表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役たちの不交錯  作者: うたかた
2人の異世界転生
6/12

3−1 魔法の発動自体は簡単でした

メイドは何度か魔法を使って見せて気がつく。

フィリアはガラガラに興味を持っているのではなく、魔法が起こす現象自体に意識を向けていると。


「フィリアさまはマホウにきょうみがあるのですね?」


フィリアはパチパチと手を叩いて肯定する。


「ふふふ、こっそりおしえちゃいますね。」


そういうと、メイドはフィリアのお腹に手を置く。すると、手が柔らかな光に包まれる。


(じんわりとあったかい。)


手のひらかた伝わる温もりのほかに、身体の奥から湧き出るような熱が、フィリアを巡る。


「これがマリョクです。これをじょうずにつかって、マホウになるのですよ。」


そのうちにハツゲンしますよ、と言い残して退出する。


(詳しくは教えてくれなかった……。)


部屋を後にするメイドを見送りながらボヤく。


(魔法はイメージだって、何かに書いてあったはず。)


フィリアはイメージする。浮遊するガラガラを手元に引き寄せる、不可視の手を。すると、小さな身体の近くがグニャリと歪む。捻れた空間は次第に伸びてゆきガラガラへと到達し、器のように広がりそれを包む。伸びた空間は徐々に短くなり、フィリアからわずかに離れた場所までガラガラを運ぶと、スッと消える。


(意外と簡単。)


こうも呆気なく成功すると、次を試してみたくなるようで、


(ベットの柵を掴んで体を浮かせる……!)


再び身体の周りが歪み、その根本はフィリアを包み、伸びた先はベットの柵を掴む。力を込めて身体を浮かせようとするが、


(浮……かな……い……。)


フィリアの身体から力が抜けていき、歪みはその形を失う。

誰が呼んだか、魔力欠乏症に陥ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