第110話 ふたりの結末
本当にいたのか……ユニコーン。
どこにいるのか分からなくて、会えるものなら会いたいと思っていた伝説の宇宙生物……!
しかし、何でユニコーンはこの宇宙船を蹴っているんだ……?
俺は何度もこの宇宙船を蹴っている巨大な宇宙生物の姿を食い入るように見ていた。
目が離せなかったんだ。
当たり前だよな?
誰もが皆、噂にはなってるけど実在なんてするはずがないと思ってた生き物を目にしたんだから。
そのときだった
「あっ! このクソアマっ!」
日本人男の罵声。
そこで俺は現実に引き戻された。
見ると、茉莉が男の拘束から逃げ出していたんだ。
そしてその背中に、日本人男が光線銃の銃口を向けていた。
……マズイ!
俺は咄嗟に判断をした。
それは……
「殺してやる! 死ねえええええええ!!」
男の注意をこちらに向けるために、わざと大声で相手への殺意を示すこと。
無防備の逃げた女と、今すぐ自分を殺そうと襲ってくる男。
……狙うならこちらのはずだ!
すると狙い通り、光線銃の銃口が俺に向く。
俺は全集中し、その銃口から伸びる射線に入らないように動き続ける。
耐えられるか不明な、レーザービームだけは貰うわけにはいかないから。
そのせいで狙いが付けられず、日本人男の顔に焦りが浮かぶ。
そして……その次の瞬間だった。
ビッと。
別方向からレーザービームが発射され、日本人男の指を焼いたんだ。
その引き金に掛かった指を、ピンポイントで。
「あぎっ!」
男の悲鳴。
銃口が下がる。
というより……
指をレーザーで灼かれたから、こいつはもうレイガンを撃てない。
千切れてるはずだから。
俺はそれを見逃さなかった。
突進し、間合いを詰め。
指を失った苦痛で取り乱している日本人男の頭部を
阿比須龍拳奥義・脳髄粉砕。
……奥義の拳で、躊躇いなく殴りつけた。
一撃を喰らい。
日本人男は床に叩きつけられ、バウンドし。
それ以上、動かなくなった。
……俺は。
レーザービームが飛んできた方向に視線を向ける。
そこには涙を浮かべて……
両手で海賊たちの光線銃を拾って構え、片膝立ちの発射の姿勢をとっている茉莉の姿だった……。
俺の胸が熱くなる。
「茉莉!」
俺が彼女に呼び掛ける。
俺の呼びかけに彼女は
「リューイチ! ありがとう!」
俺に感謝を口にして
彼女は、自分のツナギのポケットに光線銃を突っ込み。
涙を拭い、立ち上がって俺に駆け寄って来て……
俺はそんな彼女を受け入れて
そして俺たちは……
そのまま固く抱き合い
どちらからともなくごく自然に
顔を近づけ。
……キスしたんだ。




