第10話 通り過ぎる
千陽は案内所の扉の前に降り立った。
「あ、ソルトミル来た来た」
「あれ?アカツキだけ?」
「サイトはまだ来てないよ〜」
どうしたのだろうと2人して首を傾げる。
「あ、そうだ。キュウブオープン」
結花がオンラインのフレンドを参照する。
「サイトどっかにいるみたい。あ、消えた⋯。もうすぐ来るかな?えぇっと、ソルトミルは⋯、名前載ってない⋯」
「え?うそ、私ここにいるのに?キュウブオープン」
千陽もオンラインのフレンドを参照する。
「本当だ。アカツキの名前ない!」
ポンッと彩音が遅れて現れた。
「お待たせ!」
「お、来た。んー、やっぱり表示されないね」
「なになに?」
「サイトを待ってる間、オンラインのフレンド一覧を見てたんだよ」
「ほー。で、どうよ?」
「やっぱりここにいると表示されないみたい」
「本当に何でだろうね?⋯壁の方は確認してみた?」
「いや、まだ。これからだよ」
みんなで後ろを振り返る。
「本当に真っ白で何もないね」
ソルトミルが手を伸ばしてみると
「手を伸ばすとぶつかる。“壁”だね」
「シロル、上の方も確かめてくれる?」
壁に手を当てながら、スーッとシロルは上の方に飛んで行った。ポワとデラもキャッキャッと楽しそうについて行く。ある程度行ったところで、ピタッと止まった。何やら上を確かめている様子。
しばらくしてシロルが降りてきて、短く話す。
「ずーっと壁。上、頭ぶつかった」
「ってことは天井もあるのか」
みんなで上を見上げるが真っ白だ。
唐突に彩音が壁に向かって――
「もしも〜し、誰かいますか〜?」
⋯⋯。
「いや、それで返事があったら、マジで怖いから」
「確かに怖いかも」
さっきからこうやって話をしているが、
自分たち以外の音がしない。
反響もしない。
こもっているわけでもない。
むしろ、
抜けていく感じ。
「なんにもないね〜」
「とりあえず、案内所入って次に行くところを決めようか」
「そうだね」
3人は案内所の中へ入っていく。扉を閉じるパタンという音さえ反響することなく、真っ白な壁の中に消えていった。
次回はまだ途中で、書き終わっておりません!
書き溜めてから、また更新していきたいと思います。
夏頃には出したい⋯。




