産むか堕とすか
第113話です。
今回はちょっと話があれかもしれない
フレイユ「・・・なんで?なんでそういうクソリプ飛ばすかなぁ?ねぇ何で?」
メヘラ「ちょ・・・近いわ!!フレイユ!!!」
何故か距離感の近いフレイユを飛ばすと、メヘラはふんっとふてくされる・・・
これには初対面であろうハクビも疑問に思わずを得なかった・・・
ハクビ「・・・おや?仲間みたいな空気を出しておったからてっきりそうだと思ったのじゃが・・・」
メヘラ「勘違いしないで、あいつとはただ単に同業者ってなだけで何もそこまで親密という関係性では・・・」
フレイユ「じゃあ、なんであの時ビーチになんて誘ったわけ?」
メヘラ「見苦しかったからよ、でもこうなってしまえばただただ無理ね」
ハクビ「・・・」
どうやらメヘラはクロノアの事を切り捨てる判断をとるようであった
そんなことを聞いてしまえば魔王様はどんな反応をとるのかは想像に難くないことであったがメヘラはそのことを理解しようという気持ちは無かったのだ。
メヘラは名前の通りメンヘラ属性で例えそこに愛があったとしても結局は自分自身が一番であるという考えを持つ彼女は、クロノアをいつしか邪魔者であると考えてしまっていた。
だから彼女はそう言った選択をとった。
メヘラ「私は・・・こんな自分でも愛してくれる魔王様が一番で大好きだから・・・・・・」
「あいつ(クロノア)はもう手遅れだ、寝取られたんじゃあこっちもどうしようも・・・」
ハクビ「方法ならあるぞ?」
フレイユ「!?」
メヘラ「何?」
突如としてハクビが解決案を出したのだ
どうやらあの催眠は完全無欠ではないらしい・・・
ハクビ「お前たちもされたことあるだろう?今は治ってるから分かりづらいだろうが・・・」
フレイユ「・・・もしかして、強烈な痛みとか?」
ハクビ「ご名答」
メヘラ「・・・」
どうやらあの催眠を解除する方法はあるようで自分以外の第三者によって強烈な痛みを繰り出すことでそのショックによって治るという事であった。
実際、フレイユとメヘラは欠損による痛みで催眠を一時的に解除している・・・
そしてトドメを刺されたことで完全に催眠は解除されたという事だ。
ハクビ「もし、周りに誰もいなかった場合は早期治療で自分で自分を傷つけるしかない。痛みを与える方法は正直なんでもいい」
メヘラ「・・・随分知っているようで?」
ハクビ「まぁの、お主ら以外でも催眠にかかった奴を見たことあるからな、そんで最初に自傷した奴はどういうわけか死んだ」
フレイユ「何故に?」
ハクビ「正直な話、痛みのショックで我に返るのであれば腕か足を傷付けるだけで良かったんだ。なのにそいつは自ら首を切った・・・結果死んだ」
メヘラ「そいつ馬鹿でしょ」
ハクビ「まぁ馬鹿じゃな」
フレイユ「・・・」
そんなこんなでしゃべっているメヘラであったが当然、クロノアを助ける義理は一つも無かった。
だから怪我が治ったと見るや否や出ようとしていた・・・
メヘラ「・・・自国へ帰る」
フレイユ「ちょ、ちょっとメヘラちゃん!!」
ハクビ「薄情だの・・・」
メヘラ「ふん、勝手にいってなさいよ」
そうしてメヘラが廃病院から出ようとした時であった。
ハクビは何やら指先を空中でなぞった・・・
ハクビ「・・・ふん、どうしてもというのか?」
メヘラ「しつこい・・・何度も言わせないで・・・・・・」
ハクビ「ほーう?ここまで仲間を大事にしないとは・・・・・・メンヘラはメンドクサイのう・・・そうだ!!お主、その魔王様と言う奴が好きなんじゃろう?」
メヘラ「・・・だったら何?」
イライラするメヘラを他所にどこまでも冷静沈着なハクビ・・・
するとハクビはある魔法をメヘラにかけたのだ。
『急成長』(ラピッド・グルース)
メヘラ「・・・何をした?」
ハクビ「すぐにわかることじゃ」
メヘラ「・・・どういうこど"ぉ”!!?」
ーーーボンッ!!!
その時であった
メヘラのお腹がまるで妊婦さんのように大きく膨れ上がったのであった。
これにはメヘラもフレイユも大きく動揺した・・・
メヘラ「え、えぇ!?・・・な、なんで・・・!!?」
フレイユ「な、何が・・・起きて・・・・・・」
ハクビ「やはりな・・・お主、あの『オーダー・ファミリア』の息子に孕ませたんじゃろ?そんでもって妾のスキル・・・『急成長』で一気にお腹の中の子供を成長させたんじゃ。やはり受精していたようじゃ」
メヘラ「あ・・・」
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
メヘラは魔王以外の男に抱かれたこと、そして孕まされてしまったことに脳内の中で大変パニックになっていた。
彼女の脳内は怒りと悲しみと混乱でいっぱいいっぱいであった・・・
メヘラ「あ、あああぁぁぁぁぁーーー・・・最悪、人生これまでに最悪な日なんて無いよぉ・・・」
フレイユ「め、メヘラちゃん・・・」
メヘラは顔を覆いながら両膝をつく
きっとその顔は涙でぐしゃぐしゃなのだろう・・・
そこでハクビはある提案をした。
ハクビ「・・・よし、ここで貴様に良い提案をやろう」
メヘラ「何よ・・・」
ハクビ「妾の能力の一つに『強制退化』というのがある、これを使うことで堕胎することが可能じゃ・・・まぁ無責任とも思うじゃろうが、それは望まぬ子ってやつじゃろう?」
「選べ、そのまま育てて産むか・・・あるいはクロノアを救出して堕胎させるか・・・・・・」
メヘラ「・・・・・・」
メヘラは望まぬ形で別の男との子を孕んだ事・・・そしてパニックのまま二択を責められたことで頭が回らずにいたのであった・・・
フレイユ「・・・まさか、メヘラちゃんが子供を孕むなんて・・・・・・」
ハクビ「あ、一つ言い忘れてた。妾はこう見えて人の体内と言うものを見ることができる・・・・・・お主の膣にもメヘラ同様・・・そいつの子供がいるぞ?」
「・・・いや、もしかすると別のやつかもしれんな」
フレイユ「・・・え?」(硬直)