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青き星の英雄達  作者: RYOKUEN
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第七話 城の夜

皆さんこんにちは。更新が遅くてどうしようもない作者、RYOKUENです。今回は日常みたいなものを書いてみました。やはり、戦闘系よりも日常は大変ですね (-.-;)それでは今回もよろしくおねがいしますm(_ _)m


レイディン城 グリンの部屋


ベンチで談笑していた三人の少年少女、グリンとセイナそしてルーナは、辺りが暗くなってきたので、グリンの部屋に移動した。



セイナはこんなにも長い間、自分が話していられることに驚いていた。



いままで人と話すことがあまりなかったセイナにとって、とても楽しくて充実した時間を過ごすことができた。



今部屋にいるのは、外にいた三人とそれに加えてロイとゲン、そしてレインだった。


「しっかし焦ったッスよ。ルーナがいきなり部屋から抜け出すなんて、いままでなかったッスからね」



頭を掻いて、ロイは笑いながらルーナが無断で部屋を抜けてしまったことについて話していた。


それに対し、


「まあ、そう言うなロイ。こうして何事もなかったわけだし、ルーナ様も我慢できなかったのでしょう」



ゲンはルーナが無事だったことに安心していた。



「あはは。そういや大臣のやつらはどうしたんだ?」



グリンが笑いながらロイとゲンに訪ねた。


「大丈夫ッスよ。あいつらには王女は無事って言っといたッスから」



「まあ、ルギナスのやつはブツブツ文句たれてましたけどね」



グリンは面倒臭そうな顔になるとため息をついた。



「はぁ・・・あいつの相手すんのはめちゃくちゃ面倒だぞ・・・」



「そうッスねえ。グリンが『青い鳥』を作るときも一番反対してたッスからねえ」



「まあ、適当に流していればいいでしょう」



「あははは。そうだな。気楽に考えているか」



少年三人組が椅子に座って話しているとき、少女三人組はというと・・・・・



「む〜〜〜・・・・・・」



「む〜〜〜・・・・・・・・・」



セイナとルーナはグリンのベッドの上で睨みあっていた。二人とも頬を膨らませて変な顔だった。



「む〜〜〜・・・・・・プッ、あはははッ!もうダメだぁ!やっぱりセイナお姉ちゃんに勝てないやぁ!」



「あはは。私も結構危なかったけどねぇ」


睨めっこをしていたルーナとセイナはお互い、たのしそうであった。

その中でレインだけ、誰とも話しをせずに、無表情のまま窓辺にある椅子に腰掛け本を読んでいた。

そんなレインの様子に気がついたセイナはレインのそばまでいき、笑顔で声をかけた。



「レインもやらない?にらめっこ」



レインは本から一度、目を離すとセイナのほうをチラリと見た。しかし、「いい」と言うとすぐに本に目を戻してしまった。



「そっか」



そうセイナが少し苦笑しながら言うと、ルーナがセイナに抱きついて笑顔でセイナのほうを一度向いてから、レインが読んでいる本に興味を示した。



「ねぇねぇ。何の本読んでるの?」



「・・・・・ラルグ神話・・・・」



ルーナは頭に?マークを浮かべて苦い顔をしていた。セイナはその様子を見て苦笑しながらレインの方を向いた。



「ラルグ神話、主人公のクルトゥスが悪魔に立ち向かって戦い、全世界を平和にする話だよね。私も小さい頃、お母様に読んで貰ったよ」



レインはコクリと頷いた。ルーナはへぇ~と言って、ポカンと口を開けていた。セイナはこんな難しい本を読んでいるレインに感心していた。



「でもでも、おとぎ話でしょ?神話って」


ルーナはよくわかっていなかった。セイナは苦笑して、「そうなんだけどねぇ」と返した。

そんなお喋りをしていると、グリンが椅子から立ち上がった。



「そろそろ夜も遅いからみんな寝よう。明日もがんばるためにもね」



「そうッスねぇ。オイラ達も自分の部屋に戻って寝るッスよ」



そう言ってロイとゲンは立ち上がった。

同じ部屋の二人はみんなにお休みと言うと一緒に部屋を出て行った。


そのときにグリンになにか目で合図をして、グリンは小さく頷いていた。


二人が出ていった後、レインも本をパタンと閉めると、セイナとルーナの前を通って、ドアまで歩き出した。



「レインもゆっくり休んでくれよ。部屋はさっき言ったからわかるだろ?」



レインがグリンの前を通りかかったときグリンがそう言うとレインは小さく頷いた。


「それじゃ・・・・お休み・・・・」


レインはぽつりとそれだけ言って部屋を出ていった。

その後ろ姿にグリンは手を振って、また明日と言った。



「さてと、ルーナは自分の部屋で寝るだろ?セイナは・・・・」



そう言いかけたとき、ルーナがえぇ〜と声を上げた。



