前世と後悔
第45話目です。
こう言う人は応援したくなるよね
(それは前世でのこと・・・)
前世VER.のクロノアこと闇輝 青介が自殺をしてしまう一か月ほど前・・・
まだ部署に入って間もない青介の元に一人の新入りが入ることとなる
名前を花岡 美子(28歳)
話によれば花岡美子は中途採用で入ってきた方らしく、前は別の部署で働いてそしてこっちに来たということで社会人としての経験が人一倍多かった
美子「花岡美子です、今日からここで働かせてもらいます。よろしくお願いします」
青介「・・・」
青介はそんな美子にどこかシンパシーと言うものを感じていた
理由としては眼の下に隈があるように見えたからだ
だが、女性はメイクとしてアイシャドウをすることもある(一部の男性もそうであるが)
だから青介は休憩時間を見計らって入ってきたであろう美子に質問をすることにした
青介「・・・あの?すいません」
美子「・・・なに?」
青介「失礼を承知かと思うんですが・・・何日ほど寝てないのですか?」
美子「・・・」
しばらくの間、沈黙が流れる
美子は何本目か分からないエナジードリンクを飲み干してこう言った
美子「・・・5徹」
青介「え?5・・・?ま、まさか・・・」
美子「本当よ、最近一睡どころか一時間も一分も寝て無いし・・・まじで眠いの。でも仕事は終わらせきゃ・・・」ふらふら・・・
そう言って美子は頭をグワングワンさせながらパソコンと向き合った
それを見て青介は止めなきゃと思ったのか肩を掴んで無理やりに動きを制止させる
青介「ちょ、ちょっと!?無理言って働いたらダメですって!?ちょっとは休んでください!?」
美子「・・・ふふ、ありがとう。君はやさしいんですね?」
青介「ま、まぁ・・・優しいだなんて余り言われたことは無いんですが・・・」
美子「そう・・・あ、良かったらさ・・・連絡先とか教えてくれないかしら?」
青介「は、はい・・・!!?ありがとうございます!!」
そう言って青介は美子と連絡先を交換してもらった
それからというものの青介は隙を見てはなんとかラインでメッセージを送っていた
青介『大丈夫ですか?飯ちゃんと食べれていますか?』
『辛いことあったら僕に相談しても構いません』
『この後、ご飯にでもいきませんか?』
彼は彼なりのフォローはしたのだろう
彼の心意気は出来ることはベストを尽くすというのが大義名分である
そして彼女にストーカーだとか勘違いされないように毎日送らずに週に2~3回程度送るように配慮する
これで少しでも彼女の精神が多少は和らいでくれればそれでいい・・・
だがそう思っていた・・・矢先のことである・・・・・・
青介「・・・美子さん?」
「女の人が落ちたぞ!?」
「きゅ、救急車はまだなのか!?」
「まじかよ・・・飛び降り自殺かよ・・・・・・」
そう、花岡美子が飛び降り自殺をしたのだ
彼女が住んでいるであろうマンションの屋上から・・・
救急車は呼ばれたが、無論助からず・・・その場で即死が確認された。
警察は彼女の部屋にある遺書、屋上の淵にある靴から彼女の物と思われる靴・・・
そして自殺する動悸があることから、警察は自死だと見て早々にこの件を切り上げた
警察から聞いた話だと彼女は前の職場でパワハラされていたらしく、それが嫌で中途採用で別の会社に入った・・・がここでもハラスメントの魔の手は渡り、今度はあのクズ社長にセクハラされてしまっていた。
そのことを青介に心配かけまいと、どうやら黙っていたとのことで彼はそのことを初めて知った
極めつけは、どうやら彼女はあのクズ社長の息子に凌〇されたとともいう
そのことで精神が相当参ってしまった彼女であったが極めつけは一発で妊娠してしまったという事であった
これには彼女も精神が壊れてしまい、マンションの屋上で転落自殺した・・・
というのが事の真相であった
青介はどこまでもこの世の中は理不尽だと感じてしまっていた
そして痛感する・・・自分がどれほど無力であったかということを・・・・・・
青介は吹っ切れたのかその場で居合わせていた警察にすべてを話した
『まちがいなく、あのクズ社長とその息子が原因である』と・・・
だがそうは問屋がうまくは下ろせない
警察は『はいはい』と軽く返事をして青介を現場から無理やり遠ざけた
そしてこれは後から知った話であったがあの警察はクズ社長に賄賂を渡されておりこれ以上の介入を防ぐためだとも言われている
青介はこれに憤怒した
だが自分はやはり権力も持っていない
あの時の青介には初めて実感したのだ
自分がどこまでも無力で情けない奴だということを・・・
花岡美子
クロノアの前世の姿の青介と同じ会社に中途採用されるもその会社の社長と息子にセクハラされて気が滅入ってしまい自○する。
その後に異世界転生でスカーレットとなる。




