勇者御一行たち 現れる
第34話目です。
勇者御一行は純粋な正義ものよりこういう風な役に塗れた汚い奴らだといいと個人的に思ってる。
(中央通り前・・・)
ヒョウガ「・・・まさか、魔王の娘とあろうかたが催眠ガスにまんまと眠らされちゃうとは・・・・・・」
クロノア「私だって100%完璧じゃないんです!!でも、まぁおかげで自分の弱点をしれてよかったですよ。今後とも注意します」
ヒョウガ「・・・ま、完璧超人な種族なんて他所から見たら近寄りがたいわけだからこれぐらいがちょうどいいか」
クロノア「なんか言いました?」
ヒョウガ「いや、別に・・・」
夜のグラント王国・・・ひとまずのミッションを達成することが出来たクロノアたちはグラント王国を出るため中央広場に向かっていた。
グラント王国の周りの国境は壁に囲まれてはいるものの、天井は吹き抜けであったため空を飛べるクロノアたちであれば早急に脱出することは容易ではあった
だがあえて中央広場に向かっているのには訳がある
それは、出れたとしてもバルファルク王国に帰れなければ意味がないからなのであった
ヒョウガ「・・・分かってはいると思うが、『ヒガシドオリ』が見えたら飛んで逃げるぞ。バイヤーは飛べるか?」
バイヤー「まぁ羽あるんで飛べますが・・・」
クロノアたちは『ヒガシドオリ』にある入口から入ってきたわけだから、それが見えたら向かうという単純な作戦であった
そもそもな話、東西南北それぞれの通りはほぼ同じ背景であるため、非常に迷いづらいのである。
だからこうして分かりやすい中央広場に向かっているわけである。
・・・うん?普通に壁沿いを飛んでいればいつかは出入り口にたどり着いてそこから脱出できるだろうって?
そこは首を突っ込んではいけない。そもそも彼女らはそこまで頭は回らないのですから
クロノア「・・・なんか変に馬鹿にされたような感じがしたんですけど」
ヒョウガ「気のせいじゃないか?多分・・・」
バイヤー「それより二人とも、そろそろ中央広場に到着しますよ。」
クロノア「ようやくか・・・」
クロノアはようやく出れると思い安堵した次の瞬間だった
ビュン!!!
クロノア「わっ」
どこからか弓矢が飛んできた。
幸いにもクロノアに当たることは無かったが、体制を変えてしまったことで地面に不時着してしまった。
しかしクロノアはそれを見越してなのかアクロバティックに着地して体制を立て直した。
クロノア「今のは・・・火の矢?だが一発だけ・・・ならばたいしたことはな・・・・・・」
その時だった、火の矢が連続でクロノアに向かって放たれているのを彼女は目撃した
しかも見たところ、それはまるで豪雨のようにして数百本以上の火の矢が飛んできていたのであった。
ヒョウガ「クロノアっ!!避けろ!!!」
それを見たヒョウガはクロノアに向かって避けるように命令する
だがクロノアはどこか慌てるような動作を見せなかった
なぜならば
クロノア「ふん・・・不意打ちだったらあれだったけど大したことは無いわ」
そういうとクロノアは、黒い翼をばさっと広げて軽く羽ばたかせた
するとそれだけで強風を呼び、火の矢たちは瞬く間に吹き飛ばされてしまい無力化されてしまっていた
ぱらぱらとその弓矢たちが残骸のように落ちてくる
だがしばらくするとたくさんあった弓矢たちがまるで幻想のように消えていくのを感じ取った。
クロノアは一本だけ残った鎮火された弓矢を見て思う
クロノア「消えた・・・っていうことはもしかしてこれは・・・・・・」
バイヤー「おそらく『増殖』スキルでしょう。この弓矢のようにして対象の物を増殖させることが出来るスキル・・・ですがこの感じですと、そこまでの熟練度とは言えない・・・・・・」
そう感じた時であった
ヒョウガ「・・・!!!」
クロノア「・・・これは」
バイヤー「・・・やはり、あの国王は生きていましたか・・・・・・それでおそらく言ったように勇者たちを集めたのでしょう。お金の力で・・・」
勇者ご一行たち「「「「「魔族たちが現れたぞー!!!やってしまえーーーー!!!!」」」」」
なんと、クロノアたちの周りにはたくさんの勇者ご一行たちが囲むように現れていた
そして中央広場にある電波塔からはあのグランツ国王の怒号が聞こえたのであった
グランツ国王『勇者ご一行ー!!緊急クエストを出す!!!奴隷商本部は突如として崩壊してしまった!そしてその崩壊を引き起こした無礼者が魔族3人!!!黒い堕天使と白髪のクールな美女と裏切り者の紳士的だがドラキュラなやつだ!!!見つけてとらえれば孫の代まで遊べるほどの額の金をお前らにプレゼントしてやる!!!見つけたのなら、問答無用にやってしまえ!!!!』
勇者御一行たち
グランツ国王のお金発言に目が眩みクロノア達を捕えようと企む欲深い奴ら。
だが個の戦闘力はそんな高くない。




