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Stellaxie Project(ステラクシープロジェクト)  作者: 星野いつき
第1章 あの日夢見た あの場所へ
6/6

第6話 接近


隊長について行くと、湖から少し離れた雑木林の中に青い西洋風の古城が見えた。それほど大きくはないが、ここがクアティティアの拠点なのだろう。中に入るとギルドメンバーがいた。


「ミズキ、おかえり!お客さんがお待ちかねだよ〜」


「ん?客?…あ〜」


隊長は何の事かと首を傾げたが、記憶の片隅にあった約束のことを思い出した。ギルドメンバーは隊長の後ろにいた3人に目をやる。


「あら、後ろの方々もお客さん?」


「ま、ついでに一緒に話をするでもいいか」


「「「?」」」


3人がそろって首を傾げる。


――ガチャ


隊長の後ろに続いて3人は部屋に入る。


「やっと戻ったか、ミズキ。…あれ?後ろの3人は」


げっ…


そこには昨日ギルドホールで会ったイラニスの隊長がいた。なんとなく昨日のやり取りで苦手意識を持ってしまった千陽は、一瞬声に出そうになったが、なんとか飲み込んだ。クアティティアの隊長が両方を交互に見て


「ん?やっぱり、知り合いだった?」


…“やっぱり”とは?


「昨日、ギルドホールで会った子たちだ」


ウォラルがスパッと返すので、千陽の違和感を挟む余地はなかった。


「さ、みんな座って!“この件”について、話そう」


「この子たちにも話すのか?」


「さっき湖でね、昨日のことについてステラクシーたちが言い争ってて、たまたまこの子たちが居合わせたんだよ」


「巻き込まれたのか?!」


「いいや、そこは私が止めに入った。ただ、この子たちには“この件”について教えてほしいと言われてね」


「そうか、なら仕方ない」


ウォラルはちょっと不満そうだ。


「あ、そうだ!自己紹介もしないまま連れてきちゃってごめんね。私はクアティティアの隊長をやってるミズキです。よろしくね」


「そういやぁ、昨日、俺も名乗らなかったな。イラニスの隊長ウォラルだ」


「名乗らずに若い子に声かけたの?イヤなオジサンね」


「お前も名乗らずに連れてきたって今言わなかったか?イヤなオバサンだな」


なんだか2人の間がバチバチだ。


「えっと、私はソルトミルです。と、…」


千陽が彩音と結花を見て固まる。2人は首を傾げる。


「ごめん。昨日の今日で、まだ覚えられてないや」


「あ、そういうこと。私はサイトです。テラディウム所属です」


「私はアカツキです。同じくテラディウム所属です」


「では、“この件”について始めていきましょう。先程のステラクシーたちが言い争いをしていたのは、昨日、水属性のステラクシー『チャプナ』が姿を消したことについてでした。水属性のステラクシーたちの話の内容では毒属性のステラクシーのせいだと主張していましたが、毒属性のステラクシーもまた同属のステラクシーが消えていると話してました」


ミズキがチラッとウォラルを見る。


「あー、はいはい。えー、まず、イラニスの調査隊からの報告だが、ステラクシーが消えた場所を特定、分析した結果、ステラクシーのデータはそこで消えていて、追跡は不可能だった」


「そう…。こちらもウチのチャプナミに周辺ステラクシーへの聞き込みをお願いしたけど、消える前に異常は無かったそうよ」


「今回も収穫なしか…」


…“も”?


「俺は今日忙しくてな。他も詳しく聞きたいのなら日を改めてくれないか?」


「…他とは?私は今回のことは今回だけのことと思っていたのですが、まだ何かあるということですか?」


千陽に指摘されて、ウォラルがハッとしてミズキの方を見ると、ミズキはあ〜ぁといった感じの呆れ顔をしている。自分の失言に気づいて、ウォラルは頭を抱える。


「日を改めればいいのですね?ぜひ聞かせてください」


千陽は逃さないと言わんばかりの真剣な眼差しを送る。


「はぁ〜、わかったよ。明日、イラニスの拠点まで来てくれるって言うなら」


「伺いますね。今日はありがとうございました。では、失礼します」


クアティティアの拠点を出て3人は街へ戻る。




3人は街へ戻る手前で野生のステラクシーを見かける。


――ザザッ


一瞬、(ひず)みが生じた。


何かの前触れかのように――


次回は幕間(ちょっとしたお話)

2026年2月6日(金)投稿予定

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