98 採用面接の対照的結果
コンコンコン。
「どうぞ」
ガチャ。
「失礼します。佐藤一と申します。本日は貴重なお時間を割いて頂き、このような機会を設けてくださりありがとうございます。どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いしますよ。どうぞお掛けになってくれたまえ」
「失礼します」
「それではさっそく応募書類を見せてもらおうか」
「はい。こちら履歴書です」
「うむ。ありがとう。それでは見させてもらうよ。どれどれ。ふーむ……。君は○☓大学出身か」
「はい」
「優秀だな。勉強頑張ってきたようだね。好感が持てるな」
「恐縮です」
「ふーむ。それから……ん? 何だ、これは? 履歴書に何か引っ付いているな」
「え?」
「これは……黒い、ちぢれた糸くずのように見えるが……何だか見覚えがあるな……まさか……いや、まさかな……」
「……」
「……」
「……」
「君!」
「はい……!」
「これは何だね! このちぢれた糸くずのようなものは!」
「はっ、はい、それはその……」
「何かね!」
「はっ、はい、それは……」
「何かね!」
「それは……僕の陰毛です」
「……」
「……」
「君は」
「はっ、はい」
「君は履歴書に自分の陰毛をくっつけたまま、それを私に提出したわけだな」
「……はっ、はい」
「君は、君は、君は君は君は君は!」
「はい……」
「不採用だ! 今すぐ家に帰りたまえ!」
「……はい」
コンコンコン。
「どうぞ」
ガチャ。
「失礼します。田中ゆりと申します。本日は貴重なお時間を割いて頂き、このような機会を設けてくださりありがとうございます。どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いしますよ。どうぞお掛けになってくれたまえ」
「失礼します」
「それではさっそく応募書類を見せてもらおうか」
「はい。こちら履歴書です」
「うむ。ありがとう。それでは見させてもらうよ。どれどれ。ふーむ……。君は○△女子大出身か」
「はい」
「優秀だな。勉強頑張ってきたようだね。好感が持てるな」
「恐れ入ります」
「ふーむ。それから……ん? 何だ、これは? 履歴書に何か引っ付いているな」
「え?」
「これは……黒い、ちぢれた糸くずのように見えるが……何だか見覚えがあるな……まさか……いや、まさかな……」
「……」
「……」
「……」
「君!」
「はい……!」
「これは何だね! このちぢれた糸くずのようなものは!」
「はっ、はい、それはその……」
「何かね!」
「はっ、はい、それは……」
「何かね!」
「それは……わたしの陰毛です」
「……」
「……」
「君は」
「はっ、はい」
「君は履歴書に自分の陰毛をくっつけたまま、それを私に提出したわけだな」
「……はっ、はい」
「君は、君は、君は君は君は君は!」
「はい……」
「採用だ! あとで私のオフィスに来るように!」
「……はい」




