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アリスプロジェクト2225:ブルースカイ  作者: 黒衣エネ
第一章:空中都市計画
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プリンセスヴァンガード:Ⅲ

其は白き希望の光か、それとも白き究極の闇か。


「国際連合軍所属のフレスヴェルク少佐と月光大尉です。本日は貴社の代表取締役社長アカリ氏に重要な要件があり、訪問させて頂きました。」


ロビーの受付で、フレスヴェルクが事務員に自己紹介をする。


月光と合流し、リブラス・テック社の本社ビルへと訪れたフレスヴェルクは、敢えてこれが軍部による要件と言う体で受付に話を通した。自分の個人的な質問をしたいと言う理由だが、そうした方がアカリとの面会を断られる可能性は少ないと踏んだからだ。


自分たちに友人として接していてもアカリは本来有名企業の『社長』なのだ、普通は個人の都合で急な面会を了承する筈が無い(本人が認めても周囲が、だ)。



「成程、貴女様が姫様プリンセスの仰っていた…畏まりました、直ぐに御案内致します。」


しかし受付に居た長身の女性は何やら納得した様子で、そう答える。詳しくは不明だが、断られる心配は杞憂だったらしい。


その女性は黒衣に身を包み、その衣装の様式から事務員と言うよりシスターのような出で立ちで、首に硬質パーツが見えることから人間ではなくサイボーグか先程出会った『リゲル』のように生体パーツ型アンドロイドかのどちらかだろう。



「申し遅れました、わたくしは『スピカ』です。姫様プリンセスの側近を務めさせて頂いております。では御案内致しますので此方へ。」


受付の事務員『スピカ』に案内され、フレスヴェルクと月光は本社の館内を歩く。


どうにも社員の人数そのものが少なく、今の所社員らしき人物は2人の前を歩くスピカを含めて全員がサイボーグかアンドロイドのようだった。こんな会社は相当に珍しい。




アカリ、正式な個体名は『AA4-000:アカリ』。


ここ数年で急に現れて高品質かつ独創的な製品展開で業界内でも大きな知名度を持つに至った、サイボーグやアンドロイド向け装備やパーツ専門メーカー『リブラス・テック社』の社長。


有名企業社長にも関わらず詳しい個人情報は不明で、両親等の血縁の確認もされていない。会社自体も彼女本人が立ち上げたようだ。


『AA4-000:アカリ』は主要機関にはサイボーグへの改造記録も残っておらず、規格が主要のものと異なる部分も多いので、恐らく自分の開発した機械を使って手術を行い、サイボーグ化したと推測されている。



フレスヴェルクが持っているアカリの情報はこんな所だ。友人だが、ハッキリ言えば彼女は得体の知れない存在である。あまりにも不明な点が多いのだ。


そして自分をサイボーグ化するという行為も常人では考えられない事だ。サイボーグ手術の成功率は未だに高いとは言えず、どんなに適性が有っても決して成功率は100%にはならない。そして失敗は死を意味するそれを率先的に行うものは今でもそう居ない。だが彼女はそれを乗り越えている。



そんな存在だから、彼女と『リブラス・テック社』は政府と取引は有りつつも密かに警戒されているのだ。




「此方です。」


2人が案内されたのは、本社から外に出て少し離れた場所にある3階建て程の建物だった。本社に比べればかなり小さく、工場と家の混じったような風体をしている。


「ではわたくしは席を外しますが、姫様プリンセスはお休みされているかもしれません。」


スピカはお辞儀をすると、来た道を引き返し本社ビルへと帰って行った。社長を部外者と同伴無しで会わせるなど、普通はセキュリティ意識に欠けると言われるだろう。


「まぁ、面倒は無くて良いのですが。」


ぼやく月光も無警戒な事だと認識しているようだ。あるいはアカリは何かあっても自身でどうにかなると思われているのか、フレスヴェルク達(=国連軍)が過度に信頼されているのか。



「アカリ、お邪魔するよ。」


ぼやいていても仕方が無いので2人は建物に入る。


中は外から見るよりは広いが、何らかの機械や道具が所狭しと並んでおり、複数ある作業台には道具とパーツが散乱している。何台もあるパソコンは何らかのプログラムを実行中のものもあり、壁やホワイトボードには大量の設計図が貼り出されている。


