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第33話 宇宙伝説の話

 顔合わせ食事会が終わった。

 なので


「ただいまー」


 妹と一緒に、妹の自宅にしているマンションに帰って来た。

 両親から相続したマンションだ。


 今、ここに住んでいるのは基本は妹のみ。


 妹はリビングの電気をつけて、洗面所に向かって行く。


 手洗いうがいだな。

 基本だよ。


 ……俺もしたいけど、急かすわけにもいかんしなぁ。


 俺はそう思い、リビングでソファに座っていたのだけど


 ……なんか時間が勿体ないな。

 そう思ったので、リモコンを手に取り。

 壁に掛かっているテレビの電源を入れる。

 数年前のモデルだから、画質と画面の大きさは大したこと無いけど。

 まだまだテレビを見る分には問題ないし。


 窓ガラス1枚くらいの薄さなので、ほぼ壁と一体化しているテレビ。

 重さは1キロ無い。


 なので壁に掛けても、落ちる心配はない。


 ……洗面所の方から、うがいの音と水音が聞こえてくる。


 やってんな。

 終わったら俺もやんなきゃな。


 で……


 チャンネルを回していたら、フリーチャンネルで「宇宙伝説特集」ってものを見つけた。

 フリーチャンネルは、時間帯関係なしに、いつでも好きな番組を見られるチャンネルで。

 別名、配信チャンネルとも呼ばれてる。


 宇宙伝説……


 相棒に呆れられたから、ちょっと勉強してみるかな。


 そんな軽い気持ちで、俺はリモコンで視聴選択をした。




「忽然と乗組員が消えた無人の宇宙船が発見される。この事件は実際にあったんですよね」


 暗めのスタジオで、プレゼンターの眼鏡の小太り男性がパネルを手に話をしている。

 暗めの音楽の中、その事件がいかに謎の事件なのかを熱弁していた。


 宇宙空間に、無人の船……タンカー船が漂っていて。

 それは石油満載で。食糧は食糧庫に入ったまま腐っていた。

 食堂にはテーブルに食器が並んでいて。


 あるべきものは全部揃ってる。

 ただ、人だけが居ない。


「宇宙海賊ではあり得ないわけですよこの場合。宇宙海賊だったら石油を盗むはずですからね」


 すごーく熱く語る。

 けど


 ……石油~?


 安いだろ?

 体積の割には安いから、率先してあまり盗まない気がするのだが。

 一体何百年前の話をしてるんだ。


 まあ、配信チャンネルは内容の規制が緩いから、話半分に聞くべきかな。


 なんて思ってたら、話題が転換された。


 次の話題は……


「ユニコーンです!」


 プレゼンターの手のパネルにイラストがあって。

 そのイラストは伝説の幻獣の姿を描いていて。


「宇宙空間に棲息していて、出会えば、出会った人間の周囲から病気が去るという伝説の宇宙生物」


 すると


「そんな生物いるわけないでしょー山田さん」


 他のパネリストの言葉。

 それに対しプレゼンターの男性は


「何言ってんすか。クマムシが居るでしょう! 宇宙空間でも生存できる生物に」


 クマムシ……有名だよな。

 熱を掛けても、放射線浴びせても、宇宙空間に放り出しても死なない生物。

 でもさ


「いやいや、でも仮死状態になって、ですよね?」


 活動してないじゃないですか。


 そうツッコミが入る。


 そうそう。

 俺もそう思う。


 だけどプレゼンター男性は引き下がらない。

 そのままこう言ったんだ。


「先月、日本領になった新惑星で、宇宙空間で活動できる宇宙生物が見つかったんですよ!」


 そして新しいパネルを見せた。


 そこには絵が描かれていて。


 それは……


「その名はバルーンビートルです!」


 球形の甲虫。

 そう表現するのが一番適当な絵だった。


 彼は興奮し、熱弁する。


「この生き物がいる惑星ホシは大気がありません! なのにこのバルーンビートルはそこで生物として存在しているんです!」


 ……そういやそんな記事を先月に新聞で見たような覚えがある。

 新規獲得の領星で、信じられない生き物を発見、みたいな。


 そんなことを考えていたら


「お兄ちゃん、洗面所空いたから手うが」


 妹が洗面所から戻って来て、俺に手洗いうがいを促した。

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