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056話 競技祭の開催

◇◇◆◇◇◇


 直撃したはずの氷塊が目の前で完全に消滅した。

 一瞬、何が起きたのか理解ができなかった。


 聡明な僕は瞬時に脳内で物事を整理し始める。

 このルーン文字の刻まれたライトアーマーを装着した瞬間、先生が氷属性の魔法(スペル)を放ってきた。

 魔法(スペル)による障壁や回避・防御姿勢が間に合わなかったので直撃すると思った瞬間、ライトアーマーに刻まれた文字が赤く光ったのが見え、僕の目の前で氷塊が炎で燃えるように消滅したのだ。


 体には傷1つ無い、見えない炎の障壁が目の前で氷塊を蒸発させたとしか考えられない。

 僕は自分の胸の部分に刻まれた赤く輝く”ケン”という記号に触れた。


「こんな安物の鎧が…ありえない」


 驚きのあまり自然に口から言葉がこぼれた。

 僕が特別生の方に目をやると彼はクラスメイトに囲まれて質問攻めにあっていた。

 不本意だ!非常に不本意ではあるが、もはや特別生への見方を改めざるを得ない。

 このルーン技術があれば競技祭において、他クラスに対して圧倒的優位に立てる。 


 この学園に入学し、ハイクラス魔法(スペル)学科に配置された時点で、他の生徒よりも魔力(マナ)の扱いに長けている証明をされているようなものだ。

 当然、このクラスの皆は1年生の段階で冒険者登録を済ませ、クラスのほぼ全員が魔法職(スペルユーザー)としての判定を受け、男性魔術師(ウィザード)ないし女性魔術師(ソーサラー)と個人カードに記載されている。