通常の工場では見られない道具が多々ある事から、ここはアカリの個人工房なのだろう。



「ぐぅ…」


そして件の部屋の主は仮眠用と思われるソファーで横になって寝ていた。直前まで作業中だったのであろうか、灰色の作業用つなぎ服を着ている。


問題は暑かったのか、前のファスナーを全開にしている事と、その下が素っ裸で小柄な体躯にしては大きい胸が零れ出ている所か。


「…ちょっと無防備が過ぎませんかねぇ?」


「まぁアポ無しで来たのは僕らの方だし、仕方ないのかな。」


なんとも言えない状況に月光は苦笑いをしながら頭を掻き、フレスヴェルクはどこかズレた事を言う。



「んぁ…フレスちゃんにげっちゃん?どうしてあたしの工房に?」


そんな微妙な空気の中、ようやく工房に入って来た2人に気付いたのか、目を覚ましたアカリがゆっくり起き上がる。まだ眠いようで、目を擦って軽く息を吐いた。


「アカリさんアカリさん、前のファスナー開けっ放しのせいで胸がまろび出てますよ。と言うか立ったせいでつなぎ服がズレて大事な場所も見えそうです。」


「おっとっと、ごめんごめん。で、あたしに何か御用かな?」


言われて初めて気が付いたらしく、前のファスナーを閉めるとアカリは2人に尋ねる。


「単刀直入に言うよ、実はこの前倒した『マインフィールド』を名乗るアンドロイドに出会ったんだ。」


「あ!おじいちゃん元気にやってた!?あたしおじいちゃんのボディぶっ続けで作ってて、完成したら爆睡してたからちゃんとやれてるか心配だったんだよねー」


この言葉で、アカリがあの機械を改造したのは確定した。問題は『何故そうしたのか』だ、暴走してあれ程の被害を生んだ機械をそうした理由。



「それなんだけど、どうしてキミは『そうしようと思った』のか?」


その理由が、何らかの悪意あるものならばそれを見過ごすことは出来ない。特に今は連続で起きているアンドロイド暴走事件の件もある以上、それに関与している可能性も考えられるし、何なら彼女が犯人かもしれないとの予想も立てられる。




「それはね、あたしの我儘。あの『ヒト』はね、昔からずっとこの国の為に頑張ってたし発展を支えてた。でも今はもうその名すらみんな忘れちゃってた、ただ壊れて廃棄されて朽ちるのを待つだけ。」


一呼吸の後、アカリはその理由を語り始める。旧世代の掘削機の事を『ヒト』と呼びながら。


「アカリ、今ヒトって…」


「あたしはそれが我慢できなかった、想いは苦労は報われるべきだもん。あたしには聞こえるんだ、そういう声が。あのヒトは『まだ働きたい、まだこの国の為に』って願ってた。だから身勝手だけど、あたしはあのヒト『リゲル』の身体を作ったの。」


彼女は真剣な様子でそう答えた。ただ、報われて欲しかったのだと。



「機械は本来『物』の筈です、ある意味消費される為に作られた。アカリさん、それを貴女は『ヒト』と言いますか?」


「うん、だって機械ならアンドロイドや作業機械だけじゃない、げっちゃんやあたしみたいなサイボーグだってこの身体は生体パーツを使っててもやっぱり『機械』だよ。でもあたし達はモノじゃない、形は変わっても『ヒト』だ。生身の身体を持つは重要な事じゃない、もう人間だけがヒトって時代は変わったってあたしは思う。」


アカリは月光の言う『機械が物』という言葉を否定しながら、そんな事を宣う。


立ち上がり、作業台の上に置かれた腕のようなパーツに手を触れ、窓の外を見る。外には数台の清掃作業中のアンドロイドが居た。


「いつでも大事なのは想いだ、だからあたしはそれの手助けがしたくてこの会社を創ったんだ。」


「想い、ですか。」


「そうアンドロイドもサイボーグも、みんなそれを持ってる。目的だったり願いだったり未来だったり、それを持ってるからヒトなんだ。だから形は重要じゃない。そう言う想いが好きで、あたしはそれの手助けが出来たらなって。」


優しく微笑みながら言うアカリを見て、フレスヴェルクと月光は何も言えなかった。


ふと心に、ある引っ掛かりを覚えたから。



「って、こんな説教くさい話はあたしには合わないよね!今のはナシで!そんなことよりあたしの会社、そしてあたしの工房へようこそ!ここは新開発の試作品を作る場所、まぁ今回は急いでたからここでリゲルおじいちゃんの身体作ってたけどね。2人共あたしの工房と会社を見学していく?」


「…そうだね、キミが悪い事しようとしてないのは分かったし、折角来たんだし。」


ちょっと暗い雰囲気になったからか、アカリは話題を変える。彼女に悪意が無いのを確認出来たので、フレスヴェルクも取り敢えずこの件は一旦これで終わらせる。話した感じアカリは嘘は行っていないようだし、アンドロイド暴走事件とも関係は無さそうだ。


