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1−2 産声を上げた転生者
「ううう、あ゛〜〜〜!!」
室内に響く赤ん坊の泣き声に
(うるさいな……。)
彼は重い瞼を開く。映る景色は異様で、犬や馬など動物の人形が吊るしてある。
(どこ……。)
疑問を抱いた時には、赤子の声は止んでいた。
(知らない部屋に、赤ん坊の声?)
周囲を確認する。囲いのベットに知らない布団。異常事態であることを彼は悟った。
そうしている間に、パタパタと足音がしてくる。
これまた知らない女性が
「どうちましたか〜。」
と覗き込む。
「オムツじゃ……ない。」
女性が彼の排泄物の状態を確認する。甘楽 トモルはっきりと理解する。
(俺、生まれ変わってる!)