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第34話 お義姉さんに欲しい!

 手うがが済んだので夕食の時間まで近況の話をした。

 テレビを見ながら。

 学校の勉強のこととか。

 部活のこととか。


 俺の方は仕事のことや普段の生活のこと。

 その中で


「お兄ちゃんにさ、私、茉莉さんと結婚して欲しいんだけど」」


「……何を言ってるのお前」


 テレビでお笑い番組を一緒に見てたら。

 妹が突如そんなことを言い出した。


 妹は俺の言葉に


「え、茉莉さんすごく良いじゃん。私、茉莉さんにお義姉さんになってもらいたい!」


 なんかそんなことを言いつつ。

 なんか想像している。


 両手指を組んで夢見る感じで。


「絶対幸せだと思うのよ。茉莉さんがお義姉さんだったら」


 茉莉さんすごく賢いし、綺麗だし、明るいし。

 茉莉さんの産んだ赤ちゃんだったら、普通に何の抵抗も無く私は叔母さんになれると思うんだ。


「そういうのは俺の意思だけでどうにかなるものじゃ無いだろ」


 俺がそう言うと


「そりゃそうだけど、お兄ちゃんはどうなのよ」


 妹はブッ込んで来た。


「お兄ちゃんがまず乗り気じゃないと、話にならないよね」


 そうは言われましても……

 俺はお前を社会に出すことを、両親に託されてるわけなんだよ。


 だからまぁ、あまりそういうことを考えたことはない。


「……お前が一人前にならないことにはどうにもならんというか……」


 言って俺は、ポケットから煙草を1本取り出して口に咥えて


 ライターを探したとき


「……お兄ちゃん、答えるのが嫌な質問来たとき、いっつもそれだよね。煙草吸って間を持たそうとする」


 妹の指摘。

 容赦ねえなぁ。


 そんなことを言われてしまうとそのまま喫煙はできんわな。


 煙草を戻して、座り直す。


「……まあ彼女は綺麗だし、性格にも問題あるようにも見えないよ」


 正直な彼女に対する評価を話す。

 俺と違って、社会的弱者に優しい言動が目立つけど、それ自体は別に悪いことじゃ無いし。

 俺の目からは危うかったり、胸糞悪い展開を呼び込みかねない行動に見えるけど。

 それはあくまで結果の話だからな。


 彼女自体は悪い人間じゃないから、嫌いじゃない。

 そこらへんを伝える。


 すると妹はパァっと明るい顔になる。


「じゃあ何も問題ないじゃん。あとは行動を起こすだけじゃん」


 脈無いなら、こんな田舎街まで私たちに話しに来たりしないと思うけど。

 そんなことを言う妹。


 ……そうかぁ?


 そこはすごい疑問があるぞ?

 俺は彼女のために、左手無くしてるしな。


 いや別に、恩を売る気は無いんだけどさ。

 そのお礼でそれぐらいアリなんじゃないのか?


 その辺を俺が言うと


「え……? 何で義手になってるのと思ってたけど、そんな理由だったの?」


 口元に手を当てて妹が驚愕する。


 そして


「やってること充分にヒーローじゃん!」


「いやいやいや。仕事上の相棒だし、状況的にそうしないと彼女は死んでたんだから当然するだろ。別に相手が誰であっても俺は同じことしてたぞ」


 他人の危機を助ける。

 それ、常識だろ。

 気に入られたいからとか、好きだからとか。

 そんな理由で人命救助するヤツはいない。


 居たら外道。


 だから俺がやったのは当たり前の行動!


「でも助けたのは事実でしょ」


 妹はそこを強調する。

 何か? そこをとっかかりに交際に持ち込めとでも言うつもりか?


 何かそれ、絶対変だろ。


 というか……


(こいつ、自分が病気で普通に子供が産めなくなる可能性考慮して、良物件に思える彼女とあにをくっつけたいと思ってるのかね)


 なんだか、そういう気がするな。


 心情的に、差別に繋がる人工子宮はなるべく使いたくないしな。


 まあそれは、確認できんけどさ。

 本人にしか分からない辛さは絶対にあるはずだから。


 だからまあ


「分かった分かった。会社でも彼女は人気高いから、なるべく早くに前向きに検討するわ」


 そう言って話を打ち切った。


 妹はなんだか、不満そうだったが。

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