妹の妹になってみた!
綾音が用意していたのは『不思議の国のアリス』風のエプロンドレスだった。
「これは女児服というよりもコスプレ衣裳のような気がするんだけど、、、」
「うん、私もそう思う。けど、ガチの女児服はお兄ちゃんにはまだ早いと思うんだ」
女児服(子どもの着る服)なのにまだ早いとは?とハテナ顔になってしまう。
「大丈夫!ガチの女児服もいずれ着てもらうから」
女児服着るの今回だけじゃないんだと戦慄しつつエプロンドレスに袖を通す。
「どう、、、かな?」
「可愛い!」
即答する綾音。
「今からお兄ちゃんは私の妹の、かなちゃんね!ちゃんと言動もそれっぽくするんだよ」
「うん!わかったよ。あやねおねえちゃん」
出来るだけ幼いしゃべり方を心掛けてそう言うと綾音は目をハートにしながら僕の頭を撫でてきた。
「はう。可愛い、可愛いよ♪かなちゃん!」
「えへへ、うれしいな♪」
「お姉ちゃんのほっぺたにすりすりしてみて!」
「うん♪すりすりすりすり♪」
兄としての威厳と、羞恥心をかなぐり捨てて小さな女の子になりきると、ますます綾音は甘やかしてくる。
冷静に考えると後悔しそうなので、頭の中をからっぽにして全力で現実から逃避したのだった。