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第18話 宇宙真理教

 俺は相棒にはYH病のことは言っていない。

 伝えるべき情報じゃ無いからだ。


 だから


「……そうだな」


 認めたけど、それだけだ。


「……そう」


 ま、彼女としてもそう言う外無いわな。

 何で教えてくれなかったの! って言う関係じゃ無いし。

 いくら親密とはいえ、仕事の関係なんだから。


 でも……問うてしまった以上、そう、で終わったらいけないとは思うよな。

 慰めるか、励ますか。


 どっちかをしなきゃいけないと思うよな。


 だから


「……だからYH病治療の話題にやたら食いついてたんだね」


 そんなことを言われてしまった。

 そんなことを言われたら……。


「……待ち望んでるからな」


 ……イカン。

 なんだかしんみりしてしまった。


 何か別の話題は……


 そのとき、ニュースがテレビで読み上げられた。


 中東紛争のニュースだった。


『……この紛争に、宇宙真理国産の怪人兵器が投入された事実を銀河連合は重く見て……』


 そのニュースを見て俺はいう。


「あの地域の紛争って、数百年前から何も変わって無いのかな」


「どうだろ?」


 俺の言葉を、そんな風に受け返す彼女。


 彼女は続ける。


「宇宙世紀がはじまってから、地下資源の問題で世界で軍事衝突する事例はだいぶ減ったらしいけど……」


 それ以外ではあまり減って無いわよね。多分。

 彼女はそう言った。


 地下資源由来の紛争が減った理由。

 それは簡単だ。


 銀河に腐るほど存在する惑星に、地下資源がたんまりあるからだ。


 銀河に人類が飛び出すようになって。

 宇宙人に出くわすことは無かったんだけど、それは逆に


 銀河の惑星は、持ち主が居ない。

 そのことの証明だった。


 それを知って誰かが言った


「ならば星の保有は早い者勝ちにしましょう」


 って。


 なので、惑星の所有権は新惑星を発見した国が保有する。

 これが国際ルールなんだよ。


 具体的に言うと先に該当惑星に到達し、その事実を銀河連合に報告をした国のものになる。


 なので……


 今の時代、所有する地下資源埋蔵量の大小ってあまり国力に関係ない。

 何故って……


 資産数兆円の金持ちと、資産数京円の金持ち。

 資産の差は歴然だけど、その生活レベル、普通に考えて差が出ると思うか?


 そういう話だ。

 あまりにも保有資産の額が多すぎて、差が出るほど普段使いできず、結果どっちも一緒に見えるという。


 そういう話。


 そのレベルの話が、地下資源の保有量の問題で起きてるんだよな。


 初代様の時代の人には、そんな馬鹿な、って言われるかもだけど……


 前にも軽く触れたけどさ。

 人類が手にした惑星の数が多すぎて、テキトーな惑星ホシが一企業に売却される事例があることを忘れないで欲しい。


 そのくらい、あるんだよ。


 けれど。


 それでもやっぱり、戦争は無くならない。

 地下資源だけが戦争の理由じゃ無いからね。


 やだねー


「良く分かって無いけど、中東関係の戦争って宗教が絡んでるんだよな? そればっかりはどうしようもないかもしれんよな」


 そう、俺は相棒の言葉にそう返して


 宗教……


 そのワードで、ふと思った。


 宗教関係の紛争で、宇宙真理国の怪人兵器を使うのはOKなのか?

 そう思ったから俺は


「中東の宗教的に、宇宙真理教のサポートを受けるのは許されるの?」


 そう、相棒に訊ねたんだ。

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