「いいですね、新しいパーツでも見せていただければ。」


月光も乗り気なようだ。ならフレスヴェルクにも断る理由は無い。


それに『珍しく気の迷いを抱いた相棒が話題を切り替えようとしている』のに気付かない程、フレスヴェルクは鈍くない。だからここはアカリの提案に乗ることにした。



勿論、何かが心に思い当たる自分の気持ちを切り替える為にも。




*******************




「おーいマスター、そんな窓の外眺めながらボーっと突っ立ってどうした?ま、今日は下着来てる分いつもより上出来だけどな。」


台所の片付けを終えたユウは、窓の外を眺めるフレスヴェルクを不思議そうに見ながら言う。彼女が風呂上りに下着姿や全裸でウロウロしたり外を眺めていたりするのは珍しい事ではないが、今日は何か様子が違うと感じたのだ。


外を見てはいるが風景を見ている訳ではなく、何かを考えているような仕草。



「ユウ、『ヒト』ってなんだろうね?」


「いきなり哲学っぽいこと言い出してどーした?」


より不思議そうな表情を浮かべたユウに、フレスヴェルクは今日の出来事を話す。


あの戦いの後の事、人型アンドロイドへと生まれ変わった掘削機械の話、それを行ったアカリの真意について。



「あー、例のアカリ姫のことかぁ。相変わらずやる事成す事ぶっ飛んでると言うか、エキセントリックな性格だと言うか。」


呆れ半分感心半分のような表情で、ユウが溜息を一つ吐く。有名企業の社長だからかユウもアカリの性格をある程度知っているようだ。



「アカリはアンドロイドも機械も僕たちサイボーグも人間も『ヒト』だって言った。想いがあるなら願いがあるなら、目的があるならって。でもそこで思ったんだよ『僕もそうなのかな?』ってさ。」


「何だよ、そこで疑問形になんのか?」


「僕はこうしてキミと暮らしてる。その様式は人間、つまりヒトと同じだ。食事をしてお風呂に入って寝る、そして仕事したり休みは趣味を楽しんだり。でもそれで本当にヒトなのかなって。そう言う生活には別にサイボーグには不要な事も多い。食事はエネルギーキットと充電で、身体の清掃はお風呂じゃなくてもいいし、休むからって人間のように布団に入る必要も無い。」


「自分で言ってただろ?『人間の感覚を忘れない為に』ってさ。マスターはそうしたいワケじゃねぇだろ?だったら俺をメイドとして雇うワケないもんな。」


「そうだね、でもそれを以て僕がヒトであるとは言えないんじゃないかって。そりゃ法の上では脳が生きてる以上、サイボーグになっても人間として分類されるよ。でもどうしても、僕は人間とサイボーグを別のモノとして考えてしまうんだ。ヒトじゃなくて機械寄りの存在だって。」


フレスヴェルクの言う通り、この国の法律と国連の定める規定では元々の脳が生きている以上、サイボーグは人間として分類される。つまり法の上では『ヒト』だ。


だが、フレスヴェルクはその感覚にどんどん乏しくなりつつある。自分は人間とは違う存在で、機械寄りの何かなのだと。あの時あんなリアクションをしていた月光も同じ事を考えていたはずだ。



「それでアカリ姫の言う事と齟齬を起こしたってことか。」


「うん。」


だからこそ、アカリのあの言葉が妙に脳裏に引っかかってしまった。彼女はサイボーグどころかアンドロイドや作業用機械ですら『ヒト』足り得ると言った。平たく言えば『意志』があるなら。


フレスヴェルクは彼女の価値観が分からなかった、一体アカリの目にはサイボーグやアンドロイド達が、そしてこの世界がどんなふうに見えているのだろう?


 

「なぁマスター、メイドの俺が言う事でもねぇと思うんだけどさ、アカリ姫言ってる『ヒト』ってそもそも『=人間』じゃねぇと思うのよ。」


「どういうこと?」


不意にユウはそんな事を言い出した。


「アカリ姫の言うヒトってのは人間みたいだとか、人間になるとかとは違うんじゃねぇかな。裏を返せば人間の中にも『ヒトでなし』が居るってことでよ。まぁそれはそれとして、じゃあアカリ姫が言うヒトの定義が何なのかは知らんけどな。」


人間らしいことがヒトであることではないなら、アカリは一体どんな理屈でヒトを定義しているのだろうか。彼女が意志を重要視しているのは確かだろうが、何を基準にしているのか。もしかしたら明確ではなく彼女の感覚次第なのかもしれない。



「それに人間なんてそこまで重要視される程のモンでもねぇよ。」


「ユウ?」


新しい疑問に思案顔になっていたフレスヴェルクは、急に声のトーンを低くして不機嫌そうに吐き捨てたユウに驚いてその顔を見る。


一見雑ながらに献身的にフレスヴェルクを支え、相談にも乗てくれるような実は優しいユウには似つかわしくない複雑な表情。どこか諦めたような中に燻ぶっているのは、憎悪の感情だろうか。


