表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/26

第七話「ヴァルカン、成人する」

 それから5年の月日が経ち

 俺は、元の世界と同年齢の15歳に成長した。


 この世界では成人になったら必ずその日にステータス鑑定を行わなければならない義務がある。

 この世界では、15歳で成人なのだ。


 ヴァルカンのステータス(ノーマル状態)

HP 99999

MP 30000

攻撃力99999

防御力7721

俊敏性9800

知力450

 

固有スキル「八尺瓊勾玉」SSS〜SSS+(?)ランク

     「クズ」   Bランク

コモンスキル「剣術」Aランク

      「槍術」Cランク

魔法属性 炎魔法 Aクラス

     水魔法 Bクラス 

     氷魔法 Cクラス

     風魔法 Bクラス 

     雷魔法 Sクラス


職業   最下級兵士



 ランクは経験値が一定値を超えるとワンランク上がる仕組みである。


 平均的な成人のステータスと比べても埒があかないため、同じ最下級兵士とステータスを比較する。


HP180

MP500

攻撃力360

防御力280

俊敏性220

知力250


コモンスキル「剣術」(平均Eランク)

コモンスキル「槍術」(平均Dランク)


魔法属性 (平均1つ、Cランク) 



 俺のステータスやランクは異常なまでに上昇したらしい。

 通常なら、ランクは1つも上がらないことがよくある。


 魔法属性のランクは、この世界ではほとんど才能によって決定づけられると言われているからだ。


 知力は特に上がりにくいらしい。

 異常な成長は見せていないものの、確実に成長している。

 

 

 しかし、俺のあのクズスキルが邪魔している。

 お母さん!! なんで俺にあんなスキルを持たせたんだよ……

 あれさえなければ、俺は常時無双している。

 まぁ八尺瓊勾玉があるからまだいいんだがな。

 あの八尺瓊勾玉のランクは1つ上がったかも知れないと言われている。

 何故なら、別のスキルがどうやら八尺瓊勾玉経由で使えるようになっているからだ。

 

 そして、SSS+ランクとは俺のために用意された特別なランクである。


 母は俺の鑑定結果を見て驚く気配すら見せなかった。

 暗影の戦いでのことを怒っているんじゃないよ?

 あれは父が俺に残していった「最後の試練」だということは、母上も知っている。

 母上は、俺の異常なまでの成長スピードを近くで見ているから、それ以上に驚くことはない。

 


 俺は身支度を済ませ、母のいるリビングへと向かった。


 





「ヴァルカン、大きくなったわね」


 母は15年前に比べれば、ほうれい線や、シワが結構増えている。

 加齢による影響もあるだろうが、

 一番は父と兄2人が5年前、つまり俺が10歳の頃に戦死したからだろう。

 その日から、高度経済成長期のようにシワやほうれい線が増えた。

 そんなことがあったのにも関わらず、母は生活水準を下げはしなかった。

 俺の成長を懸念したからだ。

 そのために母はお世辞にも得意とは言えない冒険者に復帰し、身を粉にして働き始めた。

 冒険者は自由で短期間で稼げる、絶好の職業だが、常に命の危険がつきまとう。実際、母は二度死にかけている。

 

 死にかけるまでは母が冒険者をやってるなんて知らなくて、驚いたもんだ……

 

 ちなみに冒険者に限らず、あらゆる仕事は15歳にならなければ就くことができないようだ。

 戦争で子供まで微収されることは滅多にない。

 

 

 

 俺の母は偉大である。

 俺の父は偉大である。

 俺の兄は偉大である。

 俺の知人は偉大である。

 俺の知らない人は偉大である。

 最後に、俺は偉大である。


 この世界について学んだことは色々とある。

 その中でも特に感銘を受けたことがあった。

 それは、どんな種族、人種であっても必ず偉大な面、良いと思える面を持っていることである。

 全てが悪ではない。

 俺もそんなことは綺麗事だと思っていた。

 例えば、魔神族。

 魔神族は多くの魔物を束ねている種族で、人間社会に悪影響は多々ある。

 でも、快感を求めて戦争をしているように見える彼らにも、ちょっとした理由があった。

 かつて魔神族は極めて小規模で弱々しい種族だったので、一部の愚かな人間から迫害を受けていた。

 魔神族はその迫害によって大虐殺を楽しむ非道な種族になったのではないだろうか?


 それでも俺は害を及ぼすなら潰す。

 人間だけの社会を築く方がずっと安定するとわかっているからだ。

 かつて、前世でも人種間の争いは絶えなかった。それに姿形が異なる種族が加わると、戦争は激化してしまうだろう。


 だから芽は潰しておかなければならない。

 でも、その命を、人生を貰うからには俺はの第二の人生を絶対に無駄にしないと誓う。

 


 


 

 

「ヴァルカン……?」


 

「今まで育ててくれて本当に感謝しております」


 母は、にっこりと微笑み、

「好きなように自分の人生を歩みなさい。じゃあね、ヴァルカン」と言った。


 寂しげな表情に思わず涙が出そうになる。

 でも、俺は泣かない。

 俺が母の支えになるのだから。

 

 

 


 俺は挨拶の後、レイリー王国の一番大きなギルド「ギガントマキア」に向かい、そこで運命の人と出会うことになる。




「水下先生……!?」


 そこには、前世で密かに恋をしていた恩師がいた。

読んでくれてありがとうございます


少しでも気になると思った方は是非ブクマ登録と☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂ければ嬉しいです


勿論、星1でも構いませんのでご自由に

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