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弱虫、ごん兵衛さん。

作者: 七瀬
掲載日:2019/10/22





・・・むかしむかし、ある村に。

ごん兵衛さんという弱虫な男がいたんだよ。



ごん兵衛さんは、弱虫だから。

好きな女の子にも、告白できない男だったんだ。



『なあ、ごん兵衛! お前の好きな女の子の“サクラ”が嫁に行くぞ!』

『___えぇ!? 誰のところだい?』

『隣町の村蔵のところだよ!』

『村蔵って? あの女癖の悪い、アノ村蔵のところか!?』

『___あぁ!』

『そりゃ~大変だ! どうにかしないと、、、?』

『・・・そう思うなら? 村蔵からサクラを奪い取らんか!』

『___でも、オラにそんな事、、、。』

『お前は、“弱虫だ!” だがな、誰よりもサクラの事を想っとるんだろうが!

男なら、勇気を出さんか!!!』

『・・・・・・』

『___このままなら、間違いなく! サクラは村蔵のところに行くぞ!

まあ、お前さん次第だがな!』

『・・・・・・』



ごん兵衛さんは、思い切ってサクラが嫁に嫁ぐ前に呼び出したんだよ。


『___なあ、サクラ? 隣町の村蔵のところに嫁に嫁ぐのは本当の

事なのか!?』

『___えぇ、』

『サクラは、村蔵の事が好きなのか?』

『そんな訳ないじゃないの! 親が決めた事よ、私には他に好きな

男性ひとがいるわ!』

『・・・そうか、』

『その人は、“ごん兵衛さんよ!”』

『___オッ、オッ、オラか!?』

『えぇ! だから今日、ごん兵衛さんに呼び出されて嬉しかったの!』

『・・・サクラ、オラは、お前の事が、、、!?』

『___ううん。』



___その時、隣町の村蔵の遣いの者がサクラを迎えに来ていたんだ。



『サクラ様! どこですか? 迎えに参りましたよ! サクラ様~!』

『___急いで、ごん兵衛さん!』

『・・・・・・ううん、』

『こんなところに居らっしゃったんですか?』

『___ちょっと、待ってて! ごん兵衛さん、』

『・・・・・・』

『何もないなら、行きましょう! サクラ様! 村蔵様がお待ちですよ。』

『・・・ごん兵衛、さん、』

『___ごめん、』

『話がないようですね? 行きますよ、サクラ様!』

『・・・もぉ、ごん兵衛さんの弱虫!!!』

『___サ、サクラ、』



___こうして、ごん兵衛の大好きなサクラは隣町の村蔵のところに

嫁に行ってしまったんだ。



『なんで? サクラを止めんかったんだ、ごん兵衛?』

『・・・・・・言えなかったんだよ。』

『もう二度とサクラと会えなくてもか、、、?』

『___あぁ、』

『お前は、仕方がない奴だ! でもそんなお前でも俺は甘えが息子

のように可愛いだよ!』

『穣吉おじさん!』

『___もう、サクラの事は忘れろ! 女は腐るほどいるからな!』

『・・・それは無理だ! オラは、一生独身でいい! サクラじゃ

ないとオラはダメだからな!』

『そこまで、想っていたなら、、、?』

『・・・オラじゃ、サクラを幸せにはしてあげられん!』

『___ごん兵衛、お前は、』




___オラが、サクラを引き留めなかったのは、、、?

オラが、貧しい生活をしているからだ!


サクラをオラと同じこの貧しい生活に巻き込めない!

サクラには、誰よりも幸せになってほしいからだ!


それにオラは、、、?

“弱虫だから” サクラを守ってあげられるか? 自信がないよ。


貧しく、地位もないオラがどうやったら? 

サクラを幸せに出来ると言うんだ、、、!


オラに、その資格はないと思っているのに、、、。



___これもそれも、サクラの為なんだ!

オラは、そう自分に言い聞かせて今も貧しい生活を送っているよ。



遠い空を眺めながら、いつもサクラの事だけを想ってね。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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