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青き星の英雄達  作者: RYOKUEN
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第三話 生きる理由

みなさんこんにちは作者のRYOKUENです。やはり文字数がたらなくてページ数が少ないですけど頑張って書いてみたのでどうぞ読んでください。

『青い鳥』のアジト リビング





セイナとグリンは、グリンの部屋からアジト一階のリビングに移動していた。この部屋は普段会議などに使われている。ので6人用のテーブルが置いてあり、料理を並べれば食卓になっていた。そして、そのテーブルにはもう4人の少年少女が席についていて、テーブルのうえには、骨付き肉とご飯、野菜スープが湯気をたてておいしそうに並んでいた。





「グ〜リ〜ン〜遅いッスよもう腹が減ってお腹と背中がくっつきそうッス」





そう、少し変わった口癖でグリンに声をかけた少年は体つきはセイナやグリンより少し小さく、クリっとしている目の色は透き通るような緑色で、青い髪は短髪だった。





「悪いな、ロイ。セイナと少し話をしていてね」






グリンは申し訳ないと言って、席についたが、セイナはどうすればいいんだろうという感じで、立ったままでいた。そんなセイナに気がついた、ロイと呼ばれていた少年は目を輝かせながらセイナの顔をまじまじと見た。





「このかわいい子はだれッスか?もしかして新団員!?」




そう言ってセイナの手を両手で握りしめた。目はキラキラしている。一方セイナは困った表情であはは…と苦笑していた。





「ロイ、少し落ち着け。彼女も困ってるではないか」






その声がしたほうをちらりとセイナは見た。ロイと呼ばれていた少年の隣の席に座っている刀のような鋭い目をしていて、髪は真っ黒な少年だった。





「う〜。そうは言っても気になるじゃないッスか。こんなかわいい子めったに会えないし…」





そうロイとよばれていた少年は口を3にしてブーブー言いながらセイナから手を離した。その様子を見ていたグリンは苦笑して、セイナは苦笑しながら頬を少し赤くしていた。






「グリン……はやく食べよう……冷めちゃうよ……」






無表情でグリンの隣に座って、みんなの様子をみていたレインは我慢できなくなったのか、もう湯気が消えそうな料理を見ながらボソッとつぶやいた。





「そうだね。セイナも俺も腹ぺこだしね、あとでゆっくり話そうか」





そう言ったグリンは自分の席の隣にある椅子を下げてセイナに座るように言った。そうするとセイナはおずおずと席についた。そしてグリンが両手をパンッっとたたいて、




「それじゃあ!いただきます!」



「いただきま〜す」


「……いただきます…」


「い、いただきます…」





セイナはしどろもどろにしていたが、そんなことはみんな気にせずに、目の前にある料理を口に運んでいく。その中でグリンとロイは骨付き肉を豪快に口で食いちぎりながら食べて、レインと黒髪の少年は優雅にナイフとフォークを使って肉を切り分けながら食べている。





「あれ?セイナ食べないの?おいしいよ?」




そうグリンが心配そうにセイナの顔をのぞき込んだ。





「え、あ、うん。食べるよ。でも……」





セイナはグリンの顔がいきなり目の前にきたので一瞬驚いたがすぐになにか困った顔になったのでみな食事をやめて、セイナを注目する。






「どうしたッスか?お腹でも痛いッスか?」





「い、いやそういう訳じゃないんだけど……なんでグリンやあなた達は私なんかを助けてくれてこんな料理まで出してくれたのかなと思って……」





その言葉を聞いてみんなは納得した。確かにセイナのことを知っている人などこの中にはいない。赤の他人なのだ。それなのに 助けてそのまま自分たちのアジトまで連れてきて料理まで出しているのだ。セイナが疑うのも無理はないが、そこでグリンが口を開いた。





「……別にセイナが特別って訳じゃないよ。俺たちは困った人達を助けたいだけさ。それに……君の目は会ったときから悲しい目をしている。それも一度死ぬほど悲しい思いをしているはずだ。散々悲しむ人を見てきた俺にはわかる。ここにいるみんなもその中の一人さ」






そうグリンは悲しそうに言ってコップに入っていたお茶を飲み干した。





「そっか……みんなも…そうなんだ……」





そうセイナは言って俯いてしまう。





「でも、みんながいれば悲しいことは忘れられるッス。だからこれ以上悲しむ人を出さないようにするのがオイラ達の役目っす!だからセイナが気にすることはないっすよ!」





そうロイは言って笑顔のまま骨付き肉にかぶりついた。






「そう、貴女が気にすることはないむしろ嬉しいことなのだよ。1人でも悲しむ人を救えたのはね」





いままで黙っていた黒髪の少年はそう呟くと自分の手元に置いてあったコーヒーを飲み、ふうと一息ついた。





「まあそういうことさ。セイナは何も気にする必要はないさ。これからどうするか知らないけど、今はゆっくりここで休んでくれ。」





そうグリンは言うとさっき見せた悲しい顔が嘘のような年相応の笑顔をみせた。そしてセイナはそれを聞いてポロポロと涙を流していた。




「う…う……うん……あり……ありがと……」





それを見たロイはニヤニヤと笑って…




「あ〜!グリン、女の子を泣かしたッスね!!」




「え、えええ!?俺のせいかよ!」




そう慌てたグリンを見てみんな笑い出した。いつも無表情のレインさえ笑い、さっきまで泣いていたセイナも口に手を当てて笑っていた。





「そういえばグリン、彼女に我らの名前を教えておいた方がよくないか?」





そう言ったのは黒髪をしていた少年だった。



グリンはロイにからかわれて沈んでいたが、復活してセイナの方を向いて

「そうだな。そういやちゃんと自己紹介してなかったな。俺の名前はグリンフィア・レイジ、今まで通りグリンって呼んでくれ。」






「オイラの名前はロイ・フリューゲルッスロイで呼んでくれッス!」





「私の名前はゲン・ハイゼン、ゲンでいい。これからよろしく頼む。」




「レイン・フォレスター……よろしく…」




そうしてみんなとセイナは握手をした。



「私の名前はセイナ。なにもできない私だけど、これからよろしくね」



そうセイナは言うと年相応の最高の笑顔を見せた。グリン達はその笑顔につられて笑顔になった。みんなでもう一度よろしくと言ったあとみんなで談笑しながら食事をしてこの日の夜はふけていった






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