「人間だってのがそんなに偉いかってな。サイボークが人間じゃねぇってのなら俺は望む所だ、あんなのと一緒にされたくねぇし。」


ユウは言いながらメイド服の襟元をずらして、左胸の辺りを見せる。そこには彼女の個体識別番号である『PPB-CU801』とバーコードのような模様と蹄鉄のようなマーキングが入っている。


「マスター、俺の識別番号の『PP』意味は教えたよな?」


「…うん、同じアルファベットが先頭に2つ重なるのは特殊な機体で『PP』は『罪人』を示す。罰と賠償として肉体を徴用されて、懲役代わりの奉仕活動の為に改造されたサイボーグ特有のコード。」


「その通りだよマスター、俺をこんな風にした人間共なんてクソ喰らえだ。マスターが真実を暴いて俺を助けてくれてなければ、どうなってたか…」


事実だけ見るなら、国の要人であるフレスヴェルクに仕えるメイドであるはずのユウは『受刑中の犯罪者』か『元罪人』という事になる。一方で彼女によると何らかの形で、フレスヴェルクによって救われたとも言っている。


その時の何らかの経験が、彼女に人間に対してこんな言葉を吐かせるに至っている。



「ユウ、ごめん…」


「マスターは悪くねぇよ、でも俺をハメてくれたアイツらが人間ってなら俺は機械呼ばわりでいい、そっちの方が一緒くたにされるよりはマシさね。」


ガラにもなく感情的になってしまったのを恥じたのだろうか、ユウは自嘲気味に言うと今度はフレスヴェルクの脚を指さす。


「マスターだってその身体サイボーグにならないと歩くことすら出来なくなったのは誰のせいだよ?」


「それは…」


無意識に脚に触れる。


フレスヴェルクは今でこそちゃんとサイボーグの義体として脚がちゃんとあり、歩く事も走る事も出来るが、生身の頃はそうではなかったのだ。



交通事故。


かつては運動神経抜群でスポーツが趣味のごく普通の少女だったフレスヴェルク、しかし旅行先で暴走しながら突っ込んで来たトラックに乗っていた車ごと引き潰され、両親と自身の両脚を失った。深酒しながらトラックに乗っていた人間も当然死んでおり、悪い言い方をすれば『逃げ切られた』形でフレスヴェルクは独りになった。


爆発炎上する程の大事故の中で生き残った事さえ奇跡だが、自動式の義足の神経接続が出来ない程脚をぐちゃぐちゃに損傷した影響でもう二度とスポーツはおろか歩くことさえままならない身体となってしまったのだ。


ベッドの上で動くのもままならず、鬱屈しながら二度と届くこと無い空を恨めし気に見上げていたかつてのフレスヴェルク。そんな折に訪ねて来たのが国連軍の人間だった。



『あなたは選ばれた才能を持っている』と。


サイボーグ手術の適性と高い空間把握能力とバランス感覚が、初の完全な飛行型サイボーグになり得るかもしれないと、サイボーグ手術を提案して来たのだ。それさえ成功すれば『歩けるようになるのは容易い』と。


それを飲んだからこそ、フレスヴェルクはサイボークとしてここにいる。



「言っちゃえばば弱みに付け込んで軍に徴兵したみたいモンだ。それこそ『人の心が』無ぇ行動だよ。だから人間なんてのはな、そんな特別なイコンじゃねぇ。なら俺はマスターが生き方は今のままでも『分類として』の人間である事に拘ることはねぇかなって思ってる。」


生き方(ライフスタイル)は今のままじゃないと俺の仕事が無くなっちまうからな、と自嘲するような冗談を交えながらユウは自分の考えを締めくくった。



「人間である事に拘る必要はない、か。」


静かにユウの言葉を反芻する。以前センパイが言っていた『人間らしく行動する事で、人間らしい感覚は失わない方が良い』という言葉とは、一見全く異なる『人間と同じ生き方でも、人間である事に拘る必要は無い』と言う言葉。


改造されてから、驚異的な能力を手にした故に日を追うごとに薄れてゆく人としての感覚。漠然とそれを恐れる気持ちが心のどこかにずっと在った。それさえ無くしてしまえば身体だけでなく全て機械になってしまうのではないかと。


だがアカリは暗に『サイボーグでもアンドロイドでもヒト足り得る』と言った。


ユウは要約すれば『人間の何が良い事なのか、機械の何が悪い事なのか』と言った。


じゃあ、自分はどうなのか。



「…もうこんな時間だなマスター、明日休みだからってあんまり夜更かしは良くねぇ。この話は今日はここまでだ。」


「…そうだね。お休み、ユウ。」


話を打ち切り、フレスヴェルクは寝室へと入って行った。後にはくすんだ目でそれを見送ったユウだけが残る。




「消えねぇもんだな、俺は救われたハズなのに人間が憎くて仕方がねぇ。何かしたところでもう身体は戻らないのにな。」




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