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Stellaxie Project(ステラクシープロジェクト)  作者: 星野いつき
第2章 その頃起きた その場所に
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第9話 消えたモノ


ウォラルが部屋を出た後、残された3人はしんと静まり返る。


「せっかくだから、ここで読ませてもらおうか。それから、どうするか決めよう」


千陽はウォラルから受け取った書物を机の上に広げた。



――


ステラクシー失踪事件

CASE 001

日時:□□□□/××/△△ ♢♢:♢♢

場所:@@@@@@

イラニス所属。■■■のバディステラクシー「ポワルフ」失踪。

今回よりも前に他のステラクシーが失踪している可能性は捨て切れないが、記録としてはこれが最初となるだろう。5年もMeiを共に歩んできたポワルフが消え、■■■はショックでMeiからログアウト。Meiへ戻ることは未だにない。


CASE 002

日時:□□□□/××/△△ ♢♢:♢♢

場所:@@@@

■■■■■■所属。■■■のバディステラクシー「■■■」失踪

最初の失踪から2年後。


CASE 003

日時:□□□□/××/△△ ♢♢:♢♢

場所:@@@

新規プレイヤー。ギルド無所属。■■■■■のバディステラクシー「■■」失踪

2番目の失踪から1年後。


CASE 004

日時:□□□□/××/△△ ♢♢:♢♢

場所:@@@@@

■■■■■■■所属。■■■■のバディステラクシー「■■」失踪

3番目の失踪から1年半後。



――



「記録がかなり古い。それに頻繁ではない感じだ。これなら、ただのバグだと思われても仕方ないか」


「長年ずっと一緒にいたのに急に消えたりしたら、辛いね。」


千陽はペラペラめくりページを進めていく。


「徐々に失踪の頻度が上がってきている。失踪が増えたせいなのか、情報共有が増えたおかげなのか、その辺はわかんないね」


「誰一人戻ってないのかな⋯」


3人の間に重い空気が流れる。千陽は最初のページに戻し、最初の記録をじっと読む。


「私は最初の失踪記録が気になるよ。これを書いた人にとって、最初の被害者が関わりが深い人物だったのかもしれない。他の記録と違って感情的な気もする」


「でも、この書物からはな〜んにもわかんないや。ただの記録だね」


「読んだだけで何か分かれば、もうとっくに解決されてるよ。とりあえず、こういう事実があるってことだけ押さえておこう」


「とにかく、噂をしらみ潰しに調査していくしかなさそうだね」


「噂か〜」


「噂ねぇ…」


「ん〜」


3人は腕組みし、ん〜と唸りながら記憶を探る。突然、結花がポンと手を叩き、何か思いついた様子だ。


「あの世の手前まで行ってみる〜?」


「あ、もしかして、案内所の噂?」


「え、あ、あの世?」


結花の言葉に彩音は心当たりがあるようで話が噛み合うが、千陽は何のことやらさっぱりだ。


「昔からある噂で、案内所のログインポータルの後ろには見えない壁があるって言われているんだ。しかも、案内所のログインポータルだけ、Meiにログインしているはずなのにオンラインのフレンド一覧に表示されないんだって」


「でも、なんであの世の手前?」


「さぁ?誰かが壁の向こうはあの世だと言い出したとかなんとか」


「見に行くだけ行ってみようか」


「そうだね。ポータル飛びで案内所まで行こうか」


「ポータル飛び?」


「一度ログアウトして、行きたい方向にあるログインポータルを選択して再度ログインすることで長距離を短時間で移動することが出来るのであ~る」


「ここからだとまず最初の街のログインポータル、次に案内所のログインポータルって感じで2回飛ばないとかな」


「そんな裏ワザがあるのか」


「それじゃあ、行ってみよう!」


千陽たちはそれぞれログアウトした。


千陽は最初の街のログインポータルを選択し、

ログインしてすぐさまログアウトする。


そして、案内所のログインポータルを選択。


真っ白なログイン画面。


ただ一つ、

小さな黒い点がそっと消えた。


次回2026年4月17日(金)投稿予定

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