 しかし、彼は錬金術師(アルケミスト)という珍しい職業だとデイジーが言っていた。

 確か、生産系の職業で技術職に分類されると聞いた事がある。

 彼…ラルクは生産職にも関わらず、体術に長け魔法(スペル)も扱える。

 未熟とはいえ全属性の魔法(スペル)を操り、四賢者の称号を持つ先生をも凌駕する魔力(マナ)総量を保有している。


 もう認めざるを得ない。

 先生が言うように、彼は1000年に1度誕生するかどうかの天才だ。

 そして、未知数の可能性を秘めたルーン技術を扱える。

 …間違い無く、彼は競技祭で総合優勝する要となるだろう。


 ラルクは1年だけという短期入学という話だから、来年度の競技祭の時期にはこの学園にいない。

 彼の在籍している今年こそが、最も総合優勝できる可能性の高い年なのかも知れない。


 独善的な考えだろう、自分でもそう思うほどに強い”野心”が僕の原動力の根幹にある。

 僕は利用出来るモノは全て利用し、この国でゲッダ家の名声を轟かせ、僕自身の名前を伝説に残してみせる。



 その後、ラルクを呼び出し数日かけてルーン文字の事を詳しく聞き出した。

 ”ルーン技術”…それは僕の知らなかった未知の学問だ。

 ラルクの話では、ある程度の強度のある金属で文字が書けるサイズであれば武器防具問わず特殊な効果が付与できるという技術だと話していた。

 普通、武器や防具に特殊能力を付与するとしたら特殊な魔石を使用して鍛冶屋で鍛えなおす事で得られるのは誰もが知っている一般常識だ。


 決定的に違うところは魔石で強化した場合、炎と氷のように相反する属性を同時に得ることはできない。

 しかし、ルーン技術は限られているとはいえ反属性を同時に得られるという。 

 よもや、この世の法則を捻じ曲げているとしか思えない。


 驚いたのが、ルーン技術とは古代ハイメス国で使われていたもので、現在はタロス国とタクティカ国で商業化されているらしい。

 僕は自国の歴史に関して、それなりに知識を蓄えてきたつもりだが、ルーン技術なんて単語自体聞いた事が無い。

 多少の不可解さを感じながらも彼の話に耳を傾けた。


 もともとラルクは、古代ルーン文字の情報を調べる為に、このハイメス国へと旅をして来たらしい。

 高速魔導客船に乗り知識欲を満たす為に、わざわざ地図上で真逆の国を訪れるとは殊勝な事だと少しだけ見直した。

 それとも冒険者とは、元来そういったものなのだろうか。

 まぁ良い、そこはさほど重要ではない。

 この国にルーツがあるという話だが、誰1人として知らない未知の技術か…


 ルーン文字は全部で25文字あり、ラルクの扱える文字は24文字らしい。

 ラルクの話では最後の1文字は失われており、ルーン技術を教わったタロス国の技術者でも知っている人物はいなかったようだ。

 話を纏めると、武具にルーン文字を刻む事で様々な効果を付与する技術で、現在は魔石によって付与する方法が主流となり現代では(すた)れているという。


 話を聞きながら彼が何気無く説明をしていて驚いた部分が存在する。

 身体能力強化、精神力強化、魔法(スペル)効果、属性強化…そして最後の1つは扱っているラルクすら気付いてなかった恐ろしい効果……それは”事象に干渉する力”だ。

 装備者本人の周囲を取り巻く”運”などの要素に影響を与えると言う。

 それはまさに、神の領域に足を踏み入れている技術だ。


 ――僕は思う。

 ルーン技術とは(すた)れたのではなく、現在進行形で意図的に封印されつつある技術ではないのだろうか?……と。


 ラルクの話を聞いていて確信した、コイツはルーン技術の”表面”しか見ていない。

 いや、正確には研修で習った部分は”真理”や”神髄”に到達していない上辺の部分だったと言うべきなんだろうな。

 僕はこの未熟者に伝えなければならない。

 コイツの為では無く、総合優勝を勝ち取る…ひいては僕の伝説の為に。


「特別生…いや、ラルク君ぜひこの技術を競技祭優勝のために役立ててはもらえないだろうか?」


「えっと…」


「ルーン技術の事を、もう少し詳しく教えては貰えないだろうか? 別の効果を持つ文字もあるんだろう?」


「ああ、うん。喜んで協力するよ、えっとゲッダ級長」


 ゲッダ級長か。

 まぁ、今まで他人行儀かつ必要最低限しか接していなかったから仕方がない。

 多少不服感が残るが、彼を認め敬いこちらから距離を縮めよう。


「アルフィオで構わない、僕もラルクと呼ばせてもらう」


「わかった。よろしく、アルフィオ」




◆◇◇◇◇◇



 ――競技祭当日。


 ここ数日、雲一つ無い晴天に恵まれ、グラウンドの状態も良く絶好の競技祭日和となった。

 朝早く起こされたと思ったら、スピカとレオニスは揃ってどこかへと姿を眩ませた。

 なんでも「ついに見つけた!」とか言って、何か凄い食材でも見つけたような話をしていたような気がする。

 また、摘まみ食いとかして迷惑をかけなければ良いけど…

 考え事をしていると不意にノックする音が聞こえ扉を開けると、そこにはアルフィオが立っていた。


「おはよう、ラルク」


「うん、おはよう」


 ……。


 僕自身、口下手なのもあるが、どうもアルフィオから発せられる”強者の威圧”みたいなものが苦手で、こちらから会話が振り難いというか…正直、慣れない。


「いよいよ今日は競技祭の本番だ、君の活躍次第で総合優勝を狙えると確信している。お互い頑張ろう」


「分かった、精一杯頑張るよ」


「まぁ、僕の考えた布陣は完璧だ。そこにルーン武具が加われば総合優勝だって夢ではない。君にもルーン武具の扱い方などの参謀補佐的な役割をしてもらう。なぁに、全体の指揮は僕が行うから大船に乗ったつもりで付いてくるがいい。はーはっはっは!」


