表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/36

妹と双子コーデで出掛けることに

と、いうようなことがあって、僕は女装を日課とするようになった。


初めのうちは妹の目の前で女装するのは抵抗があったのだけど、綾音がいつも可愛い可愛いと褒めてくれるので僕も楽しくなってきてどうすればもっと可愛くなれるかをいつも考えている有様だ。


ともあれ普段の僕は極々普通の高校生。特に今年は受験生でもあるので女装に割ける時間はあまりない。


何を着るかは完全に妹任せで、綾音はおそろいの服を選ぶことが多い。いわゆる双子コーデというやつだ。


しかも今日は、双子コーデで出掛ける約束までしている。


白いTシャツにピスタチオグリーンのオーバーオール。綾音のはズボンで僕のはスカートタイプ。


「これ逆じゃない?」


「え?あってるよ!」


「そう……」


どうやらスカートで人前に出なければいけないようだ。覚悟を決めよう。




いざ街にでてみると僕たちはとても目立った。綾音は慣れてるようだけど僕はこんなに注目されることなんて初めてだった。周りの人たちに変に思われてたらどうしよう。そう思うと呼吸が浅くなってきて息が苦しい。


「へ、変じゃないかな?」


「大丈夫!似合ってるよ♪」


「で、でもなんか人から見られてるような……」


不安になってそう言うと、綾音は僕の耳元で


「それは、お兄ちゃんが可愛いからだよ!」


と言う。ひそひそ声でそんなことを言われて顔が熱くなる。


そんな僕を見て綾音は愉快そうに笑う。


「ほら、行くよ!」


そう言って手を差し伸べる。


綾音の笑顔を頼もしく感じつつ僕は手をとる。


なんだか綾音の妹になったような気分だ。


そんな風に考えると、まだ胸はドキドキするけれど、不安な気持ちはなくなっていた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