9、英語は守備範囲外です。
ただいま。
PS:読みにくかったので直しました
目が覚めるとやはりテントの中だった。ここまで来たら現世に戻るのは諦めた方が良さそうだな……というかメロが隣で寝ている。俺を抱き枕にはしないでほしいんだが……身動きが取れない。そんな事を思っていると運よくメロが手を放してくれた。やっと外に出れる。
「……眩しいな……」
テントを出ると朝の柔らかい日差し……ではなく、お昼前の突き刺すような日差しが俺を串刺しにした。寝起きにこの日差しは網膜への負担が半端じゃない。
それに加え、いつもはある程度の時間をテント内で過ごしてから外に出るが今日は再度メロに抱き枕代わりにされない様にすぐにテントを出たため低血圧ゆえの目覚めの悪さが顕著になっている。
皆には見られない様に気を付けてたんだが……
「……眠い……」
「おはよう黒木。」
「……?波風?ん、おはよう……」
「どうしたの?」
「……いつもの……低血圧……気にしないで?……」
「可愛い。」
低血圧で脳の処理機能が落ちててもそれはさすがに理解できるからな?彼氏持ちがなんていう事を非リア男子に言ってるんですか?
「寝癖、直してもいい?」
「……小日向……」
「前にも言ったけどあいつの事好きじゃない。」
「……だからって……」
「いいから、頭こっちに持ってきて。」
流石に女の子の圧力には勝てなかった。そのまま頭を差し出すと女の子特有の心地よい柔らかい指の感触が訪れた。
前に小日向に長々と聞かされたんだが、こうやって女子に至近距離で接してる時にふわっといい香りがすると意識しちゃうらしいな。俺自身は色々あったし意識しないんだが。
「ん。寝癖直ったよ。」
「ありがとな。」
「気にしないで。」
波風は俺の寝癖を直した後すぐにテントの中に戻った。
「準備終わってるから。早くね。」
「分かった。」
俺の所為で到着が遅れてしまうかもしれない。申し訳ない……取り敢えず早く準備を済ませよう。
― ― ― ― ―
着替えとテントの撤去を済ませ十五分もすると出発できる状態になった。これ以上到着を遅らせたくないためすぐに集落に向けて出発した。
「マーちゃんマーちゃん!!」
「どうしたメロ?」
「マーちゃんたちはこの世界の字は読めるのか?」
「文字に関しては基本的な形は変わらないはずだから……ってあっちの世界の常識は通用しないのか……もしかしたら読めないかもしれん。多分読めない確率の方が高い。」
「ならメロが役に立てるかもってことだな!!」
「そうだな……その時はお願いできるか?」
「任せるのだ!!」
会話ができる時点で字体は日本語に近いかもってことはメロに言わない方がいいかな……言わないでおこう。
「柾人君、そろそろ着くわよ。」
「分かった。って言っても準備するのは頭の切り替えぐらいなんだけどな。」
「なら、早めに切り替えておいて頂戴。」
「あいあいさー」
適当にあしらったが後で怒られないよな?……というかもう着いたのか……流石魔獣の速さだな。これをミミに言ったら悲しむだろうが。
集落に着いた俺たちは情報収集から始めることにした。分かったことは二つ。
一つ目はこの集落の名前がハウロスという名前であること。
二つ目はこの世界には『ギルド』が存在していること。
いよいよ異世界感が出てきたな……取り敢えず一旦集合して話し合うことにした。
― ― ― ― ―
「取り敢えず分かった事は二つだけだな……この世界での情報収集キツくないか?」
「……私たちがどれだけの情報社会で生きてきたか分かるわね……」
やっぱり文字の分からないこいつらにはキツかったみたいだな……まずは字の読み書きからか……それよりも先に寝床の確保だよな。テントでの寝袋生活はさすがに辛くなってきてベットで寝たいし。
「……宿屋に向かうか。」
「柾人君、宿屋が分かるの!?」
「雰囲気で判断できないか?」
「できないよ!!」
成白には出来ないらしい。俺がズレているだけなのか?
「まぁ、字は読めるし、そこまで困らないだろ。」
「読めるの!?」
班員全員が驚きながらこちら見てきた。こっちの方が驚きたい。
「だって、この字体を見るにフェニキア文字だろ?ギリシア文字の原型みたいな文字だ。まだウガリット文字じゃないだけマシだろ?」
「マシじゃないわよ!!私だって英語とスペイン語、ドイツ語位よ?!それなのに……ギリシア文字の原型??貴方の英語の成績は2よね!?なんで英語じゃない古代文字の知識があるの!?」
「十分すごいですよ綾瀬さん。それよりなんで俺の英語の成績を知ってるんですかね?」
「今はそんな事いいでしょ?!何故そんな知識があるのかを聞いてるの!!」
「……小さいころに興味を持って頭に染み付いた。他は象形文字と骨甲文字、神代文字ぐらいは読める。今は使われなくなった文字だから意味ない文字だよ。」
「…………」
……なんか言って?心に来るから。
「ここまで来ると尊敬する。」
「それ褒めてないだろ。波風。」
「そんな事無い。褒めてる。」
「……ありがとな。」
とにかく、宿屋に向か……あ、俺らこっちの世界の通貨を持ってねぇや。どないしよう。こういう時はラノベではギルド行くといい流れだけど……そううまくは行かないだろ……でもいまはそれ以外手がないし……
「どうしたの?柾人君、お腹の調子でも悪いの?」
「悩んでる人間に腹痛かどうか聞くな。」
「悩んでたんだ……何について悩んでるの?」
「金。」
成白はそのままぽかんとした後通貨問題に気付いたようでハッとしていた。表情が忙しいな……
「その問題を解決するためにギルドに向かいたいと思う。」
「ハウロスにギルドがあるの?」
「本部は無いだろうが支部はあるだろう。ついさっき看板で見たし。」
「分かった。皆に伝えてくるね。」
「頼んだ。」
俺はギルドに向かう為に皆を集めた。魔力がないって言われたからなぁ……冒険者にはなりたくねぇな。
ようつべを見てたんですが、とある歌い手さんが目に入って動画を見てみたのですがその人の声を聴いた瞬間鳥肌が立ちまして。
その人の事を調べてみたんですが実年齢が一つしか違は無くて驚きました。
作者も音楽が好きで歌ってみたをあげたいなぁなんて考えていた時期があるので少し……いや、かなり羨ましかったですね。
同年代の人に有名人が居ると複雑な心境になります……音楽、絵、小説とか特に。
……作者も負けじと頑張ります!!
クラゲになりたい。