「お、おう!」


 普段冷静沈着なアルフィオのテンションが明らかにおかしい。

 競技祭への情熱がこの変化をもたらせているのだろう。


 僕の出場種目はクラス対抗リレーと障害物競争だ。

 クラス対抗リレーで1位を取った場合、学年対抗リレーにも出る予定になっている。

 当初、アルフィオが組んでいた計画では僕は得意な体術戦に出場予定だった。

 しかし、ルーン防具による能力強化が期待できると言う話から、より難易度の高い障害物競争へと変更になったのだ。

 本来なら重複出場も可能だけれど、クラス全員が万遍なく参加するようにとアーネン先生から言われ計画修正が行われたようだ。


 体術戦と障害物競争は名目上ポイント加算制の個人戦となっているが、バトルロワイヤル方式になっている為、途中までは団体戦といっても過言ではない。

 デイジーさんは僕の後ろで守って貰い上手にサボると言い、難易度の高い障害物競争に立候補していた。

 アルフィオも丸投げするように「まかせるぞ!」と僕の肩に手を置き、デイジーさんの立候補を快諾していた。


 まぁ、それぞれ長所を伸ばし、短所を補うようにアルフィオが指定した2文字のルーン文字を刻んだルーンライトアーマーを用意したから問題無いと思うけどね。

 体術戦と障害物競争の参加者それぞれの能力に合わせたルーン文字の指定をするとは、本当に恐れ入った。

 作製にはそう時間はかからなかったけれど、皆の事を知っているからこそできる指示だと、改めて学級委員長としての高い能力に尊敬の念を覚えた。


 大型の競技場のような造りの観客席には大勢の観戦客が訪れており、まるで有名な国際大会が開かれるような雰囲気に包まれていた。

 そして広いグラウンドには全学年の全生徒が集結し、開会式が開催された。


 それぞれクラス指定の応援席に戻ると同時に、最初の競技の”100メートル走”の選手に召集がかかり、競技が開始された。

 100メートル走は純粋に脚力を競う競技で、どのクラスも特に対策らしい対策はしてないように見えた。

 アルフィオも純粋な足の速さと、他の競技の主力選手を考慮した人選から計画を立てているようだった。

 5クラス各20名の3学年、総勢300名の選手が参戦し学年別に20回戦行われた。


 結果 累計ポイント

 1年生

 1-1:120ポイント

 1-2:150ポイント

 1-3:140ポイント

 1-4:130ポイント

 1-5:155ポイント

 2年生

 2-1:140ポイント

 2-2:130ポイント

 2-3:190ポイント、総合3位

 2-4:85ポイント

 2-5:225ポイント、総合1位

 3年生

 3-1:135ポイント

 3-2:155ポイント

 3-3:55ポイント

 3-4:130ポイント

 3-5:215ポイント、総合2位


 上記の結果となった。

 僕達のクラスはアルフィオの計画勝ちという感じで、総合1位と良いスタートが切れた。

 クラスの士気は大いに上昇し、良い雰囲気で次の競技の”クラス対抗リレー”へと続いた。


 クラス対抗リレーは午前の部最初の山場となり、学年で1位を取れば午後からの”学年対抗リレー”への参加権を得られる訳だ。

 これを勝ち抜けるかどうかで総合得点に大きな差がつく事になる。

 クラスの平均人数は約40名で1人当たりの走行距離は50メートル、クラス人数に応じてスタート位置が変動するというルールだ。

 この競技も純粋な足の速さとバトンのスムーズな受け渡しが勝敗を別ける。

 これは得意不得意に関係無く全員参加の為、身体能力平均が高いクラスが有利だと思われる。


「皆、準備は良いか! 現在総合1位と幸先の良いスタートが切れている! ここで勝利を勝ち取り、最終総合1位へと一気に駒を進めよう!」


 アルフィオがクラスの皆を集め、気合を入れる。

 皆もそれに合わせて大きく「おおおお!」と叫んだ。

 学級委員長を先頭に全員が学園総合優勝という目標に向けて気合十分だ。


 それぞれに用意された4ヶ所に分かれて待機が完了したら、1年生から順番に競技がスタートした。

 足の速い者、遅い者、バトンを落したり転倒したりと様々なハプニングを超えてクラス対抗リレーは終了した。

 そして、クラス対抗リレーの結果は以下のようになった。


 1年生 1位:1組 2位:4組 3位:5組

 2年生 1位:3組 2位:5組 2位:4組

 3年生 1位:5組 2位:3組 3位:4組


 5組は善戦したものの、3組に敗退し2年生では2位止まりとなり、午後の部にある学年対抗リレーの参加権を得る事は出来なかった。

 アンカーを任されていた僕は4位から2人抜いて追い上げたが、3組のクリストフという生徒を追い抜くことができず、最終順位は2位となってしまった。


