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Stellaxie Project(ステラクシープロジェクト)  作者: 星野いつき
第1章 あの日夢見た あの場所へ
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第2話 待っていた存在


遠くに街の入り口らしきものが見えた。


もう少しかな。


コロコロ、コツッ――


後ろで小石が転がりぶつかる音がした。千陽が後ろを振り返ると、岩陰にサッと影が隠れた。千陽は何かが見えた気がしたので、岩陰をのぞき込む。


あれ?何もない。…気のせいか。


気になったが、待ち合わせもあるので、先を急ぐことにした。




街の入り口に来ると、(にぎ)わいが聞こえてきた。


結構人いるんだなぁ。あ、彩音に連絡しよ。


「キュウブオープン」


えーっと…。メッセージは…、これか。

『街の入り口まで来たよ』っと、送信!


………ポンッ


返信早っ。『近くのベンチで待ってて』か。


千陽は辺りを見回すといくつかベンチがあったので、手近なベンチへ腰掛けた。そのベンチの下にサッと影が忍び込む。


さて、これから何をしようかな。


これから始まるMeiでの生活に胸を膨らませながら、友達を待つのだった。




少し経って――


ポンッ


ん?彩音からメッセージだ。

『キュウブ開いたまま、左手上げて』

はい?????


とりあえず、言われた通り左手を上げてみる。


「みーつけた!」


キュウブの画面越しに誰かがバッと覗き込んできた。

それから、もう一人が小声で


「千陽で合ってるよね?」


と確認されて、ハッとなり、うんうんうんと首を縦に振る。


「よかった〜。人が多かったから、どの人がわかんなかったよ」


「あ、なるほど。だから、左手上げてって指示だったのね」


「とりあえず、フレンド登録しとこっか」


「どうやるの?」


「こっちからフレンド申請送るね。えーっと、近くのプレイヤーから…。プレイヤーネームどれ?」


そう言って彩音が画面を見せてくる。


「あ、これ。『ソルトミル』」


「え?岩塩粉砕器?」


「それを言うなら塩挽きでしょ」


「どっちにしてもダサいから訳さない」


「「はーい」」


彩音と結花それぞれからフレンド申請が送られてきた。


彩音(こっち)が『サイト』…と、結花(こっち)が『アカツキ』ね」


「うん。それとこっちが我々のかわいいかわいいバディステラクシーたちね。私の方は種族ソルクシー、音属性、第二形態の『シロル』」


「私のは種族ルナクシー、草属性、第一形態の『デラ』」


「なるほど、これがステラクシー。どっちもかわいいね」


「ソルトミルのステラクシーもかわいいね」


「はい???」


「ベンチの下にいるのバディステラクシーじゃないの?」


ベンチの…下???


何を言っているのかわからないが、とりあえずベンチの下を確認してみることに、すると――


「ポポポポーーー!」


突然、目が合ってベンチの下にいた何かは驚いて騒ぎ出した。

千陽はバッと顔を上げ、2人を見る。


「何かいる…」


「あれ?もうスキャン済みなのかと思ってたんだけど」


千陽はもう一度ベンチの下を覗き込み。そのステラクシーをじっと見つめる。


…あの、背中の月みたいなのは………


「あ!さっき道の岩陰でチラッと見えた月だ!!」


「何?道の岩陰って?この子ずっとあんたについて来てたってこと?」


「なんで?」


「いや、こっちが聞きたい」


「バディステラクシーまだいないなら、せっかくだし、その子にしたら?きっとその子、ソルトミルのこと好きなんだよ〜」


出た!結花のゆるゆる適当発言。まぁ、確かにどのステラクシーがいいとかこだわりはないしなぁ。う〜ん。


ベンチの下でステラクシーは右へ左へ慌てふためき、終いにはベンチの足へぶつかって転んでいる。


「ふっ。かわいい」


思わず、笑いが起きる。なんだか「ここから出してあげたい」そう思えた。千陽はステラクシーに手を差し伸べる。


「おいで」


不安そうにしていたステラクシーが嬉しそうに千陽の手に乗る。ベンチの下から出してあげ、抱き上げる。


「君、温かいね」


「その子は種族ルナクシー、火属性、第一形態の『ポワ』だね」


「バディステラクシーその子にしちゃいなよ〜」


「えっ?いいの…かな?」


急に不安がる千陽。


「だって、その子嬉しそうだよ」


千陽がポワに目を向けると、目が合い、ポワはボッと火を出す。揺らめく火がキラキラと輝く。千陽は火を見て、ぼーっとする。


「……ミル。ソルトミル!…大丈夫?」


………はっ!


「だ、大丈夫!熱くないよ。全然熱くない。温かいくらい、あははは」


「もー、びっくりしたよ。大丈夫ならいいけど」


「火属性のステラクシーは気持ちで熱さ調整できるんだって〜」


「え、それ、どこ情報?」


「けいじば〜ん」


「ただの噂じゃない?」


「気持ちで……」


千陽はぼそっとつぶやくとポワをぎゅっと抱きしめた。


伝わったよ。君の嬉しい気持ち。


「私、この子にする…。この子がいい!」


「そっか。じゃあ、スキャンしなきゃだね」


「うん。キュウブスキャン!」


キュウブが8つに分かれ、ポワを取り囲む。8つが光でつながり球を成す。キュウブの光が収まると、元の四角に戻り、『バディステラクシー登録完了』の文字が表示される。


「これからよろしくね。ポワ!」


「ポポー!」




千陽が案内所に入った頃、ある場所にて――


―ログイン通知―

〈     〉がログインしました。


はっ!このログイン通知は…


「すまんが、少し外に出てくる」


「へ?…ちょ、どこ行くんですかー」


腕章をつけた男が部屋をサッと出て行く――


次回2026年1月9日(金)投稿予定

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