究極の選択
第46話目です。
皆んなって究極の選択というものをしたことある?
(そして時は現在・・・)
スカーレット「私・・・あの後転生したんだけど、どこかしらで頭を不意に打ち付けてしまい記憶を失ってグランド王国に流れたの。そしたら奴隷商に案の定捕まって売られたが案の定売れずに捨てられてしまって貴方と出会ったってわけ・・・」
クロノア「・・・」
あたりは不穏で静かな空気が流れていた
クロノアの顔からは光が失われて行き、曇っていく
スカーレットは窓の外を見る
外は曇り空でいかにも雨が降りだしそうな感じであった
するとスカーレットはこんな質問をクロノアに投げた
スカーレット「・・・あの転生の女神にもあったんだけど・・・・・・あの人はバルファルク王国に行くように言ってたの。でもまさか、頭を打っちゃうだなんて・・・・・・あ、そうそう。私・・・このバルファルク王国の住民になってさ?貴方もそうだとは思いたくはないんだけどさ・・・一目惚れしちゃったんだ、魔王様に。」
クロノア「・・・え?」
スカーレット「一か月後に勇気を振り絞って魔王様に告白しようと思うんだ。だからさ・・・その、もし嫌じゃなかったらさ・・・・・・」
「私と魔王様がくっつくのを・・・協力してくれないかな?」
クロノア「・・・・・・」
クロノアは動揺した
自分と魔王様は親子関係でありスカーレットは何の血のつながりもない赤の他人同士・・・
この世界においては親と子が結婚できるのか否か明らかではないがこの質問にはクロノアは黙るしかなかった。
スカーレット「・・・大丈夫かな・・・・・・?」
クロノアはもちろん、花岡美子さんことスカーレットのことは応援したいし二度と死なせたくないという思いがある
だが魔王様に恋をしている・・・いや、それ以上の感情を魔王様に向けているクロノアはこの問いに頭を悩ませた
クロノア「・・・」
少し考えたのちにクロノアは渋々にこう提案したのであった
クロノア「・・・分かった、とりあえずまずは交流からしてみるっていうのはどうかな?」
スカーレット「!!・・・ありがとう!!それでこの政界に置いての交流ってどうしたらいいかな?」
クロノア「前の世界にもあったと思うけど恋文を送ればいいんじゃないかなぁ?私はそう思うけど・・・」
スカーレット「・・・ありがとうございます!参考にさせてもらいますね!!」
クロノア「・・・」
スカーレットは輝かしい屈託のない笑顔を浮かべた
だがクロノアはどこか浮かばれない様子であった・・・
クロノア(・・・私は彼女を悲しませたくないのは理解している・・・・・・でも魔王様と結ばれるは・・・嫌。こんな時、フレイユちゃんなら・・・メヘラちゃんなら・・・・・・ヒョウガさんなら・・・バイヤーさんならどうするというんだ???)
そうクロノアはここで究極の選択に迫られていた
スカーレットの幸せを願うか、魔王様をとるか
そして、クロノアはある残酷な事実に気付くこととなる
クロノア(・・・あぁ、そうか。恋をするってこんなにも苦しい気持ちになるんだ)
クロノアは窓の外を見る
天気は曇りから徐々に雨が降ってきていることが分かる
そして数分も経たないうちに土砂降りの雨へと変わっていた
スカーレット「・・・あ、雨だ・・・確か予定だと外も案内するって言ってたんだよね?」
クロノア「・・・そうだけど、雨ひどくなっていきましたし・・・ここまでにしておきます?」
スカーレット「・・・うん、そうさせてもらうね」
その後、クロノアはスカーレットを新しい自室に案内させた後、自分も部屋に戻ることにした
魔王様からは天気がひどくなってきたので明日にでも酸内させますと言い、帰ったのであった
(クロノアの自室・・・)
クロノア「・・・」
その日の夜・・・クロノアは一人、自室のベッドに寝転がっていた
ただ本を読んだり簡単なゲームをするわけでも無く・・・ただそこに寝転がった
彼女は考える
クロノア(はぁ・・・まさか美子さんが魔王様と恋愛するだなんて思いもしなかったなぁ・・・・・・でもなんだろう、結構複雑な気持ちでいっぱいいっぱい・・・)
(彼女をとるか魔王様をとるか・・・一応はほぼ中間択でラブレターを送れば?と言ったけど、いつかはその選択を迫られる時がくるかもしれない・・・・・・)
(どうしよう・・・私は一体どっちをとればいいの?誰か教えてよ・・・)
(・・・)
クロノアは再び窓の外を見る
夜の暗闇とバルファルク王国の街の光・・・そして降りしきる豪雨が彼女の目に映る
クロノア(・・・結局のところは自分で考えるしかないってことか、どこ行っても世の中は残酷だ・・・)
クロノアはスカーレットや魔王にも言えない思いを抱きながら、布団にくるまって就寝したのであった。
スカーレット ・ヴァルツ その3
記憶を取り戻した彼女はバルファルク王国に行き、そこで出会った魔王様に一目惚れする。
だけど会ってからそんな経ってないためまずはラブレターを書くことを最初に実行する。