「ハァハァ…ごめん皆。追いつけなかった」


「何言ってんだ! 最後に4位から2位まで追い上げたんだ、謝らないといけないのは優位な状態でお前にバトンを渡せなかった俺達のほうさ」

「そうそう、ラルク君すごかったよ!」


 特別生という位置付けから今まで腫物のような扱いを受けてきたからか、皆の労いの言葉が一段と心に沁みる。


 結果 累計ポイント

 1年生

 1-1:320ポイント

 1-2:150ポイント

 1-3:140ポイント

 1-4:280ポイント

 1-5:255ポイント

 2年生

 2-1:140ポイント

 2-2:130ポイント

 2-3:390ポイント、総合2位

 2-4:185ポイント

 2-5:375ポイント、総合3位

 3年生

 3-1:135ポイント

 3-2:155ポイント

 3-3:205ポイント

 3-4:230ポイント

 3-5:415ポイント、総合1位


「現在総合1位から3位に転落したが、まだまだ優勝圏内だ! それに次の体術戦から僕達も切り札を使っていく! 必ず勝てるはずだ!」


 次の体術戦は参加者10名全員が2文字刻みのルーンライトアーマーを装備している。

 放課後の時間を利用して事前に模擬戦を行い、自信が付いた代表メンバー達は余裕の表情を浮かべていた。

 当然ではあるが使用防具の事前審査は通過済、この時点でクラス全員が「必ず勝てる」と確信していた。

 参加者がグラウンドの中央にある競技場周辺に集まり、1年生参加者50名が舞台上へと上がった。


 そして、まず1年生の5クラス分50名の体術戦が始まった。

 入学して日が浅くお互いの能力を把握していない為、チームでの連携が取れていない戦いが舞台上で繰り広げられる。

 もはや乱戦というような状況となり、30分経過した段階で時間切れとなり勝負は決した。

 棄権、審判判定、場外乗り越え、舞台上に残った参加者の数で勝敗が決まる。

 1年生の結果は、1位:3組 2位:2組 3位:1組という具合になった。


 続いて我々、2年生の試合。

 2年目となると、どのクラスも能力分析や作戦に拘った戦略を用意していて一筋縄ではいかないのは自明の理だ。

 各々代表選手が舞台に上がり、試合が始まった。


 開始の合図と同時に皆の装備したルーンライトアーマーに刻まれた2つのルーン文字が赤く輝いた。

 重い衝撃音が幾つか連続で響き、一気に10名が場外に吹き飛ばされた。

 会場からは驚きの声が上がり、その光景を目の当たりにした選手達は赤く輝くルーン文字に気付いたようだ。


 体術戦の作戦は至ってシンプルなものだった。

 2人組を5つ作り、背中を合わせに円を組んで、片方が防御特化で守りを固め、もう1人が攻撃に集中する鉄壁の陣形を構築していた。

 貴族の中には聖騎士(ホーリーナイト)を目指す者が多い、そんな選手が防御に特化したルーン武具で武装し攻撃役を守る。

 そして攻撃に特化したルーン武具を身に着けた選手の火力は同世代をゆうに圧倒していた。


 この競技は魔法(スペル)による肉体強化はできないが、特殊技能(スキル)による攻撃や防御は許可されている。

 勉強不足の僕としては、特殊技能(スキル)魔法(スペル)の境界線に詳しくはないが、審判の先生が厳しい監視を行っているため、不正はできないらしい。


 試合開始から15分経過した所で、我々5組総勢10名を舞台上に残して2年生の試合は終了した。

 その圧倒的な強さに、会場から大きな歓声と拍手が上がった。

 なんと5組の生徒以外全員が場外または気絶し戦闘不能という状況になり、2位以下は舞台上に残っていた順に遡り、2年生の試合結果は1位:5組 2位:1組 2位:2組となった。

 試合を終えた代表者の皆が戻り、「やったぜラルク!」「余裕余裕!」と僕にハイタッチをしてきた。

 皆、口々に「このルーンライトアーマーは来年も使おうぜ!」と盛り上がっていた。


 会場にいた選手や生徒達は僕達の装備しているルーンライトアーマーの存在に気付き、大差で負けた事に不信感を抱いたのか、選手達が審判役の先生に抗議し始めた。

 しかし審判の先生方はアーネン先生からルーン武具の事を聞いていたらしく、選手の異議申し立てはあっさり却下されていた。


 そう、ルーン技術はあくまでも付与(エンチャント)系の特殊技能(スキル)として扱われるからだ。

 すなわちリレーや騎馬戦等の特殊技能(スキル)使用不可という規定がある競技以外は使用が許可されるって訳だ。


 その後、3年生の試合が始まり、非常に連携の取れた試合運びが見られたが、2年生の試合の衝撃が大きすぎたせいか綺麗な試合だったという感想だけで、会場はそこまで湧かなかった。

