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プロローグ
果てしなく広がる銀河……先史時代の人類は天の川銀河にて時代を紡いでいた。
現代、我々人類はその拠点をアンドロメダ銀河とさんかく座銀河に移している。とはいえ、天の川銀河にも人類はまだ存在しており、先史時代で言うところの「我々はこの惑星で生まれ育った」という言葉が、この時代では「我々はこの銀河で生まれ育った」と言うだけの話だ。
育った環境が違うだけで、人の本質など一ミリも変わりゃしないし、変わろうはずもない。少なくとも、アタシが先史時代に生きたとしても、求めるものは同じだ。
この広大な銀河の海に眠る数多の謎を解き明かす……なんて大げさな事を言うつもりはないが、まだ見ぬ景色があるなら見てみたいと旅人が言うように、あるいは、そこに山があるから登ると登山家が言うように、まだ知らない事があるなら知りたい、確かめたい────アタシはそう思う。だからアタシはジャーナリストの職に就いたのだ。
今回の取材は学生時代のクラスメイトから届いた一通のメールから始まった。