理解できてる……と思う。


 これまでと違うやる気を出して、慎重に追い込んだ。


 そしてとうとう捕まえるに至り……


「……結構固いな……」


 殻はあまり脆いという感じでは無かった。

 指先で叩くと、亀の甲羅くらいの強度がある気がする。


 脆いとは思えない。


 ……この辺も研究だよな。


「リューイチ、このケージに」


 バギーからせっせと相棒が、捕獲生物用のケージを5つ、取り出してくる。

 捕まえて、ケージに入れて、バギーに積み込む。


 そう3頭同じことを繰り返し、とりあえずのノルマの達成がされたときだった。


 ギュン、と目の前に。


 真っ白い宇宙服に身を包んだ、純白のフルフェイスヘルメットの人物が。

 まるで空間跳躍をしたように俺たちの目の前に出現したんだ。

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