 試合結果は1位:5組 2位:1組 3位:4組となった。


 結果 累計ポイント


 1年生

 1-1:420ポイント

 1-2:350ポイント

 1-3:440ポイント、総合3位

 1-4:280ポイント

 1-5:255ポイント

 2年生

 2-1:340ポイント

 2-2:230ポイント

 2-3:390ポイント

 2-4:185ポイント

 2-5:675ポイント、総合2位

 3年生

 3-1:335ポイント

 3-2:155ポイント

 3-3:205ポイント

 3-4:330ポイント

 3-5:715ポイント、総合1位


「ふっふっふ、学年内で一気に大差がついたな。このまま総合1位を目指すぞ!」


 計画通りの成果にアルフィオも上機嫌となっていた。

 現在、総合1位は3年生のハイレベル魔法(スペル)学科が定住している。

 やはり最大の強敵は3年5組、3位以下とは結構差がついている印象だ。

 僕達のクラスは2年生では1位、総合2位となっており十分総合優勝を狙える位置にいた。


 そして次は、いよいよ午前中の最終競技で僕とデイジーさんが参加する”障害物競争”だ。

 この競技はグラウンドからスタートして、学園に隣接する山岳地帯を指定ルートに従い半月型に走り、再度グラウンドへと戻って来るという長距離競技だ。

 山岳地帯には障害物が用意されており、最大の難点は特殊技能(スキル)魔法(スペル)の使用が許可されているという所だ。

 要は選手同士の妨害が認められている競技で、どのクラスも強者が選抜されているらしい。

 この競技は唯一魔法(スペル)の使用が許可されている、そのためどの学年でも5組にあたるハイレベル魔法(スペル)学科が1番警戒をされ、集中攻撃を受ける可能性が高いとアルフィオが話していた。


「よし、私の命はラルクさんに任せるから!」


 デイジーさんは能力向上魔法(バフ)の扱える召喚士(サモナー)補助役(サポーター)

 残りのメンバーは攻撃役(アタッカー)防御役(タンク)の男子6人、回復役(ヒーラー)の女子2人となっており、バランスの取れた布陣に加え各々長所を伸ばすルーンライトアーマーを着用している。


「ラルク、部隊の指揮は頼んだぞ!」

「やってやろうぜ!」


「うん、頑張ってみるよ」


 準備を終え、僕達はクラスメイトの激励の中、選手集合場所へと向かった。



◇◇◇◇◆◇



 俺様とレオはついに緑眼鏡(みどりめがね)の研究室へと侵入ができた。

 中から鍵を外しレオを招き入れ、再度施錠をした。

 この部屋に目ぼしを付けていた俺様の勘は見事に的中し、この部屋の壁の一画が陽炎のように揺らいでいる場所を見つけたのだ。

 恐らくあれが大図書館への入口に違いない。


 そして、今日は緑眼鏡(みどりめがね)も競技祭とやらに強制参加させられるらしく、この部屋は完全に無人となる絶好の日なのだ。


「あれか先輩!」


「たぶんな、取り敢えず封印を解除してみるぜ」


 単純な結界に守られた扉の封印をあっさりと解除すると、目の前に大きな木製の扉が姿を現した。

 その扉を開けると、地下へと続く階段が現れて、通路に青白い炎の照明が点いた。

 俺様とレオはその階段を颯爽と降りて行くと、再度同じような赤い扉が見えた。


 その扉を開くと、もの凄い数の書物が納められた巨大な部屋が目の前に広がった。

 何万冊の本があるのか見当も付かないくらい広く、そして高い天井の頂上まで届く本棚が(そび)え立っていた。


「す、すっげぇぇ!!」

「むおお!!」


 俺様とレオは扉を開けると、ほぼ同時に驚いて部屋を見上げた。

 これが、ラルクとおっさんが話していた”大図書館”で間違いない!

 この部屋の何処かに、更に地下の禁書庫への道が隠されているはずだ。


 俺様とレオは手分けをして、大図書館の中を探索し始めた。

お読みいただきありがとうございます。

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前日譚

なんだこのギルドネカマしかいない! Ψギルドごと異世界に行ったら実は全員ネカマだったΨ

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