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第一羽 迷える仔羊

どうも、うさぎと申します。

リミッターブレイクの方は・・・ちょっとお休みします。

編集も失敗しちゃったので・・・

上手く行くまでこちらをゆっくり始めようかなと思っちゃったりしました。

暇つぶしにどうぞん。


カランカランー


 街中の一角、酒屋が立ち並ぶところとは2つほどスジが違う、閑静な通り。一箇所・・・木造で自然豊かな色合いの喫茶店だけ・・・少し賑やかだ。


「いらっしゃいませ」


「よっ!店長、サンドイッチいける?」


「大丈夫ですよ。中身はどうされますか?」


「今日のオススメで!」


「わかりました。先日久しぶりに鹿肉を仕入れましたので、そちらでお作りしましょう」



 いくつ必要なのか、持ち帰りなのか、はたまたいくらなのか・・・足りない情報だらけだが、そこがこの来訪者を「常連」と感じさせる所以かもしれない。

 時刻は16:20。夕食に取り掛かり始める家庭も多い時間帯だ。恐らく持ち帰って、一人で食べるのか家族で食べるのか・・・といったところか。

 店内はテーブル席に2人組が3組。適度に話声が聞こえる程度だ。案外席は多いので、全て埋まった時は店内の騒々しさが伺える。

 店主らしき男が奥に引込み、客は席に座る。ほとんど間髪入れずにウェイトレスがコーヒーを持ってきた。


「ありがと」



 注文した雰囲気は無い。恐らくサービスの一環なんだろう。慎ましい女性はペコリと頭を下げ、そそくさと厨房へ戻って行った。

 一口コーヒーを煽る。一瞬味わうような表情を見せ、その後外に目線をやる。


 何分経っただろうか。止まない店内の話声の中から、トントンと革靴の音がする。


「おまたせしました」



 袋に入っている。持ち帰りだ。しかもかなりの量だ。


「おぉ!どれどれ・・・」



 客が袋の中を覗き込む。そこには鹿肉とレタスがはみ出たサンドイッチがズラリと並んでいた。


「お~、うまそ~!子供も喜ぶよ!」



 家族で食べるようだ。量もそれなりにありそうである。


「ありがとうございます」


「それじゃ・・・はい」



 男がごそごそとポケットからお金を取り出す。結構な金額がありそうだ。


「これでどうかな?」



 店主らしき男が硬貨や紙幣を数える。


「・・・少し多いですね。いくらかお返ししましょう」



 そう言って店主らしき男は、硬貨を数枚客に返した。

 恐らくちゃんとした金額は決まっていないのだろう。仕入れたモノの金額や店主がその時の気分で判断しているようだ。


「いいのかい?なかなか鹿肉は手に入らないだろうに」


「ご遠慮なく。いつも来て頂いていますから」


「ハハッ、こちらもいつもお世話になってますよ!ありがとさん!」



 そう言うと客は(きびす)を返し、そそくさとその場を後にした。その姿を良い姿勢で見送る店主らしき男。奥ではウェイトレスがせかせかと動いていた。


「・・・エレナ」



 店主らしき男は見送りを済ますと、振り返りざまにウェイトレスに話しかけた。ウェイトレスは足を止め、店主らしき男の方を向いた。


「はい」


「もうじき店終(みせじま)いだ。自分の夕食を作ってしまいなさい」


「かしこまりました」



 そう言うとエレナと呼ばれたウェイトレスは、厨房へ入っていった。その後、店主が各テーブルへラストオーダーの確認をして回る。いくつか注文が入ると、店主も厨房へ行き、最後のオーダーをこなしていく。

 ワッフルのホイップ和え、ミニチョコパフェ、ミルクティー・・・続々と料理が完成していく。実に美味しそうだ。出来た料理を1枚のお盆に乗せ、それぞれ注文が入ったテーブルへ持って行く。配り終えたあと、店の外へ出て、看板を「営業中」から「準備中」に変更した。


 店の外で声をかけられる。10歳にも満たないであろう子供だ。


「おじちゃん!」


「お~どうした~」


「こないだね?こ~んな大きな魚釣ったの!」


「そうか!食べたのか?」


「うん!ママが焼いてくれた!」



 後ろから母らしき人が現れる。


「も~ごめんなさい。こら、忙しいんだから」


「いえいえ、大丈夫ですよ」


「またね~!」



 子供が母親に連れられて去っていく。子供が手を振っている間は店主らしき男も手を振り続ける。店に入ると、会計待ちの客が立っていた。


「あぁ、すみません」


「いいんですよ。子供の相手は罪じゃありません」



 すぐに会計を済ます。ごちそうさまと一言もらい、店主らしき男は締めに取り掛かる。

 一組、また一組と退店し、ついに全ての客がいなくなった。


「・・・さて」



 タイミングを見計らったように奥からウェイトレスが現れる。


「エレナ、お疲れ様。また()な」


「はい」


「まだまだ多いか?」


「はい。どんどん増えてます。いかがなされますか?」



 エレナが何かリストのようなものを見せる。


「・・・なかなか、人の手が足りないな」



 そう呟くと、店主は1つの行を指差した。


「今夜はこれだ。調べはついてるか?」


「はい」


「よし、依頼主を店に呼んでくれ。来れないようだと、また考えよう」


「かしこまりました」


 そう言うと、エレナは店を後にした。



「・・・今回も、闇が深そうだ・・・」





 22:00時頃。店に一人の女の子が訪れた。20歳には満たない・・・だが幼くもない。看板はまだ「準備中」のままである。昼間は鳴っていたドアのベルも、取り払われている。ドアの開く音だけが、夜空に妙に響いた。


「・・・」



 女の子は警戒している。時間も時間だ。当然と言えば当然である。


「いらっしゃい」



 ふいに店の奥から話しかけられ、体をビクつかせる。


「・・・レ、レインさんですか?」


「いかにも、私がブラックラビット店主・レインです」



 このレインという男、昼間の店主らしき男である。どういうわけか、一度店を閉めて、改めて客を寄せている。


「どうぞ、そちらの席にお座りください」



 女の子が見渡すと、一箇所だけテーブルの上に「オリビア様」と書かれた札が立っていた。女の子はそこに向かい、とりあえず椅子に座ってみた。


すると、どこから現れたのか、エレナがミルクティーを持って現れた。


「どうぞ」


「あっ・・・す、すみません。ありがとうございます」



 急な登場に驚く女の子。しかし、気付いたら既に目の前にいるレインに、さらに驚くこととなった。


「・・・!」


「失礼しました。仕事柄(・・・)、夜間は足音を消す癖がついておりまして」


「あ、いえ・・・大丈夫です」



 レインは女の子の反対の席に座り、置かれたミルクティーに砂糖を入れ始めた。


「どうぞ」



 女の子にミルクティーを促す。しかし、女の子はそれどころではないようだ。顔が強張(こわば)っている。


「・・・あ、あの!」


「はい?」


「お父さんを・・・」















「お父さんを殺してくれませんか」



今回のストーリーは毎度少なめで投稿しようと思います。

量的には読みやすく、でも文章力無いから読みにくく、そんな物語を目指しております(

今回は頻度上げていきてぇなぁ~

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