こうして始まる僕の女装ライフ
「おかえり綾音」
「うん、ただいま。それで?お兄ちゃん何してるの」
「これは……その……ごめん」
「ごめんじゃ分からないよ。何をしているの?」
「綾音の服を勝手に着ちゃったんだ」
「どうして着ちゃったの?お兄ちゃんそういう趣味があったの?」
「そういうわけでは……つい出来心で」
「ふぅん、へぇ、あそう」
怒られるかと思ったが、綾音はなぜかにやにやしながら僕に近づいてくる。
「着てみてどう思ったの?」
「それは、、、」
「正直に答えてね」
「か、可愛いと思った」
「ワンピースが?それともお兄ちゃんが?」
「それは、その、あの、、、」
僕が言い淀んでいると、綾音は僕の着ているワンピースの裾を持ち上げた。
スカートの中に風が入ってきて、落ち着かない。
綾音はそんな僕を見て愉快そうに言った。
「これ、お気に入りだったのになぁ~」
「本当にごめん!お詫びに何でもするから」
「何でも……ねぇ。くふふ、じゃあこれから毎日女の子の服を着ること!」
「ええええええええええええ!!!」
「急に大きな声出さないでよ!びっくりするじゃん」
「いや、だって綾音が変なこと言うから」
「変なこと?妹の服を勝手に着ちゃったお兄ちゃんに言われたくないな」
「それはホントにごめんだけど。女の子の服ってまた綾音の服を着るの?」
「何?そんなに私の服が着たいの?お兄ちゃんってば変態さんだね」
「いや、でも新しく服準備するの?」
「安心して、私お兄ちゃん用に女の子の服買い揃えてあるから!」
「ど、どういうこと?」
「私、前から思ってたんだよね。お兄ちゃんは女の子の服がとっても似合うだろうなぁって!」
「いやいやいやいや、何言ってるの?っていうか綾音は中学生だろ。どこからそんなお金が……」
「あれ?お兄ちゃんには言ってなかったっけ。私、読モで結構稼いでるんだよ!」
「いや、聞いてな、って、え?読モ?」
「そだよ~。だからお金のことは心配しないで」
「いや、そういうことじゃなくてね」
「もう、うだうだ言わない!お兄ちゃんに選択肢なんてないんだからね!」
「う、はい。」
「分かればよろしい!じゃ、明日からよろしくね!」
こうして僕の妹による強制女装ライフが始まった。