「今日はお兄ちゃんと寝たいなぁ・・・ずっと一人でさびしかったんだよぉ・・・・」


ルーナが上目づかいでグリンにお願いすると、グリンは頭を掻いて困った顔していた。ルーナとはずっと会っていなかったので、グリンは断りにくかった。



「そう言ってもなぁ。いくら兄妹であったとしても・・・・子供の頃とかはよかったけども・・・・今は年頃の男女な訳であって・・・・ 」



グリンは焦ってよくわからないことを言い始めた。すると、そうだ!と言って、グリンは声を上げた。



「だったら、セイナに頼めばいいだろ!さすがに俺は・・・」



「なんでグリンとじゃだめなの?」



セイナはキョトンとしながら、少し首を傾けて頭に?マークが浮かんでいる。



「うぐ・・・・だから、夜に男女が一緒に寝るのは・・・・」



グリンは頭をガリガリとさらに掻いて困っていた。するとルーナがぽんと手を叩いてなにか納得したように笑顔になった。



「男女二人がダメなんでしょ?だったら三人で寝ようよ!うん!決定!」



「それはもっとダメだって!!!」



グリンは必死に一緒に寝ることを回避しようとしていた。ルーナは城から出たことがなかったため、男性の怖さを知らないのだろう。もちろんグリンは変なことをするような少年ではないが、一様男の子なので、少女二人と寝るのは恥ずかしかった。



「セイナ〜〜お前からも何か言ってくれないか〜(泣)」



「え?三人ならいいんじゃないの?私も納得しちゃったけど」


セイナはやはりわかないような顔をしていた。するとグリンは大きくため息をついて、げんなりとした。



「と・に・か・く、俺は別で寝る!そこのベッド使っていいから二人で寝てくれ」



ルーナはえ〜〜と言っていたが、グリンは耳を手で押さえてソファーに飛び込んでそのまま丸くなった。



ルーナは口をとがらせてぶ〜ぶ〜言っていた。セイナは少し頬を赤くしながら、意地悪しすぎたかなと思いつつも、グリンが納得しなくてよかったと安心していた。さすがに男の子と寝るのは少し恥ずかしいというのがセイナの本音だった。

どうやらセイナは、わからないふりをしていただけのようだ。これ以上意地悪するのはかわいそうだと思い、ルーナに声をかけた。



「ほら、ルーナ。お兄ちゃんは恥ずかしくて寝れないって言ってるから、我慢して今日は私と寝よう?」



「う〜・・・・わかったよぅ。でもでもッ明日は一緒に寝てよね!お兄ちゃん!」



グリンは「わかったわかった」と言って、ソファーで丸くなりながら手をヒラヒラと振っていた。



「それじゃ、寝よっか。もう遅いしね」



「うんッ!お休み。セイナお姉ちゃん」



セイナはルーナがポフッとベッドに倒れこんで掛け布団をかけたのを確認すると、部屋にあった電気を消して、ルーナの隣のベッドに潜り込んだ。ルーナは可愛らしく小さくあくびをすると、目を閉じて、そのまま寝てしまった。

その様子を見ていたセイナは小さく笑った。しかし、すぐに真剣な顔になって、ふ〜と一息をついて、しばらくの沈黙のあと、セイナが口を開いた。



「グリン・・・起きてる?」



「・・・・おう・・」



グリンは小さく返事をした。しかしセイナは再び黙り込んでしまって、しばらくたったあと小さく言い始めた。



「私・・・ここにいていいのかな・・・」


「・・・・・なんでそう思うんだ?」



「小屋が燃えてしまったとき、襲ってきたのはデインの兵だった・・・わたしの跡をついてきたんだわ。そのせいで小屋は燃えてしまったし、みんなにも迷惑をかけてしまった・・・・」



セイナは悲しそうな目をしながら枕に顔を沈めていた。しばらくグリンは黙っていた。すると、大きなため息が聞こえた。



「・・・・・終わったことを言ってもしょうがないよ・・・たしかに思い出深いところだったけど、今泣いて戻って来ることはないからね・・・人は皆、未来に進んで行くしかないんだから」



セイナはそれを聞いて、やっぱりグリンにとってあの小屋は、思い出深い場所だったことがわかった。すると自然に涙が流れてきた。



「・・・・・・・ごめんね・・・・・グリン」



するとグリンは再び黙って、セイナのすすり泣きを聞いていた。セイナが落ち着いてくるとグリンは自分の毛布をかぶりながらセイナに囁いた。



「明日は早いから、もう寝よう」



「・・・・・うん・・・・」



セイナはそれだけを言うとそのまま掛け布団をルーナと自分にかけ直して、眠りはじめた。



グリンはしばらくの間起きていた。そして、セイナが寝たのを確認すると、部屋からこっそりと出た。廊下にはロイとゲンが待ちかまえていた。



「それで、話ってなにッスか?」



「こんな夜遅くに呼び出したんでしょう?何か重要なことですね」



グリンは大きく頷くと、真剣な顔をした。


「セイナのことだ。おそらくこの国の人は・・・・セイナを殺しにくる」






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